20240129

 桐島聡と見られる男性が死亡した。これから彼がどのように逃亡生活を送ったか、どのような人物像だったのか、報道が探っていくのだろう。しかし、彼の犯罪へと至った動機や思想、あの事件を振り返って考えることなどが彼の口から直接語られる機会は無くなってしまった(もしも彼が本人だとしたら)。もしかしたら手記などが見つかるかもしれないが、書かれた言葉と語られる言葉にはどうしても距離が生まれる。とにかく今後の調査結果を待ちたい。
 破滅派の合評会だった。今回のテーマは「サイコパス」で、それぞれサイコパスの定義が違っていて面白かった。わたしは「カナタくんの笑い声」という掌編を投稿した。カナタくんと呼ばれる大学のゼミで知り合った男の笑い声が悪魔のようで、語り手は彼の笑うタイミングが人とズレていることもあってよく覚えていた。彼から自分も想いを寄せる吉岡さんというゼミのマドンナが〝アバズレ〟であると聞き、ストーキングして語り手は吉岡さんの本性を知るという話だ。合評会には新メンバーも加わって、二〇二四年初めらしくフレッシュな感じだった。一位は逃したが三位には残してもらえた。なんとか今年は一度優勝したい。

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