見出し画像

4年越しの元彼供養

今朝起きたら、腕時計が壊れているのに気が付いた。

先々月電池交換したばかりだからもう寿命なんだと察した。


別れた後に恋人からもらったプレゼントや思い出の品を捨てる人もいれば取っておく人もいる。未練はないはずだが私は取ってある。特に理由はないので、捨てていないというほうが正しい表現かもしれない。それが私の物になった時点で彼からの干渉は一切受け付けないことになっている。気に入ったら身につけるし、気に入らないなら使わない。


こんなこと口が裂けても言えないが、元彼1から貰ったスタバのマグカップを元彼2の家に持ち込みそのままお別れしている。結局ここで全世界に発信しているけど。彼らの立場からすれば気分は良くないだろうが、「このマグカップどこで買ったの?」なんて日常の小さな幸せな質問を重ねるほど付き合ってもいなかったのでそれはまあいいか。


別れ方が凄惨であったならきっと即座に捨てていただろう。幸か不幸か、そんなドラマチックな別れ方を経験したことがない。大体お互い最近の空気をそれとなく察して「別れようか」「そうだね」でサヨナラグッバイ。きっとお互い、別れ際に感情をむき出しにするのはかっこ悪いと思っていたんだよね。くだらな。


それで、その昔お付き合いをしていた人から貰った腕時計の盤面に文字が浮かばなくなって、ふとその人のSNSを覗いてみた。ここで結婚報告があったら”スピリチュアル系何かの前兆”を信じるようになったかもしれないが、当然現実ではそうなるはずもなく友人に面白おかしく悲劇のヒロイン演じるチャンスも同時に消えた。それでも何か衝撃的内容がないか下にスクロールしていったら、ついに一番古い投稿にまでたどり着いてしまった。


日付は別れて半年以上たったなんでもない日だった。彼はそれ以前の投稿を消していた。

「ああ、私はいなかったことになっているのか」
事実かどうかは彼のみぞ知る、が、直感的にそう思った。それでストンと腑に落ちた。壊れたのは事実であり、何かの前兆でもなんでもないが、タイミングは今だ。

もしかしたら、手放す理由をずっと探していたのかもしれない。

だからと言って、他のモノたちも一緒に捨てることはないのだけど。

変なところで発揮されるもったいないスピリット。

とりあえず新しい腕時計を28日以降に買うことにした。

アナログでスられても後悔しないくらいの値段の腕時計。

ちなみに、腕時計が壊れるのは運気上昇の予兆らしい。

持ち主と一番関わりが深いのは腕時計であり、持ち主の身代わりになってくれると言います。
新しい自分、新しい生活の前兆です。持ち主に対して、恨み、妬み、嫉妬などの気持ちを持つ人が現れたとき、腕時計が身代わりになって、壊れたりします。また、持ち主が弱っているとき、悩んでいるときも時計が止まったりします。それも、「身代わり」で止まってくれたという意味です。(中略)物が壊れることは、決して悪い意味ではないと覚えておいてください。また、自分自身を見つめなおすきっかけにもなります。物が壊れたときは落ち込まず、前向きに、感謝を込めて、手放しましょう。きっと、新しい幸せがやってくるはずです。

スマホ・携帯・靴・時計…物が壊れるスピリチュアル的意味は?より引用

壊れた物に対して感謝を述べるつもりはないが、服に合わせやすい良い腕時計だった。

そう思いながらさっき不燃ごみの袋にそっと入れた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?