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物流2024年問題と自動運転(その1)

2024年問題によって日本の物流システムが打撃を受けていると報道されています。
この問題の解決のために国土交通省は高速道路などで荷物を自動で運べる「自動物流道路」の検討に乗り出しました。想定ルートを決定し、今後10年で実現を目指すプロジェクトのようです。
今回は「物流・運送業界の2024年問題」とその解決策と期待されている自動運転について書いてみようと思います。

まず、「物流・運送業界の2024年問題」とは、働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題を指します。
具体的には、ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで、一人当たりの走行距離が短くなり、長距離輸送ができなくなると懸念されています。

年間の残業時間が960時間だから、月換算すれば80時間が上限です。
厚生労働省が公表した資料によれば、1カ月が22日とした場合、法定労働時間週40時間、1日の休憩時間1時間、1カ月の残業上限時間80時間からドライバー1人の1カ月の拘束時間は274時間となる。
※週5日で計算すると278時間です。厚生労働省は4.3週間として計算しているため274時間としています。

2021年度の調査によれば、ドライバー全体のうち拘束時間が274時間以下(275時間未満)であった割合は66.3%です。つまり、ドライバーの33.7%は2024年の労働時間の基準を超過しています。
労働時間が短くなると輸送能力が不足し、全てのモノが運べない事態が生じる。
これが「物流・運送業界の2024年問題」です。

ちなみに、これは宅配ドライバー不足によるラストワンマイルの問題とは別の問題です。
物流におけるラストワンマイルとは、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのことをいい、こちらも不在時の再配達などの問題を抱えています。

日本政府は不足するドライバーは14万人と試算しており、業務の効率化、自動運転の導入、船や電車での輸送の活用などを検討しています。

<その2に続く>


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