フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS（＝防府看護専門学校）の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#045 ：不健康な地区における出生率と死亡率      

個人の場合でも、地域の場合でも、予防衛生を怠ることが病気の原因となる事は広く認められている。しかし、この同じ怠慢を家族の中で続けると、血統が衰退し、ひいては家が滅びてしまうということに、あまりにも社会的に無関心過ぎると思う。

親から子供えと引き継がれる悪習、例えば不摂生、汚れた空気を気にしないこと、陰気で不健康な地域に住む事なども、衰退をもたらすということが考慮されているだろうか。

衛生状態が全く違う「戸籍登録」地区における出生率、死亡率と比べたところ、健康的な「戸籍登録」地区では、死亡率が低く、年間の出生率も低い。しかし、不健康な地区では死亡率も高く、それと同時に出生率も上がっており、このような地区では寿命が短いことを示している。

人々が、この現実をよく考え、それが示唆している教訓に従おうとするなら、これは重要な事実である。
（2023年6月21日配信）

フローレス・ナイチンゲール（Florence Nightingale）：1820年-1910年：近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。