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退職を決意した日のこと。

 移住先を京丹後に決めて月イチ通いをしながら移住準備を進めている最中も、平日は普通にサラリーマンをしています。移住のタイミングは明確に決めていたので、いつ会社に退職を伝えるか、という時期にきていました。年度も切り替わるタイミングで、営業チームの再編があったりと変化の時期です。

 僕自身の仕事は特に変わらず大阪と福岡の営業担当であり、定期的に福岡へ行くスタイル。3年目となり、チームに入ってきた1年目の後輩をサポートする係になり、自分の過去を思い出しながら出来る限り相談しやすい先輩になろうと頑張ることも。

 お客さんに迷惑をかけたり、仕事を投げやりにする事はありませんでしたが、移住へのモチベーションが高まっていたので、普段の仕事に対して気持ちを入れる事に苦労しました。業務量が多いタイミングや大事なプレゼンなど、営業としてドライブをかけないといけない瞬間も多々ありましたし。

 その度に、えいやっと気持ちを入れて頑張り、終わるとドッと疲れを感じて、体調不良になっていく事を繰り返します。移住を決めたことで現状からの変化が明確になり、気持ち的には楽になった時期もありましたが、会社に曖昧なスタンスでいる事へのストレスがのしかかってきます。

 会社に移住ギリギリまでいるのか、余裕もって辞めて充電期間を設けるのか、移住の時期は決めていましたが退職タイミングはまだ決めきれずにいました。移住後は収入も今よりは下がるし、出来る限り働いた方が良いけど、気持ち的に続くのだろうか…、そんな葛藤で頭の中は一杯。

 ストレスを溜めながら定期的に体調を崩しているのに、会社へ通い続けて良い訳がありません。結果は東京での経験が物語っています。分かっているけど、踏ん切りがつかず、自分で自分の首を締めている状態。

 そんな中、長い距離を移動をしながら新規のお客さんを回る普段よりハードな出張があり、大阪に戻ってきた時にはヘトヘトになっていました。新幹線で夜の新大阪に到着し、キャリーバッグを引きずりながらJRに乗って自宅へ帰る電車の中、窓に映った自分の顔は疲れ果てたサラリーマン。自覚はあったけど、子どもの頃になりたくないと思っていた姿に仕上がっていた自分。

 「辞めよう」と決意した瞬間でした。ストレスを溜め続ける状況も、会社に対して中途半端な存在だった自分も、全てダメだしハッキリさせようと。あまりにも疲れていたので翌日は休みをもらい、週明け会社に辞めることを伝えようと決意をしたのでした。

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