警視庁SM班II モンスター (角川文庫) 冨樫 倫太郎

SRO/スカーフェイス/SM班と独特の世界観で読み続けている。SROはシリーズ8まで続いている。シリーズを追うごとに、事件は大きくなる訳で、若干、読み手が理解できる範疇を越えてしまってきている気もする。そんな状況で、スカーフェイスとSM班は登場した。変わらない世界観でもありながら、作品が好きで読み込んでいるだけに、次の流れや結末が読めたりもする。そして、今回の「SM班Ⅱ」実は最後まで読めなかった。それは、作品の善し悪しではなく、自分の環境の変化かもしれない。マインドが、求めなくなっている。あの、一種嫌悪感を抱くほどの、犯罪描写。善意を裏切る悪意。サイコパスと片づけられるとも言えるが、SROを最初に読んだときに、恐怖もありながら、「これ、実際にいるだろうな」と感じた。あって欲しくないが、あるかもと思わせるぎりぎりのライン。当時、仕事・プライベートで、自分自身をギリギリまで追い込まれていたり、追い込んでいたり。どこかで、SROの世界に入り込むことで、そのモヤモヤと精神で同化しようとしていたのかもしれない。疲れている時こそ、マックなどのジャンクフードを食べたくなるみたいに。そこから、時が経ち、比較的、落ち着いている日常を過ごしている状況だと、心と体が違和感を持つ、消化できない感じ。こういう風に、小説から離れることもある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?