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不動産投資におけるアセットタイプを理解しよう(その5:物流施設)

不動産投資に関する解説の第5回です。
 
投資対象となる不動産には様々なタイプがあります。
今回はアセットタイプについて説明しようと思います。
なお、ここで説明する対象はプロ投資家や不動産が投資対象とする不動産です。実需で売買される戸建や分譲マンションではありません。
レジデンス、オフィスビル、商業施設、物流施設、事業用不動産などの区分で説明します。

5.物流施設の特徴

 
ここでの物流施設とは配送に利用する倉庫のことです。
昔は「倉庫」と呼んでいました。設備が立派になり、いつから「物流施設」と言われるようになったように思います。呼び方は違っても同じアセットタイプを指します。
 
ECの増加により、10~20年前から物流施設が大量に建設されました。今や物流施設は主要な不動産投資の対象となっています。
物流施設に投資するファンドは多くて、例えば、物流施設に投資するJ-REITはかなりの数があります。
物流施設専門のJ-REITとして、日本プロロジスリート投資法人(3283)、GLP投資法人(3281)、ラサールロジポート投資法人(3244)などがありますね。
総合型のJ-REITもほとんどが物流施設を保有しています。
 
配送会社はもちろん自社で物流施設を保有することを検討します。しかし、急な需要で自社調達では十分な面積が確保できません。このため、物流施設を他社又はファンドから借りることも多いでしょう。
もちろん、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)を利用する会社も多いです。この場合、3PLを担う会社が物流施設を賃借します。
基本的に賃借人が管理しますから、所有者には管理の手間が掛かりません。
 
物流施設は、首都圏の場合は、都心から30キロくらいの間に建設されます。これは、輸送の関係で、幹線道路や高速道路へのアクセスがよいところに限定されるためです。距離が離れすぎていて道路アクセスが悪い場所は需要がありません。
 
物流施設はオフィスビルやレジデンスに比べると土地代や建設費が安くすむため、本来は物件利回りが高いはずです。
ただし、物流施設の価格は上昇していて、オフィスビルやレジデンスと変わらない物件利回りのものもあります。
つまり、所在地、グレードを考えると物流施設は割高になっているのです。
 
物流施設投資のメリット・デメリットは以下のようになります。

 
物流施設投資のメリット
 
・候補地が多い
・建設費が安い
・管理が簡単

物流施設投資のデメリット
 
・価格が高騰しているので割安感はない
・競合となる物件が増加しているため将来的な稼働率が懸念される
 

<その6に続く>

<前回記事はこちら>

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【金融マンのための不動産ファイナンス講座】

【金融マンのための実践ファイナンス講座】


【図解 不動産ファイナンスのしくみ】

 

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