見出し画像

業務課題の具体化と改善ネタ出し

内勤小売マン、主に需要予測やら在庫管理などを行ってます。
最近はプログラミングや新しいDX関連の技術に触れることが多く、それらを使うことで業務課題を改善することができないか?と考えるようになりました。今回は5W1Hの観点で私の職場の課題と解決方法の解像度を高めてみようと考えました。

①データベースからのデータ取得ルーティンワークの改善

業務内容

物流系のデータベース(IBM i)から出荷の実績データや在庫数量のデータを抽出しており、頻度は様々。データ抽出は専用のアイコン(各メニュー単位で作成されたもの)を利用し、エクセルファイルとして保管する。

データベース(IBM i) これに条件を指定しクエリを送信する。
データ抽出アイコン クエリ送信した条件に基づいたデータを抽出する。

炙り出し

どれぐらいの頻度で発生するか?
データ抽出毎発生、毎日~月1
何を課題だと感じているか?

ルーティンワークだが自動化されていない。
誰の課題か?
ルーティンでデータ抽出作業を行う全員
解決されていない理由は?
・個々の手作業なので積算された人時に対しての試算がされていない。
・個々人ではあまり課題だと感じられていない可能性が高い。

改善ネタ

案1
RPAでシステム立上げ→クエリ送信→データ抽出を自動化する。
※データ加工まで一気通貫までできたら最も効果が発揮できる
案2
社内で別のデータベースを立てて、必要なデータをHULFT(※1)などでデータ連携し社内のデータベースを各担当者が利用する。
案3
抽出要件をクエリを全てシステム化しデータ抽出できるようにする。
改善案への障壁
全体改善の一角としては案2が最適解だがシステム開発が伴うため費用対効果が算出できるか疑問がある。案1でテンプレートを作り、作業者からの業務の吸い上げを行った後、自動化することが望ましいと思う。

※1 HULFTとは、セゾン情報システムズが開発・販売するファイル転送ソフト。企業内や企業間の業務システムを接続し、日常のシステム運用で発生するデータ連携を自動化することができる。

https://e-words.jp/w/HULFT.html

②発注作業で需要の異常値を検出した際の処理の改善

業務内容

エクセルの発注帳票を利用して発注を行う。帳票内で在庫、需要の計算を行い、需要の異常値を検出した際は需要計算の設定や、データの修正を手作業で行っている。※帳票作成や、初期計算式の設定等はVBAで自動化済

発注用帳票の一部

炙り出し

どれぐらいの頻度で発生するか?
毎日
何を課題だと感じているか?

一定のパターンに沿って処理をしているが自動化されていない。
誰の課題か?
私個人のgy法務
解決されていない理由は?
各お店への出荷情報を分析する必要があるがデータベースがない。
(ACCESSで挑戦したことがあるが2g制限で格納できるデータ量が足りない)

改善ネタ

PostgreSQL等の無料のデータベースを構築し、データ分析を行う。
改善案への障壁
個人的にPostgreSQL等のデータベースを導入したとしても継続して管理が困難。現状だと会社にデータベース構築を要求しても予算は降りない。(費用対効果の問題と、会社のオフィシャルの発注システムと連携が取れないので)
ただし発注作業自体の深化という点では、機械学習を利用する際に必要となる。

③商品契約数量の管理作業の改善

業務内容

特定の商品はお客様ごとに、いつからいつまでの期間に弊社から供給する数を契約して管理を行っている。(期間限定の商品やメーカーの企画品など)
お客様ごとにエクセルの所定様式に必要数量を記入してもらいメールで返信していただく。(お客様とのコミニュケーションは他部署が行っている)
他部署から送付された所定様式のデータを集計し、データベース(IBM i) へ手動で入力する。(うちの部署の隣のチーム)手動作業のため作業人時が掛かっており、商品の供給数量に関わるのでミスが許されない。

炙り出し

どれぐらいの頻度で発生するか?
お客様/他部署:随時
うちの部署の手動更新:週2回程度
何を課題だと感じているか?
・入力様式が整備されておらずお客様入力の手間がかかっている。(らしい)
・メールでの送受信のため過去に見落としによる取りこぼしがあった。
・入力様式から手動でデータベース(IBM i)に入力している。
・ミスに不寛容の作業なのに手動作業。
誰の課題か?
お客様と他部署と隣のチーム
解決されていない理由は?
・お客様がかなりの数にわたりアナウンスが難しい。
・ランニングチェンジになるため段取りが複雑化。
・人時が掛かっているが他所の部署は認知していない。

改善ネタ

入力帳票を整備し、お客様にはスプレッドシートやウェブホームなどにデータを記入して頂く。所定の時間に記入頂いたデータをRPAで集計し、データベース(IBM i)へ読み込ませる。
改善案への障壁
他部署からの改善への同意。各お客様への説明。数値の反映が行われない場合、最悪翌日の出荷数量からトラブルが発生するため手動でのバックアップ体制。

④センター商品入荷時ITFコード違いによる入荷障害の改善

業務内容

物流センター(RDC)への商品入荷時、物流センターのWMS(倉庫管理システム)に登録されたITFコード(商品識別に使うバーコード)と入荷された商品のITFコードが一致しない場合、物流センターよりITFコードの変更依頼がFAXで送付される。データベース(IBM i)のITFコードを修正し、修正データをWMS(倉庫管理システム)へ送信することで、商品の入荷が可能となる。

炙り出し

どれぐらいの頻度で発生するか?
毎日FAX受信枚数で5~30枚程度
何を課題だと感じているか?
・手動入力作業が多く人時が掛かっている
・修正データを送信しないとセンター側で商品を入荷できない
誰の課題か?
グループ内の荷主企業と各センター
解決されていない理由は?
・ランニングチェンジになるため段取りが複雑化。
・人時が掛かっているが他所の部署は認知していない。

改善ネタ

FAXでの連絡から、スプレッドシート等へデータを記入してもらう方式に変更し、RPAを利用して特定時間でデータ取り込み、マスタ変更、マスタ送信をRPAで行う。

改善案への障壁
センターがFAX送付する様式は、グループの荷主企業全体への共通の問い合わせ様式になっており、私の部署だけ切り取ってオペレーション変更を要望しづらい。他の部署、他の会社ではセンターの問い合わせ内容通りに変えてはいけない等の人的チェックの必要がある。グループ内の物流会社から全センターの下請け事業者にオペレーション変更の周知をしてもらうことも難易度が高い。

⑤価格調査(競合ECサイト)の実施

業務内容

他店の価格調査はGW、盆、暮れ、正月等の店舗巡回時に行っているが
各個人の知識、または各部での一時的なデータになってしまっている。
社としてデータを適切に管理し、今後の価格設定の検証材料としたい。

炙り出し

どれぐらいの頻度で発生するか?
毎日
何を課題だと感じているか?
競合他社の価格情報をリアルタイムに把握し、自社の販売価格と比較する必要がある。
誰の課題か?
他の部署
解決されていない理由は?
スクレイピングや統一データベース構築に至っていない。

改善ネタ

案1
各々が店舗巡回に行った際、企業コード+価格+JANを入力するフォームを用意(スマホ対応)、入力したデータをスプレッドシートに反映できるようにする。
案2
各種ECサイトにウェブスクレイピングを行い価格データを抽出する。
改善案への障壁
取り扱い品目全てにスクレイピングした場合、相手方ECサイトへの過負荷が想定されるためハードルが高い。都度個別でデータを他店から取得しても定性的なデータにはならない。

まとめ

今回は5W1Hの観点で、以前検討した内容よりもう少し深堀りして課題を捉えることができました。改善案への障壁がかなり厳しい課題が多いので、そこを解消できるような技術を見つけて行きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?