1枚からはじまる記憶『1.オオイヌノフグリ』
何か残したくて、何か思い出してほしくて、写真を撮る。
そんなこれまでの1枚1枚から、記憶を紐解いていこうと思います。
記念すべき1枚目は、もうすぐやってくる誕生日について。
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春に生まれた。
チューリップ、芝桜、菜の花、水仙、たんぽぽ、カタバミ、なでしこ、ワスレナグサ、桜。
うちの庭にはたくさんの春が咲く。
いちばん側にあったのに、いちばん最後に名前を知ったのが「オオイヌノフグリ」(たぶん、最後。笑)
その小ささと愛らしさが私は大好き。しゃがんだ先にすぐ見つけることができる。
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兄姉より幼稚園に入るのが遅かった私は、祖父母に見守られながら一人で遊ぶことが多かった。
春はたくさんの花がいて、幼い頃はそのひとつひとつがまるで友達のようでに思えた。まるで寂しくなかった。
たんぽぽも好きだけれど、主張しすぎないところがオオイヌノフグリ。
"忠実"という花言葉を知って、いつも側にいてくれたような気がした。
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春に生まれてよかった。
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