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鈴峯紅也ブラザー 警視庁組対特捜K (中公文庫)

深く深く沈んでいく。この沼の底には何があるのか。ワクワクドキドキから、不安に変わる。シリーズが重なるというのは、単純なことではなく、物語に存在する人達の人生が深まることであり、続けば続くほどに、起こる事態は深刻になり、過去の事態に意味が付加される。ドラゴンボールでは、魔人ブウが出てきた辺りで、もはや、強さの概念を超えて、よく分からない世界に突入したが、このシリーズには、そうはなって欲しくない。刺客の背負う過去と戦闘力。ティアドロップの濃度、主人公の周りで起きる悲劇とファクトに繋がるまでのアプローチの整合性。どれをとっても、ギリギリの段階に来ている気がする。さらに、別シリーズである、J,Qシリーズとの絡みもある。いま、一番好きなシリーズだからこそ、結末に至るまでのこのラストスパートが、フィクションではあるも、どこか、現実の混沌、血生臭さ、だからこその爽快感を感じさせる世界観を守るものであって欲しい。



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