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ドラゴンクエスト トレジャーズ!!!!

つい先ほど、2022年12月9日にスクエアエニックスから発売された、
ドラゴンクエストシリーズスピンオフ作品、『ドラゴンクエストトレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』のメインシナリオをクリアした。

具体的に言うと、
2023年1月17日の19時ぐらい。
この文章を書いている今から、恐らく3時間ほど前の事である。


ドラクエシリーズを振り返るトレジャーライフRPG


このゲームのジャンルはトレジャーライフRPG。
ドラクエⅪの主人公の相棒であるカミュと彼の妹マヤが、広大な竜の大地を舞台にして過去のドラクエシリーズに登場した武器や防具などのお宝を求めて冒険する物語である。

今作は、「お宝を通して過去の旅を振り返る」という理念が根底にある為、
今までドラクエシリーズに触れて来なかった方にはお勧めできないかもしれない。
が、しかし。
四歳の頃、父親から借り受けたドラクエⅣがきっかけでゲームを始めた私にとっては文句なしの神ゲーだったと言える。

数年前にドラクエⅪをクリアしてからというものの、Ⅺ勇者一行の旅路を追うことはできない事実に対し、無限に広がる希望の草原を駆け抜けた結果何もない果ての荒野に放り出されてしまったかのような感覚を覚え、pixivで#ドラクエⅪのタグを巡回する日々を送っていた。

要するに、ドラクエⅪに登場したカミュとマヤが繰り広げる冒険を題材としている時点でかなり甘めに。どんな出来でも二人がいるのならば。二人の掛け合いが見られるのであれば、「良作である」と判定していただろう。

しかし、予想以上だった。

このゲーム、本当に素晴らしい。
まずは、世界観を簡単に説明すると、

舞台となる空に浮遊する浮島群で構成される竜の大地には、
二匹の巨大な竜の亡骸が大地となったという伝説がある。
そして、この世界の至る所にはお宝が眠っているという。
さらに、ひょんなことからこの竜の大地に迷いこんでしまう蒼き瞳の兄妹!

私は決してロリコンでもショタコンでもないが、
『少年少女の発展途上の小さな身体と眼前に広がる果てしなき大地』
という対比の構図はいつ見ても素晴らしい。

もう言わずもがな。
超が三つや四つじゃ足りない程のド直球な王道展開を思いっきり踏襲していくスタイル、清々しい。
お隣の部屋に住んでいる灰色セーターの似合うお姉さんに「男の子って、こういうのが好きなんでしょ?」とか聞かれたものならばもう、大声で答えるしかない。

はい!!!!!大好きです!!!!!!!!!!
アザ――――――――ス!!!!!!!!



仲間にしたモンスターとお宝さがし!


このゲームには、モンスタービジョンというシステムが存在し、仲間にしたモンスターの視界を借りてお宝の位置を探すことができるのだが、そんなモンスターにも種族ごとに異なるビジョンが存在する。

真っ赤な瞳で獲物を捜索するキラーマシン族のビジョンはもちろん真っ赤な視界に染まっているし、

黄色い目を光らせ、侵入者を排除するゴーレム族のビジョンは淡い黄色の視界。

泥から生まれた腕のモンスター、マドハンド族によるビジョンは泥まみれの視界でお宝さがしのアテにならないが、そんなところもご愛敬。

実は全部同じ場所に埋まっているお宝を三匹の視点で眺めたもの。

その他にも、覆面の目出し穴以外の視界が全く見えないヤツ、帽子と鼻で視界が塞がれているモンスターもいる。お宝探しを通して、彼ら彼女らが見ている世界を疑似体験するという、これまた意外な部分でおなじみのモンスター達の生態を掘り下げられているのも楽しい。


シルエットからお宝の正体を予想する楽しみ


前述した通り本作には、過去のドラクエシリーズに登場する武器や道具、物語を進める鍵になっただいじなものなどが、各地に埋められたお宝として登場する。
このお宝のシルエットをいくつかクイズ形式で紹介しよう。
尚、各問の考察時間はいったんスクロールを止めて各自確保していただきたい。

さっそく第一問。
まず最初の問題は、有名なあるモンスターを模した像のシルエットクイズといこう。

この特徴的なシルエットは……?
尖った三又の頭に、鉤爪。身に着けているのはマントだろうか?
であれば、かなり知能と地位の高いモンスターなのかもしれない。



答えはこのすぐ下にあるので、気をつけてスクロールしてほしい。






こたえは バラモスの像 でした!

ドラクエⅢの物語は、
「魔王バラモスを倒せ」と
王様に命じられるところから始まる。

『もはやふたたび いきかえらぬよう
そなたらのはらわたを くらいつくしてくれるわっ!』

という、いくら負けても復活できるゲームシステムに甘んじていたプレイヤーの心理を見透かしたような彼の口上はあまりにも有名。もし敗北してしまえば勇者一行は二度と目を覚ますことなくゲームオーバー、という事は無いが、この字面の圧倒的残虐性に恐怖した勇者も多いのではないだろうか。
私は当時、「はらわた」の意味を知らなかったので、教会で復活するための道具か何かがあるのかと思っていた。父親に聞くと「魚の内臓のことをワタと呼ぶ」と返されたので、意味が分からなくなって布団で寝込んでしまった記憶がある。



次!
二問目は人物クイズ!
像のモデルとなった人物は誰だろうか。

二問目は中級編。ちょっとズームしてみなければわからないかもしれない。ヒントを出すとすれば、彼女には専用のBGMがある。
そして彼女の初期装備は以降シリーズにも登場するのだが、諸事情により幾度もデザインに変更が加えられている。

……ちょっとヒントを出し過ぎたかもしれない。



答えはすぐ下にあるので(以下同文





こたえは マーニャの像 でした!

言わずと知れたモンバーバラ姉妹の姉、踊り子マーニャ。
しっかり者の妹である占い師ミネアとは対照的に、賭け事と酒と顔のいい男が大好き。ドラクエⅣで彼女に純情を弄ばれ、自分の欲に正直すぎるダメなお姉さんにときめくようになってしまった少年は数知れず。『ギャンブル依存症の酒クズ褐色年上お姉さん』などというドギツい性癖を未成熟で無垢な魂に植え付けられてしまった少年も少なくないはず。
エニックス公式攻略本。あれは0才児でも読めるエロ本です。
お買い求めの際はお近くの古本屋でどうぞ。在庫は保証しません。



第三問。
かなり難しい上級編。

盾は丸形が多くて難しいかもしれない。
が、これは縦に長い楕円形である。
補足すると、この盾には魔法ダメージを軽減する効果がある。
ここを抑えていれば絞れて来るかも……?


どうやら このしたには 
もんだいの こたえが 
あと 1こ あるようだ ▽






こたえは まほうのたて でした!

他の盾と比べてもかなり高価ではあるが、名前通りの魔法耐性と装備可能な仲間の範囲からも、様々なナンバリングで中盤から終盤直前までこれに左手を預けたプレイヤーも多いはず。
というよりも、おなべのふたか、このまほうのたて、そして作中最強格の盾しか装備できない仲間は少なくないので、これに頼らざる負えない事例が多々あり、結果として頼れるイメージが定着してしまったのかもしれない。



第四問!
最終問題はめちゃくちゃ難易度が高いので、今のうちに気分が落ち着くような音楽でも聴いた方がいいかもしれない。

……?
これは…………?

防具ではなさそうだが……?
武器……?ムチ……にしては短いような……

その、答えは……?






ろうごくのクサリ

ガナン帝国の地下で
数百年の間 天使をろうごくに拘束していたクサリ。

いやわかるかい!!!!!
ドラクエⅨのガナン帝国の地下で天使を拘束していたクサリ、誰が覚えてんだこんなもん!!!!!!!クイズになるか!!!!!!

以上!!解散!!!!!!!


古今東西豊富過ぎるお宝


先ほどのクイズでも紹介したように、本作にお宝として登場するアイテムは、非常に細かく、ドラクエに関するものはナンバリングだけでなくスピンオフ作品からも拾われており、「誰が覚えてるんだこれ!?」と叫びたくなるようなものも多い。今回はその一部をいくつか紹介しよう。


冒険が始まってから十分あたりだろうか。
プレイヤーがこのゲームを始めて最初に掘り出して鑑定するお宝が、これ。

蹴破られた城のカベ

である。
はい、神ゲー確定です。
ドラクエIVの仲間の一人、サントハイムのおてんば王女アリーナが蹴破った城の壁がお宝として登場する上に、それがまず一番最初に鑑定するお宝なのだ。製作陣にはよほどの ひねくれもの がいると見た。

このままではマニアックなお宝ばかりを思い出と共に長々と紹介してしまう未来が見えるので、駆け足で一気にいこう。

ドラクエシリーズを遊んだことのある人ならば一度は目にしたであろう、かわのよろいや、はやぶさのけんはもちろん。

あの作品に登場した歴代主人公やその仲間達の像も。

言われてみれば見た事のあるあのお宝も。

スピンオフ作品に登場するあのモンスターも!


印象深いあのシーンを想起させるお宝も!!

それらすべてが、あなたの手の中に納まるのである!!

今一度宣言したい。
ドラゴンクエストトレジャーズは、
シリーズを通してのファンにとって、最高の作品である
、と。



私が最も気に入っているお宝


最後に、本作で最も気に入っているお宝を紹介したい。
古今東西様々なお宝がある中でも、一番のお気に入りはこれ。

大穴の木の枝。
解説にもある通り、
「大穴に落ちかけていた かんむり職人のビルテを
助けようとした青年が
まちがって つかんだ 木のえだ。」
である。

つまるところ、何の変哲もない木の枝だ。
この枝をお宝として手に入れた瞬間は手を叩いて笑ってしまった。
これが登場するのは、序盤も序盤。ライフコッドという村の祝祭のために、かんむり職人(ビルテという名前すら忘れていた)にせいれいのかんむり受け取りに行くイベントがあるのだが、その際のひと悶着に一瞬登場するだけ。

ドラクエⅥの物語は、大穴に落ちそうになっていた冠職人ビルテを助けようとした主人公が、誤ってこの枝を掴んでしまったことで大穴に落下してしまったことがきっかけで大きく展開していく。
要するに、これはそのための舞台装置でしかないのである。

逆に言えば、この大穴の木の枝が無ければ、ドラクエⅥの主人公は山奥の村に住む平凡な青年でしかなかったとも言えるのだが……
この経緯を知らなければ、これはただの木の枝でしかない。
このお宝の価値は、100%思い出補正だけで成り立っているのだ。

基本的にどのナンバリングにも思い入れはあるのだが、ドラクエⅥは幼少期に一番やり込んだ作品であり、とにかくシナリオ全編通して大好きだ。
この思い出が「お宝」という形で具現化したこの感動を形容できるほど、私の かしこさ は高くない。



最後に

最初にも少し離したがこのゲーム、
「各地に埋まっているお宝を掘り出す」という行為が、過去作を遊んだあの時の経験や記憶を思い出す事に強く結びついているのではないか、と思う。
分厚いテレビの前に腰かけて、コントローラーを手にして。無我夢中で剣と魔法の世界を駆けまわった『あの頃』の追体験。見覚えのあるシルエットと共に、ありありと当時の情景が思い浮かぶような気さえしてくる。

このゲームはドラクエファンにとっての、
エモーショナルの処方箋である。

もしこれを読んでいるあなたも、
『ドラゴンクエスト』というシリーズに思い入れがあるのであれば、
『ドラゴンクエストトレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』
購入してみてはいかがだろうか。


ここまで読んでいただいた読者様へ。
一人のドラクエオタクの饒舌に長々とお付き合いいただき、誠に感謝いたします。もし、もしもこの記事を通してこのゲームに興味を抱いていただけたのならば、まことに幸いです。

それでは こほん。

おお かみよ!
このものに あなたさまの
ごかごが あらんことを!





余談

宝物庫に並べているお宝はこんな感じ。
全体的にドラクエV以前のシリーズに偏っているのだが、
比較的新しいシリーズに登場するお宝が掘り出せていないだけである。
全体的に無骨すぎるので、この辺りでゼシカやアンルシア辺りの華やかな女性キャラの像が欲しい所だ。

え?さっき雄弁に語り尽くしたあの木の枝が見当たらないって?
誰の手にも届かないところで保管してるんだよ。
誰かに盗まれたら絶対嫌だし。





といったところで、今回の話は以上です。
それでは、さようなら。

おつかれさまでした。
このまま でんげんを おきりください。

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