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「廊下は走るな!」プロジェクト 〜計画編

出発までの2年間、友人は驚くほど真面目に山に登って経験を積んでくれた。装備ももうほぼ完璧だ。更には山はパートナーの体力やら技術等をある程度把握しておかないと同行は難しいので、お遊びついでに初めて一緒に地元の山に登ってみることにしたが、これも全く問題なし。

オレの方も何かレベルアップしておく必要があるな、と思ってたところ、ひょんなことからロッククライミングを始めることになり、その流れで山岳会に入会、少なくとも自己確保や簡易的なレスキューならできそうだ、と言う程度の技術は身に着け、まあ、準備としてはほぼ問題ないと言えるレベルまでは漕ぎ着けた。

詳細の日程はやはり行程的に3日必要ということと、オレが立場上平日休みを取って遊びに行きにくいこともあり、10/8〜10の3連休を利用することに決まった。

ところが、だ。

現地は今年は雪解けが遅く、10月に入っても雪渓がまだ残っているところが2箇所あり、登山道整備が思うように進んでいないとのこと。

少し話が逸れるが、下ノ廊下へのアクセスは独特で、登山口へは車ではアクセスできない。当日早朝に扇沢側(長野県)から立山黒部アルペンルート(電気バス)でアクセスするか、もしくはその前日に上記ルートもしくは立山側(富山県)から同じく立山黒部アルペンルート(ケーブルカー+バス+トロリーバス+ロープウェイ+ケーブルカーの乗継)で黒部ダム付近に入っておくか、しかない。(当日立山側から移動は時間的に不可)
一方、立山三山に行くのであればこの立山黒部アルペンルートの室堂と言う立山側のポイントからスタートしなければならない。(下図参照)

※画像は立山黒部アルペンルートHPより引用

ところが下ノ廊下(黒部ダムスタート)に行けないのであれば、立山三山(室堂スタート)に行こうと考えていた我々にとって、旧日電歩道が開通するか否かで立山黒部アルペンルートへのアクセスポイントから何から全て変わってきてしまう。しかも、アルペンルートは予約しておかないと満員の場合は次の便に回されるので、時間が読めなくなり、その時点で登山計画としてはアウトだ。

ギリギリまで悩みに悩んだ。

ここまで準備を進めて、諦めるにはあまりにもったいない。ただ、こういう状況で無理を押すのはもはや遭難フラグでしかない。10/5の情報で黒部別山谷の雪渓がまだ残っているとのこと。雪渓がなくなったとしてもそこから登山道整備では絶望的だ。おまけに初日の天気予報は微妙な上に3日目は確実に悪天候だ。友人は早々に諦めていたが、ここでようやくオレが諦めたことで2022年の下ノ廊下完全踏破は断念することにした。

2022年10月7日の状況。流石に厳しい…
※阿曽原温泉小屋HPより引用

ただし、計画はこうだ。

初日はAMのみ微妙な天候だったため、PMは回復する余地がある。従い、初日は黒部ダムを見学した後、天候が回復すれば雪渓のある黒部別山谷までの道を行けるところまで、具体的には内蔵助谷出合(くらのすけたんであい)って分岐があるところまでは問題なさそうなのでそこを目安として下見に行く。そしてそこから立山側に移動し、雷鳥沢キャンプ場でキャンプし、立山三山を縦走する計画だ。

ところが、雷鳥沢キャンプ場の気温をみると予想は0℃。下ノ廊下よりだいぶ標高も高いこともあり、かなり厳しい条件だ。キャンプ未経験の友人にはかなり厳しい条件だし、装備的にも不安だ。

結果、下山して街で一杯やることに予定変更した(笑)

従い、
10/8 黒部ダム見学、天候回復次第、下ノ廊下を内蔵助谷出合あたりの行けるところまで下見。17:30ごろの終バスに乗り、下山、大町で宴会。
10/9 始発で立山黒部アルペンルートの一番富山側の室堂まで行き、立山三山縦走。ただし、10/10は悪天候の予定なので、この日も下山し、宴会(笑)
10/10を移動日とした。

これで計画は定まった。
アルペンルートの切符を全て予約し直し、麓のビジホを予約し直し、金曜の夜から移動を開始した。

-続-

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