美術館

才能

物を書く、楽器を弾く、絵を描く、人を笑わせる。世の中には色々な才能がある。

才能があって、その才能に光が当たり、一時代を築く人がいる。一方で才能がありながらも評価されず、歴史の中に埋もれてしまう人もいる。(死後、才能が認められる人もまれにはいるが)一時代を築いた人でさえ、その名声は時代の移り変わりとともにその存在を忘れられてしまう。

そんな昔の才能を記録としてとどめ、必要とあればいつでも現代に甦らせることができる場所がある。それは図書館や美術館。加えて古着屋や古本屋。そして中古CDショップも同じように歴史に埋もれた才能を再発見できる場所だ。

図書館や美術館よりも優れたところが中古CDショップにはある。それは埋もれていた才能を個人で所有でき、図書館や美術館のようにある特定の場所にとどめておくだけでなく、場所を移し、場合によっては多くの人にその才能をオープンにすることができる。

久々に下北沢に行った。小田急の改装工事が進み、きれいになった駅ビルや改札に戸惑いながら、昔よく通った古本屋、中古CDショップ、古着屋をくまなく回った。(昔お世話になった古本屋が閉店セールをしていただけで、他のお店はほとんどが残っていた。さすが下北沢。)

中古CDショップであるミュージシャンのCDを見つけた。そのミュージシャンの話をする前に別のバンドのことを語らなければならない。音楽史に燦然と輝くビートルズ、そのビートルズを髣髴とさせるメロディアスかつポピュラーな旋律を世に送り出していたバンドだ。

Electric Light Orchestra

E.L.O.と呼ばれ、そのバンド名を知らなくても彼らの音楽をどこかで耳にしたことがあるだろう。

このバンドの立役者はジェフ・リンという天才的なメロディーメーカーだが最近のアルバムが全英No1になった。なんともすごい才能である。

しかしながら僕が今日下北沢で見つけたミュージシャンはE.L.O.でもジェフ・リンでもない。そのミュージシャンの名前はロイ・ウッド。1960年代後半から70年代前半にかけジェフ・リンとともにE.L.O.の基礎を作り上げたミュージシャンである。ほとんどの楽器を演奏でき、作詞・作曲も行うスーパーソロプレイヤーだ。彼はE.L.O.の前にザ・ムーブ、そして後にウィザードというバンドを組んでいるが、基本的にソロ活動でその才能を発揮している。(現在も活動中だ。)

髪を七色に染め、フェイスペインティングをしたちょっといかがわしい親父のような風貌からは想像もできない美しい音楽を創り出す。ジェフ・リンの才能が表舞台に好かれるものなら、ロイ・ウッドの才能は世の中に隠された才能とでもなるだろうか。ぜひ機会があればロイ・ウッドを聴いてほしい。必ずあなたも彼の才能を知る一人になるだろう。

Dig up hidden talent. (隠れた才能を掘り起こせ)

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