不動産投資と上場株式投資はどこが違う?(その2)
不動産オーナーは、不動産のみに投資している人も多いと思います。
投資理論のうちポートフォリオ理論では、リスクを引下げるためには分散投資が有効とされています。
不動産のみを投資しているとリスク分散できません。前回に引き続き、不動産のリスクを分散するための代替投資として、上場株式投資について解説します。
2. 上場株式投資の特徴
不動産は安定的な収益確保ができる点が投資のメリットと言えるでしょう。ただ、流動性(処分性)とキャピタル・ゲインは見込めません。
上場株式の特徴は、流動性(処分性)と値上りによるキャピタル・ゲインが期待できる点です。
市場株価は会社の業績によって変動します。投資時点よりも会社の業績が良くなれば株価が上昇する可能性があります。また、株式市場が活況になればキャピタル・ゲインが発生します。
【図表2:上場株式投資の特徴】
上場会社からの定期的な収入は配当です。会社によって配当性向が異なるものの、高い会社の場合は3~4%の配当率になるでしょう。
3. 不動産投資と上場株式投資を比較しよう
ここでは長期投資を前提にして両者を比較します。
不動産と上場株式は、どちらもインカム・ゲイン(賃料、配当)があります。相場変動のリスク(キャピタル・ゲイン)も有しています。
不動産の利回りは、一般的に上場株式の配当率よりも高くなります。ただし、不動産相場の上昇によるキャピタル・ゲインは上場株式ほど期待できません。
両者を比較したのが図表3です。
【図表3:不動産投資と上場株式投資の比較】
不動産と上場株式はそれぞれメリットとデメリットがあります。
そうだとしても、不動産のみに投資して不動産固有のリスクを集中するよりも、分散投資することを検討した方がよいと思います。
<その1はこちら>
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不動産と他の資産との比較は以下を参考にして下さい。
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不動産ファイナンスについて詳しく知りたい人は下記の書籍を参考にして下さい。
【金融マンのための不動産ファイナンス講座】
【金融マンのための実践ファイナンス講座】
【図解 不動産ファイナンスのしくみ】
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