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「ID・データ保有者による経済圏競争の半歩先の未来」を電子書籍で出版しました

 普段、筆者がお仕事を通じて見聞きしてきたことの中で、理解、整理、体系化し、少し先の未来を読み解いたトピックをご紹介している「マーケティング視点で読解力を高めるノート」では、主に経営戦略やマーケティング戦略を科学する際の題材として、QRコード決済を中心としたキャッシュレス市場のアクションを定点で観測してきました。

 数千万人規模の利用者、会員、契約者を抱え、日本でも有数の事業規模を誇る複数の大手事業者が、偶然か意図的かに関わらず、いままでは存在しなかったサービスを同時期に立ち上げ、我先にと市場へ参入するという事態に直面し、各社の経営企画や中期の事業戦略を検討した方々が、なぜそのような意思決定をしたのか、そこに至る背景や事情、意図の存在に興味を
もったことがきっかけでした。

 ここまでに、各事業者の動きや施策内容を与件とし、近い将来に起こる事象や方針転換の可能性について予測した結果を、電子書籍にまとめ、以下の2冊を発刊しております。


そして、この度、第3弾として、2022年から2023年の前半までに起きた変化を整理し、「ID・データ保有者による経済圏競争の半歩先の未来」として、本書をまとめました。

 QRコード決済市場への参入者が相次いだ2019年から約4年が経過し、業界1位の事業者とその他事業者との間で事業規模の格差が広がっており、業界内のポジションや順位はほぼ固まった状況にあります。
一方、2024年春を目指しTポイントと三井住友系のVポイントが統合を発表するなど、経済圏の覇権を巡る争いでは、新たな展開もみられます。

 新聞や雑誌、WEBニュースなどのメディア上では、「経済圏」や「ポイント経済圏」等の言葉が躍っていますが、経済圏の規模を競う事業者について、ポイントがたくさんもらえるようだ、とか、いきなり減ってしまった、改悪だ、みたいな取り上げ方が多く、QRコード決済と共通ポイントの不可分な存在である理由等、経営やマーケティング戦略の視点で解説したものは少ないように感じます。

 このような事業者が、このタイミングで競争に参入することを決めた理由も想定しつつ、ここまでの競争の経緯を振り返るとともに、さらにこの2年間で起きた変化を基づいて、ID・データ保有者による経済圏競争の半歩先の未来を読み解き、展望してみましたので、お手に取っていただければ、幸いです。

※図表やグラフを挿入しており、大体30分〜40分程度で 読み終えることができる内容です。市場の全体像をざっくりと 把握したい方に適しています。

【本書の構成】
1.キャッシュレス手段の主役は何?
(1)市場動向から紐解く日本のキャッシュレスの見通し
(2)キャッシュレス周りでここ数年に起きたこと
(3)大手の寡占化とクレカシフトが進行するキャッシュレス市場の概況
(4)今後のキャッシュレス市場の短期的な見通し

2.なぜQRコード決済と共通ポイントだったのか?
(1)プラットフォーム事業の成立要件と手段採用理由
(2)経済圏事業者のマネタイズの方向性
(3)プラットフォーム事業に必要な機能
(4)QRコード決済と共通ポイントの役割

3.キャッシュレスの未来はどこへ
(1)事業者、お客さま、加盟店の周りで起きる変化
(2)事業者が抱えるポイント還元の呪縛とジレンマ
(3)利用者視点でみるキャッシュレス手段のシフト
(4)加盟店の視点でみた決済手数料の負担軽減(自衛)
(5)短期的な見通し
4.あとがき

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