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CivicTech & GovTechあれこれ

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シビックテックとガブテックに関する記事をまとめています
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シビックテックの展望 〜人・地域・デジタルが結ぶ新たな共創の形へ〜(統計と情報の専門誌「エストレーラ」2021年6月号原稿)

これは何?公益財団法人統計情報研究開発センターが発行する、統計と情報の専門誌「エストレーラ」の2021年6月号特集「シビックテックと行政」の巻頭論考です。図書館などでご覧いただけるとは思いますが、手軽に読めるよう校正前のものをここに転載します。もし引用をされる場合は、最終稿である冊子掲載版をお使いください。 本文1.はじめに新型コロナウイルス感染症による社会への深刻な影響は、2021年の現在も続いている。他方、感染症や災害など歴史的な出来事の中で、新しい芽吹きが脈々と立ち上

【自著解題】市民参画とデジタルプラットフォームの現在地

これはQiitaの「CivicTech & GovTech Advent Calendar 2023」の22日目の記事です。 2023年9月に、書籍ベースでは日本初(自分調べ)となるDecidim(デシディム)に関するまとまった量のテキストが入った共著を刊行することができました。 第4章 社会の転換のためにどのような方法が試されているか?の1節として「市民参加型合意形成プラットフォームを用いたデジタル民主主義」を担当しています。 この記事は、その内容をご紹介しながら、市

Code for JapanのGovTech事業って?(2023年10月11日CivicTech Live! #30 - govtech編文字起こし)

これは何?Code for Japanが定期的に開催しているオンライントークイベント「Civictech Live!」で「GovTech」が取り上げられました(2023年10月)。 イベント自体は、個人パートとしてお話し、その後にパネルトークとして問いかけに対してお話するというものになっています。この記事は、それぞれのパートで私がポイントだと考えていることをお話した部分を抜粋して、読みやすくなるように最低限の編集をしたものです。 本編はYouTubeでアーカイブ配信されて

シビックテックと共創

これは何?はじめに本稿は、「シビックテック(CivicTech:CivicとTechlonogyをかけあわせた造語)」をキーワードに、テクノロジーを活用しながらさまざまな人たちとの連携を通じた地域課題解決を行う共創について説明(※1)するものである。 シビックテック“と”共創となっているが、両者は本来概ね重なっている。その中で「シビックテック」という言葉を用いることで、「共創」という言葉が持つ多様な意味合いを説明しようとするヒューリスティック(問題発見的)なものだと捉えてい

シビックテックを通じた市民参加について(2023年1月18日、公益財団法人日本都市センター「デジタル社会における都市経営と都市政策に関する研究会」第3回研究会)

これは何?2022年度より、公益財団法人日本都市センター「デジタル社会における都市経営と都市政策に関する研究会」の構成員になっています。 構成員として、話題提供をする番が回ってきたので、事務局と相談して「シビックテックと市民参加についてお話する」ということになりました。 Decidimとシビックテックについての関係や、それが今後何をもたらすか・もたらすべきかについてまとまった話になっています。筋としては、これまで各所でお話していることと基本的には変わりませんが、多少具体的

市民参加プロセスに関するOECDガイドラインを読む〜OECD Public Governance Reviewsより〜(デジガバ読経会2023新春)

これは何?2023年1月3日に開催されたオンラインイベント「デジガバ読経会2023新春」(主催:Civic Tech Zen Chiba、共催:千葉県DX推進協議会データ活用部会)でお話したものです。 主催者から動画公開もされていますが、私がお話したパートをUDトークで文字起こししたものから、文意が明確になるように編集しています(なので、動画での発言とちょっと違うところもあると思います)。 本編今日は「市民参加プロセスに関するOECDガイドラインを読む」ということでお話を

農林水産省 データ活用最前線セミナー 第1回イントロダクション:魅せる編(2021年7月30日)

これは何?農林水産省が進める省内データ活用のための人材育成プログラムの一環で、全3回シリーズでお話するランチタイムセミナーの初回です。同省の方々と自治体職員を含めて130名を超える参加をいただきました(これは農水省オンラインセミナー過去最高値なんだって)。 農林業センサスデータをTableauを用いていろいろ可視化していくこと、その際に必要なデータマネジメントについて実例をお見せするという趣向になっています。いくつかの点は、過去お話したものをベースに一部アップデートした内容

デジタル化を進めるために自治体ができること(2020-10-06 奈良県IoTデータ活用先進地域推進研究会講演)

これはなに?2020年10月6日、奈良県のIoTデータ活用先進地域推進研究会(参考:https://local-iot-lab.ipa.go.jp/article/nara-pref-iot-1.html)にお声掛けいただき、「デジタル化を進めるために自治体ができること」をテーマにお話をしてきました。 その時のスライドとUDトークでの音声起こしを元にお話したことを共有します。 お話した内容本日のお話 今日のお話は、いただいたお題も皆さんのご期待するところもあるかもしれま

「自治体デジタル化時代における人材育成基本方針」を考えよう (2021-02-10 兵庫県電子自治体推進協議会-自治体ICT活用「見本市」ありがたいお言葉)

このnoteの位置づけ2021年2月10日にオンラインで開催された自治体ICT活用「見本市」 のまとめです。「見本市」自体は、兵庫県庁と兵庫県下の自治体職員が、それぞれExcel Power Query/QGIS/Tableau/kintoneの事例を紹介しあうイベントで、合計約130名が参加登録をされました。 イントロ部分は、砂川さんが講演しています。 ちなみに、「ありがたいお言葉」とタイトルがあるのは、そう紹介されているからです。 ※進行スライドより ありがたいお

デジタル化ゆく年くる年(2020-12-21 千葉県地域IT化推進協議会データ活用部会・ICTセミナー基調講演)

これは何?Code for Nagareyama / CivicTech Zen Chibaのミユキーマウスとツッチーマウス(実際はtuttiらしいですが)からお声掛けいただいて、「デジタルで『取り残さない』『取り残されない』ために今できること」と題したセミナーで基調講演をさせていただいたものを、いつものとおりUDトークで文字おこし・必要な修正を行ったものです。 ちなみに、企画を主宰したミユキーマウスのイントロもどうぞ。 私のnoteの長文にお付き合いいただいている方には

デジタル化時代の監督者の役割(2020-12-16 豊岡市役所「行政事務のデジタル活用研修」講演)

これは何?豊岡市役所の監督者(部長〜課長補佐級)を対象にした業務改善研修の冒頭講演(オンライン)を、いつもの通りUDトークで文字おこしして、一部編集(スライド差し替え含む)をしたものです。元は50分程度の講演です。 もともとの問題意識 お題がこういうことなので用意した講演、というところもありますが、もともとは9月にCode for Japanの理事・スタッフ内でこれからのことを議論をしたときに少し考えたことを、少し熟成させてみたものでもあります(今後も熟成させたり撹拌させ

オープンデータと行政との幸せな関係を作るには(2020-10-09 兵庫県オープンデータ研修「オープンデータ公開に結びつけるためのワークショップ」第1回講演)

これは何? 兵庫県と近畿情報通信協議会が開催している、兵庫県内市町でオープンデータ未取組の団体を対象としたワークショップ(全4回)の初回(2020年10月9日オンライン開催)の講演部分を、いつものUDトークで文字起こしをし、読みやすくするために編集をしたものです。 参加者は、市町のオープンデータ担当課の課長・担当者です。 ワークショップスタート 今日のワークショップの流れはですね、前半はオープンデータのっていう話をさせていただきますが、これはどちらかというとですね、

「理由なきハンコ」の存在理由

※この記事は、「CivicTech & GovTech ストーリーズ Advent Calendar 2020 - Qiita」の12/05公開記事です。 「理由なきハンコ」プロジェクトCode for Japanでは、目下「脱ハンコ」だと報道で取り上げられている事柄をまとめるサイト、「理由なきハンコ」プロジェクトをしています。(サイト構築を進めたいので、Code for JapanのSlackの「#proj-理由なきハンコ」にぜひ参加してください!)。 個人的には、ハウ

Tableauを知った自治体のNext Stepを考える(2020-11-14 COG2019ファイナリストフォローアップアゴラ・アフターイベント)

これは何?2020年11月14日に開催された「COG2019ファイナリストフォローアップアゴラ」のアフターイベントで「地域データ活用体験ーTableau×RESASで地域を見てみよう!」と題して、リンクデータの下山さん、Tableau Japanの尾崎さんと登壇したときのお話です。毎度おなじみUDトークを使って文字起こしした上で、文意を分かりやすくするために、会話調は残していますが、適宜追記しています。 本編 60人近くの方が残っていただいてるので、ちょっとマニアックな話