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日本海⑤

 地球上の大陸は、全ての大陸が繋がり、1つの大陸になって、また分裂していくことを繰り返しています。最近といっても約2億年前に全ての大陸がつながってできた超大陸「パンゲア」があったそうです。その「パンゲア」がまた、分裂し、現在のような大陸が散在する姿になったと考えられています。

 約3000万年前、日本はまだ存在しておらず、ユーラシア大陸の一部だったと考えられています。今から約2000万年前、ユーラシア大陸の東側の一部に亀裂が生じます。この亀裂が次第に拡大して日本海となっていきます。

 そして、約1400万年前に今のような日本海ができあがったと考えられているそうです。それでは、どうしてユーラシア大陸の東側に亀裂ができたのでしょうか?

 最初の原因は、それまで、独立した大陸であったインド大陸がユーラシア大陸にぶつかったことのようです。インド大陸がユーラシア大陸にぶつかりさらに中に進もうとして、大陸の一部が隆起します。それがエベレストに代表される高い山々が連なるヒマラヤ山脈です。

 そして、ヒマラヤ山脈ができたことによるひずみが、ユーラシア大陸の東側に伝わり、亀裂が生じたようです。こうして日本海が形成されていきます。

 人が世界中に拡散し始めるのは、約5万年前ですから、この時期、人はまったく存在していません。したがって、アフリカから人が拡散し始めて、はじめて日本に到達した頃には、日本海はすでにできあがっていたことになります。

 ただし、この頃は、氷河期後期であるので、今よりも海水面が100m以上低かったと考えられています。

 日本海①で書いたように、日本海には大洋との接点である海峡が4つあります。このうち、間宮海峡の深さは10m、宗谷海峡の深さは50m、対馬海峡と津軽海峡の深さは、ともに130mでした。

 もし、海面が100m以上低かったとすると、間宮海峡と宗谷海峡は陸地だったと想定できます。また、津軽海峡と対馬海峡もそれほど深くない状態だったことが想像できます。つまり、何処を通ってくるかは別として、今よりもユーラシア大陸から日本に渡るのがそれほど難しくなかったということになります。

 我々のご先祖様は、どのルートを通ったかは別として、こうした条件下で日本に移住してきたのでしょう。

 その後、地球の温暖化が進み、海面は次第に高くなっていきます。そうして、今の日本海の深さができあがりました。この海面の変化が日本に恵みをもたらします。その話はまた次回にしたいと思います。

参考:蒲生俊敬著『日本海』(ブルーバックス)

日本海①

日本海②

日本海③

日本海④


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