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ぼくらの音楽 アートディレクション案概要

はじめに

この記事は、ネットレーベルUnisphere様( http://unisphere.tv )の5周年企画「ぼくらの音楽」のアートディレクションを担当させて頂いた際に作成した資料の文章をそのまま転載したものになります。元々、一緒に制作を行う方々向けの資料故に少々読みづらい部分もあるかもしれませんが、私のこの企画への愛が少しでも伝わればと思います。

今回の企画にお誘いして下さったSilentroomさんは「ビジュアル面全てを一任します。我々はあなたに従います。」と仰ってくださいました。そこで、今まで挑戦したことのない、5周年という節目に相応しいビジュアルを目指しました。こんな挑戦的なビジュアルにもゴーサインを出してくださったSilentroomさんには頭が上がりません…本当にありがとうございました。


ぼくらの音楽 アートディレクション案概要

前提・要望:
今回のリリースは全てのトラックを計5つのユニットに分散して形成したい。
iTunes等の音楽ソフト上では5枚のアルバムに見える形にするのが望ましい。
リリースは全て一斉に行う。

デザインテーマ:
針の見えない時計。ぼくらの愛した音楽は時間と共にこれからどこへ向かうのだろう。

ジャケットデザインについて:
「パズルのピースのように自由な表現思想のもとで作った色とりどりの作品たちを、一つへ《集積》すること」
「自分の2017年の感情や思考の写しのような存在として残るような作品へ」
「全てはインターネット上のSphere(球)に《集積》する。」

5年という時間。自分にとってはどんな時間だっただろう。思い出してみれば楽しかったことも、悲しかったことも、何の感情も得ずに虚無に過ごした時間もたくさんあった。
この企画に携わる人々は一体どんな5年を過ごしてきて、どんな思いをこの企画にぶつけるのだろう。

そんなことを考えながらこのデザインは生まれました。

針の見えない時計は、もう数えることもやめた無限の時間。過去とそしてこれから。
いくつもの書体を組み合わせたロゴは数多の時の経過による心情の変化。
いくつもの三角はそれぞれの個性。それぞれがつながって支え合って、一つの「球」を生成する。

背景の色はそれぞれ
01 - R:255
02 - B:255
03 - G:255
04 - R:255 G:255
05 - R:255 G:255 B:255
という値を持っている。どれも特色を使用したとしても再現が難しい、まず印刷は出来ない。モニターを通してでしか再現できない色。そして光三原色を限界まで発光させた白。

PCやスマートフォンのモニター、そしてインターネットを通してでしかこの色を伝える事はできない。

インターネットを通してそんな作品を皆さんに届けたい。
そんな思いからこのデザインは産まれました。

書体について

曲名・アーティスト名・本文 
和文:筑紫明朝Pro Regular 欧文:Times New Roman Regular

見出し英文・見出し数字
大見出し:Bodoni 72 Book Italic
小見出し:Bodoni 72 Book

色について

データは全てRGB環境で作成すること

メインにおいて使用するべき色は

それぞれのジャケットの背景カラー
01 - R:255
02 - B:255
03 - G:255
04 - R:255 G:255
05 - R:255 G:255 B:255

及び
R:0 G:0 B:0
のモニター上最低の黒を基本とする

(これ以外の色を使用してはいけないという決まりではない。特に映像においてはこれ以外の色の使用も構わない。完全におまかせします。お好きにして頂ければと思います。)

以上


あとがき

ここまでお読み頂きありがとうございました。本当は公開する予定のない資料でしたので少々読みづらい部分もあったかと思います…。

改めて、Webや再生用プレイヤーの開発周りを一手に担ってくださったmatsuraiさん(@matsurai25)、ジングルのモーショングラフィックスを短い期間ながら素晴らしいモノに仕上げてくださった駿くん(@oumlr)、そして全てプロデュース及び資料のまとめ等の細々とした雑務周りを担当してくださり、今回の企画に私をお誘いしてくださったSilentroomさん(@plcube)、並びにUnisphere関係者の皆さまに感謝の念をここで伝えさせていただきます。このような素晴らしい企画に携われたことを大変光栄に思います。ありがとうございました!