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新しいカシマスタジアムの構想に僕も関わろう(2907文字)

 ちょっと前に話題になっていた僕の地元、鹿嶋市のネタ。アントラーズの本拠地であるカシマスタジアムが老朽化やアクセスの課題等を考慮して、移設が議論されていた件に一定の方針がリリースされました。

 一時は同じホームタウンであるお隣の潮来市に移転?なんて話にもなっていてゴタゴタとした時期もありましたが、鹿嶋市で進めるという方針が固まった模様。ちなみに、少しゴタついた時期の記事はこちら↓。

 僕は鹿嶋市の出身なので鹿嶋市にスタジアムができれば理想と思っていましたが、この記事をみた当時はアントラーズに関わる人やホームタウンである5市にとってメリットが最大化されるなら仕方ないかな、くらいの印象でした。ひとまず、鹿嶋市でいく方針が固まり喜び!ではあります。

 じゃあ、今現在移住して京都の丹後にいる僕がなぜこの話題に興味があるのか?アントラーズが好きだから、地元が好きだから、という点はもちろんですが、まちづくりに関わる仕事をする中でスポーツの持つ公共性がまちづくりに大きな影響をもたらすな、と感じているからです。

 去年から、近隣の福知山市で活動している福知山ユナイテッドの活動をサポートしています。そこではスポーツを通じたまちづくり、特に子どもへの教育文脈でのイベントをたくさん実施しており、子育て世代がスポーツを通じて地元に愛着を持つきっかけが作られています。

 代表の片野さんは僕が新卒で入った会社の尊敬できる先輩で、縁あって今のような関係性をいただけています。片野さんの熱い想いもあって、多くのスポンサー企業さんにご協力いただき、スポーツを中心としたまちに関わる人たちがどんどん増えている現状です。

 そんな現状をみながら、普段、丹後で行っているまちづくりの仕事でよくある課題が若年層の巻き込みが弱い、ということ。中高生は部活や勉強に忙しく、新社会人~子育て世代は時間の余裕がない、まちづくりに関わる人は必然的に高齢化しています。子ども向けのイベント等をするなど、若年層を巻き込む手はいくらでもありますが、スポーツの求心力って強いなと。

 僕個人の過去を振り返ってみても、鹿島アントラーズをきっかけに地元への愛着が形成されました。僕はサッカークラブに所属していた訳ではなく観戦専門で、小学生高学年~地元を離れる18歳までホームゲームがある時はほぼカシマスタジアムに足を運んでいました。

 サッカーが好きだ、という感情はもちろんですが、スタジアムという空間が僕は大好きでした。試合前の高揚感、サポーターのアツさ、ゴールが生まれた瞬間の熱狂、負けた時の焦燥感も含め、老若男女が一体となる雰囲気が本当に好きでした。

 中学生の時、思春期で悶々としていた僕は部活も辞めてヒマをもて余す日々でした。学校も楽しめず、やるせない毎日を晴らしてくれたのがカシマスタジアム。その頃からゴール裏に一人で行くようになっていました。めっちゃ内気な僕でしたが、試合を応援していく中で隣の人や前後の人と仲良くなったり、試合後に初めましての人と会話して、「じゃ、次のホームゲームでまた!」みたいな関係性が楽しくて。

 今思うとカシマスタジアムは僕にとってサードプレイスになっていたと思います。学校と家庭以外の場所で、そこに集う人は年齢も立場もごちゃまぜなんだけど、アントラーズが好きという気持ちが共通していて、その時間だけは悶々としていた自分から開放されていました。

 試合に行けない日でも、家からスタジアムが近かったので声援が聞こえてきたり、ナイトゲームの時はスタジアム方面の空が明るくなっていたりするのを感じて、生活の中にカシマスタジアムを感じていました。僕は、鹿島アントラーズ、カシマスタジアムがあったから、地元を誇りに思っているし、郷土愛育ちました。スポーツって凄い。田舎×J1チームという特殊なケースではあるけど、スポーツ=郷土愛は繋がっています。

 残念ながら、僕の実家は去年の11月に引き払ってしまったので、鹿嶋に帰る頻度は減ってしまいました。ただ、その時から鹿嶋との関わりを模索している自分がいます。

 丹後でまちづくりをしている、福知山ユナイテッドに関わっている現状、鹿嶋に生まれて育まれた郷土愛。茨城県と京都府はめっちゃ離れているけど、出来ることはある。情報仕入れて学ぶ、つながりを持つ、今の仕事頑張る。実際に近からず遠からずの仕事してるし。

 だから、今回の件に当事者意識を持ちました。

 京丹後市に移住して7年。住みやすいし、人間関係もよく、ありがたいことに色々な人とお仕事もやらせてもらっています。だから京丹後もめっちゃ好き。そんな気持ちと並列して鹿嶋への郷土愛もあるし、妻の地元である下関にも愛着があります。

 自分の好きな地域が衰退していくよりも、元気な方がいいよね。住まいは無いけど通いながら関われるまちづくりもあると思う。

 新スタジアムプロジェクトが話題に上がると、場所についての憶測やこんな施設が欲しい!という意見がみられる。その観点も大事だけど、まちの象徴として、コミュニティとしてのスタジアム機能が拡充されたら嬉しい。ファイターズのエスコンフィールドみたいに。

 場所が違えばそこで暮らす人はもちろん、産業も、自然環境も全く異なる。それに紐づく地域課題も変わってくるから、あくまで参考事例としてのエスコンフィールド。スポーツの公共性を活かして解決したい鹿嶋の課題は何か、そこから生まれてくる鹿嶋らしさ、5市のホームタウンが共栄できる機能は何か。

 個人的には、原体験から身近な存在としてカシマスタジアムが存在していて欲しい。保育園が併設されてるサンガスタジアム、スタジアムビューホテルを構想している長崎スタジアム。商業施設が隣接される、トレーニング施設が使える(現状カシマもできる)、などなど。理由をつけて立ち寄れるスタジアム。

 そこから絶妙に漏れてくるピッチの風景、試合の雰囲気、サポーターの熱気が感じられ、普段は出会わないけどカシマスタジアムをきっかけに生まれる関係性が大小たくさんあれば、自然と僕みたいな人が増えるはず。

 僕が幼少期を過ごした頃から、鹿嶋市も着実に人口減少は進んでいる。去年帰った時に感じた空き家の多さ、子どもの少なさに寂しさと危機感を感じました。人が減るのは仕方ないけど、若いうちから地元に愛着を持てなければ、アクセスの良い東京圏にどんどん若手は流出していってしまう。

 若手がスタジアム行ってまちの人に出会う、楽しむ、愛着を持つ。まちづくりに関わるきっかけとなるスタジアム。子育て世代のコミュニティづくり、学校外に出る教育機会の提供、中高生のキャリア支援、働き手となる時に向けた地元企業との関係性づくり、企業間連携とまちづくりの推進、若年層と掛け合わせた高齢者の生きがいづくり、文化伝統の継承、、、妄想は膨らみます。笑 

 鹿嶋という田舎で新スタジアム構想が議論されている意義は深い。せっかく育った僕の地元で進んでいるこの話題に、これからも勝手に関わっていこうと思う。とりあえず爺ちゃんの墓参りに鹿嶋へ帰らなきゃ!

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