くらびあはな

岐阜県のピアノ講師・高岡紀美子先生が執筆されたエッセイを紹介します。音楽好き、歴史好き…

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岐阜県のピアノ講師・高岡紀美子先生が執筆されたエッセイを紹介します。音楽好き、歴史好きの方、ぜひ、ご一読ください!

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ピアノ講師・高岡紀美子先生プロフィール再掲です🎶

高岡紀美子先生プロフィール 🎵1972年より、くらびあ会音楽教室・主宰🎵1972年より、東海女子短期大学・講師🎵1985年より、国立岐阜看護学校・講師🎵1996年より、岐阜新聞「夕閑帳」にエッセイを寄稿 🎵2003年より、岐阜県内保育園・英会話講師 イベント                🎵「ピアノ&おはなしで優雅な午後を」 (ピアノ音楽

    • 『平成のネズミ』『闇の仕事人』岐阜県ピアノ講師・高岡紀美子エッセイ作品

      『平成のネズミ』 ある日、我が家に警官と泥棒がやってきた。「この家に侵入したことがある、と自白しましてねェ」と警官。かたわらには、前歯の突き出た男が小さくなって、うなだれている。「ネズミ?」。唖然とする母と私にむかって、男がペコッと頭を下げた。「…気がつかなかった」。いったい “いつ” “何” を盗られたのだろう。 🎶 時は江戸後期・文政。ある男が小さな商家に忍び入り、70両を盗んだ。後日、そのせ

      • 『ビスケット殺人事件』ピアノ講師・高岡紀美子エッセイ作品

        童話『ヘンゼルとグレーテル』。森に捨てられた兄妹は、ビスケットで造られた「お菓子の家」に迷いこむ。そこには、子どもを食う恐ろしい魔女が…。危うく食べられそうになった2人は、アベコベに魔女をパン焼きガマに押し込んでしまった。 ♢ 「お菓子の家」の旧跡を発見!そんな書物が、40年前、ドイツで出版された。フランクフルト近郊の発掘現場からは、カマ跡と女性の白骨が見つかり、現場写真20枚が掲載された。推理の結果、

        • 『歓喜の歌』岐阜県ピアノ講師・高岡紀美子🎼エッセイ作品

          大晦日。テレビの前で“年越しそば”を食べながら、ベートーヴェンの『第九交響曲』に耳を傾ける。「友よ、歌おう!喜びに満ちた調べを…」。そんな華やかな歌詞で始まる第4楽章『歓喜の歌』は聴衆の心を高揚させ、鼓舞させる。 🎶 断りもなく、壁をぶちぬいたり、窓を作ったりして、家主と大ゲンカするベートーヴェン。ところかまわず唾を吐き、汚れた食器と楽譜が散乱する下宿部屋で、「入浴だ!」と言っては、バケツの水を着衣

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        ピアノ講師・高岡紀美子先生プロフィール再掲です🎶

        マガジン

        • 高岡紀美子エッセイ集♪
          13本

        記事

          メリークリスマス!優しくて働きもののサンタクロースのお話。

          『サンタが街にやってくる』 クリスマスの前夜、サンタさんは忙しい。良い子の家にソリを停め、煙突に跳び込んで靴下にプレゼントを詰め込む。その後、再び煙突に駆け上がり、ソリに乗り込んで次の家へと移動する。そんな「サンタ活動」の対象となる家庭は世界で約1億1000万世帯。地球の自転とともに移動すれば、24時間「夜勤」となり、1秒間に1200件を宅配することになる。…やれやれ。 ☆ 子供の頃。「今夜こそ、サ

          メリークリスマス!優しくて働きもののサンタクロースのお話。

          まっかなお・は・な・の〜♪

          1939年、シカゴのデパート宣伝のために作られた“お話”。 ☆ 昔々、ルドルフという名のトナカイがいた。お鼻が赤く光っていたため、彼はいつも仲間はずれ。「やーいお鼻ピッカピカ」と、お友達にからかわれ、泣いてばかりいた。クリスマスの前夜、村にサンタさんがやってきて、ソリを引くためのトナカイを選んだ。「ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、コメット、キューピッド、ドンダー、ブリッション」と、名前

          まっかなお・は・な・の〜♪

          Happy Birthday Beethoven!ベートーヴェンを愛した女性にまつわるお話。

          『不滅の恋人よ』 ベートーヴェンの弟子であり、恋人でもあったテレーゼ・ブルンスヴィック。少女の頃からベートーヴェンを深く愛していたテレーゼは、彼の演奏するピアノの音色に感動し、心ふるわせながら日記に書き記す。「何という荘厳さ!いのちが豊かに満ちあふれてくる…」。 🎶 「わが不滅の恋人よ」と、ベートーヴェンは宛先不明のラブレターを書く。「あなたへの想いがつのります。あなたの愛は私を最も幸福にすると同

          Happy Birthday Beethoven!ベートーヴェンを愛した女性にまつわるお話。

          🎶なじかは知らねど〜🎶美しい妖精ローレライの歌声に誘われたその先は…?

          『夢伝説』 先日、ドイツ・ライン河を船で下った。船内でワインを満喫していると、垂直に切り立った岩山“ローレライ”が近づいてきた。夕日を受けて赤々と燃え立つ魔の岩壁。「♬なじかは知らねと心わびて」の懐かしい旋律が船上を流れ、惹(ひ)かれるように、ふと、岩山を見上げる。…が、そこには、あの歌曲に登場する金髪の乙女の姿はなかった。残念。 🎶 遠い昔、水の精が乙女に化身して、岩の上で髪を梳(す)いていると

          🎶なじかは知らねど〜🎶美しい妖精ローレライの歌声に誘われたその先は…?

          『天翔(あまかけ)る白鳥』ピアノ講師・高岡紀美子エッセイ作品

          「倭(やまと)は/国のまほろば/たたなづく/青垣/山ごもれる/倭しうるわし」と、故郷に想いを馳せながら、息絶える勇者ヤマトタケル。古事記に登場するヤマトタケルは、父・景行天皇に見捨てられた悲運の皇子として描かれている。父の命令によって東征の旅に出た彼は、帰路、伊吹山の神と対決し、敗北する。故郷を目前に、力尽きる肉体。「…無念」。やがて、彼の魂は白鳥となって、天高く舞い上がり、遠い異次元の空間へ吸い込まれてゆく。

          『天翔(あまかけ)る白鳥』ピアノ講師・高岡紀美子エッセイ作品

          音楽エッセイ『半年後、弟たちは…』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          19世紀。ドイツの作曲家メンデルスゾーンは“4歳年上”の姉ファニーと仲が良く、ピアニストである彼女にいつも音楽的助言を仰いでいた。書きかけの草稿を手渡しながら、弟は言う。「このつづきは、姉さんが作曲してください。あなたの作り出す旋律はとても美しく、気品があり、その才能は僕の誇りです」。彼の代表作である『春の歌』や『ヴェニスのゴンドラの歌』など、48曲の“無言歌”の多くが、実は、姉の作曲だったとか…。 🎶

          音楽エッセイ『半年後、弟たちは…』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          音楽エッセイ『さて、診断は?』 ピアノ講師・高岡紀美子作品

          モーツァルトは「豚カツを食べて死亡?」。2001年6月、そんな珍説がアメリカの医学誌に発表されたが、発熱、発しん、手足のむくみなど、彼の病気が豚肉の寄生虫による感染症に酷似しているとのこと。 潜伏期間は約50日。モーツァルトは発病の44日前、妻への手紙に「豚カツって、なんてうまいんだ!」と書き残しており、発病の15日後、1791年12月5日深夜0時55分に息を引きとった。

          音楽エッセイ『さて、診断は?』 ピアノ講師・高岡紀美子作品

          音楽エッセイ『また、引っ越し?』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          「居所不定」。天保7年(1836)に刊行された『諸家人名録』に、浮世絵師・葛飾北斎の住所だけが、こう記されている。住所不定である。北斎については数々の奇行が伝えられているが、一ヶ所にとどまることを嫌う“転居癖”も、その1つであった。 「幕府の表坊主・寺町百庵と言う人が、引っ越し100回を目ざしているらしい」。そんなウワサを耳にした北斎は、さっそく自分もこれに挑戦する。「負けちゃいられねぇ

          音楽エッセイ『また、引っ越し?』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          音楽エッセイ『やきもちは、いかが?』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          35年の短い生涯のなかで、600を超える名曲を残したヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。この200年間、多くの人々から愛され、賛美されてきた彼の作品は、同時代の音楽家の心にも強烈な印象を焼きつけたようである。 18世紀後半、それまで名声を欲しいままにしてきたウィーン宮廷音楽家・サリエリは、この若き天才の出現に、激しい嫉妬の炎を燃やした。モーツァルトの才能をいち早く見抜き、自分の作曲家としての能力に限界を感じるサリエリ。映画『アマデウス』のなかで、サリ

          音楽エッセイ『やきもちは、いかが?』ピアノ講師・高岡紀美子作品

          音楽エッセイ 『月光』 ピアノ講師・高岡紀美子作品

          ある満月の夜。男が散歩していると、一軒の家からピアノの音が聞こえてきた。「おや?」。そっと、窓から覗き込んでみる。薄明かりの中で、盲目の少女が鍵盤をさぐるように演奏していた。男は家に入ると、少女に優しく声をかけ、やがて、静かにピアノを奏で始めた。叙情的な調べ、荘重な和音。柔らかな音色が少女の心を包み込んでいく。…と、天空から一条の月光が…。白い光は輪を広げながら、男の姿をくっきりと照らし出していた。楽聖“ベートーヴェン”と奏鳴曲『月光』にまつわる伝説である。

          音楽エッセイ 『月光』 ピアノ講師・高岡紀美子作品

          ピアノ講師・高岡紀美子先生のこと

          高岡紀美子先生プロフィール 🎵1972年より、くらびあ会音楽教室・主宰🎵1972年より、東海女子短期大学・講師🎵1985年より、国立岐阜看護学校・講師🎵1996年より、岐阜新聞「夕閑帳」にエッセイを寄稿 🎵2003年より、岐阜県内保育園・英会話講師 イベント                🎵「ピアノ&おはなしで優雅な午後を」

          ピアノ講師・高岡紀美子先生のこと

          はじめまして!くらびあはなです🎶

          岐阜県に住む、音楽大好き!!くらびあはなと申します。ピアノ大好き!しかし練習不足の毎日。自由自在にピアノと心通わせる日を夢見て日々奮闘しています! 今回、岐阜県のピアノ講師・高岡紀美子先生が執筆されたエッセイを紹介するためにnoteを始めました。 先生の作品は歴史への深い考察に基づいていて、歴史の上を歩いてきた人間の心を読み解くことで現代の私たちの心の在り方を考えさせてくれる力を持っています。 ひとりでも多くの方に高岡先生の作品に触れていただきたいと願います。 これか

          はじめまして!くらびあはなです🎶