【読書録・9】高橋哲哉『デリダ』第一章・1 アルジェリアのユダヤ人 ヴィシー政権下の迫害で学校を追放される

【要約】

 デリダが九歳の時に第二次大戦が勃発し、一〇歳になった直後ヴィシー政権が成立する。この政権はクレミュー法を廃止し、ユダヤ人の公的諸権利を剥奪した。なおかつ、ユダヤ人排除政策によりデリダは学校を追放される。
 デリダの母語、彼にとって唯一の言語であるフランス語が、それにもかかわらず「他者の言語」であるとは、レイシズムとコロニアリズムとを分かちがたい、こうした他者の暴力の経験から来ている。(191字、60分)

【感想】

 サン・トーギュスタン通りつまり「聖アウグスティヌス通り」に育ったことや、ユダヤ人子弟のための教育機関になじめなかったことも書かれているが、骨子は見出しに書かれていることだろう。

 話している言語が、自身を迫害する国家の名を冠するというのはどんな感覚なのだろうか。

 下記はデリダとアルジェリアについて検索したら出てきたもの。この記事の内容とはあまり関係ないが、非常におもしろいのでぜひ一読を。

 『イスラームと西洋―ジャック・デリダとの出会い、対話』 バルバロイ、アラビア語、音楽

http://cyborg.relove.org/thought/islam-and-occident.html

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