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太田高校の「21世紀枠」選出可能性に関する考察

1. 太田高校の戦況

今年の春夏連続で高校野球県大会4強に進出した母校・群馬県立太田高校。新チームになって迎えた秋の県大会も、シード校を破り8強進出と快進撃が続いている。

春の大会は、強豪の前橋育英、高崎商業に対して連続コールド勝ちして、準決勝で優勝校の関学大付に5-6の惜敗。

夏の大会は、準々決勝で強豪・樹徳にサヨナラ勝ちし、準決勝で優勝校の前橋育英に1-4でリベンジされての敗退。

そして、この秋の大会も、2回戦でシード富岡に対してコールド勝ち、3回戦で古豪・桐生工を下しての8強進出。

結果もさることながら、内容がとても良い。そして明日、9月26日、3季連続4強入りを賭けて、強豪・健大高崎と対戦。この健大高崎、全国から選手を集めており、一昨年、昨年と秋の関東大会2連覇中。ラスボス感が凄い。

準々決勝のカードは以下の通り(画像:群馬テレビHP)。

2021秋準々決勝

強豪私立5校に、公立の雄・前商、利根商。野球好きな人なら聞いたことある高校ばかりではないだろうか。利根商は全国区ではないかもしれないが、1999年に桐生第一が全国制覇した時の福田監督が監督をしており近年強化されている古豪でもある。この顔ぶれに堂々と母校が並んでいるのが嬉しい。

2. 21世紀枠の選考基準と選考フロー

選考基準

21世紀枠の選考基準は、センバツの招待大会としての特性を生かし、高校野球の模範的な姿を実践している学校を以下の基準に沿って選ぶことになっている。

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①秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)

②以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校。

・少数部員、災害など困難な環境の克服

・学業と部活動の両立

・数年間にわたり試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない

・創意工夫した練習で成果を上げている

・部外を含めた活動が他の生徒や地域に好影響を与えている。

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選考フロー

選考フローとしては、まずは群馬県内で推薦校に選出される必要がある。その後、関東・東京地区の代表推薦校に選出され、最後に全国9地区の推薦校の中から3校が21世紀枠として春の選抜甲子園の出場権を得る。

STEP1:47都道府県から1校ずつ推薦校を選出

STEP2:全国9地区(北海道、東北、関東東京、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州)ごとに推薦校1校を選出

STEP3:各地区の推薦校9校の中から最終的に21世紀枠の3校を選出

選考フロー

尚、STEP3では、当該都道府県高野連が3分30秒で推薦理由をプレゼンテーションをすることになっている。オリンピック招致委員会のプレゼンのような感じだろうか。

個人的なアイディアとしては、プレゼンを連盟だけに任せるのではなく、当該校の校長や監督、主将、推薦人(市長とか)にもプレゼンさせたらどうだろうか。そのプレゼン大会がYoutubeとかで中継されたら普通に見てみたい。

3. 群馬・関東東京の歴代推薦校

では、過去に群馬県からどの高校が推薦されてきたのか。また、関東東京の推薦校に選ばれて、21世紀枠で出場した高校があるのか。結論としては、これまで群馬県から21世紀枠で甲子園に出た高校はない。

以下が、歴代の群馬県推薦校と関東東京の地区推薦校。

歴代推薦校

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※9/26追記

2021年開催年の群馬県推薦校は館林高校、関東東京推薦は石橋高校(栃木)

(上記表のエクセル保存漏れだったため表には追加していません...)

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2013年に甲子園初出場初優勝を果たした前橋育英が、それ以前に3度も21世紀枠の県推薦校に選ばれているところに時代を感じる。また、2012年の高崎高校は前年の秋の関東大会でベスト4入りしており、一般枠(実力枠)で春の甲子園出場を果たしている。

気になるのは近年の群馬県推薦校の選考状況。昨年の館林高校は、2020年秋の県大会準決勝で優勝した健大高崎の3-12のコールド負け。一昨年の伊勢崎清明高校は前年2019年秋の県大会準々決勝で準優勝した前橋育英に4-6で惜敗、2019年の同校は、前年2018年秋の県大会で同じく準々決勝で健大高崎に4-7で敗退している(同年の健大高崎は県大会3位から関東大会出場して優勝)。

4. 太田高校の選出可能性

太田高校は、上記の選考基準①、②を既に満たしている。特に以下の項目については高いレベルで基準をクリアしていると言えそうだ。

・学業と部活動の両立

→県内有数の公立進学校で、野球部員も基本的に全員が大学進学を目指している。

・数年間にわたり試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない

→数年間と言われると厳しいが、明日の準々決勝で惜敗したとしても、3季連続準々決勝以上に進んで、全て強豪校に敗退したことになる。(明日はコールド負けだけは避けたい)

・創意工夫した練習で成果を上げている

→学校のグラウンドはそこそこ広いが、サッカー部やラグビー部と共用、レフト側は線路に面していて十分な広さが取れない環境。また、中間・期末テスト期間は練習も休み(今はどうか分からない)。プレゼン次第では、限られた条件下で創意工夫しているとアピールすることは可能だろう。

・部外を含めた活動が他の生徒や地域に好影響を与えている。

→挨拶などは昔も今もしっかりしているはず。文武両道で頑張っている点で他の生徒や地域に好影響を与えているといってもよいだろう。当時は例年1年生の冬休みには、地元郵便局で年賀状配達のアルバイトをしていたのだが(今は分からない)これも地域活動のアピール材料になるだろうか。

太田高校の選出可能性

最後に太田高校の21世紀枠の選出可能性を明日の健大高崎戦の勝敗ケース別に予想してみる。

A.健大高崎に勝利した場合

A-1. 準決勝勝利(関東大会出場)→  ◎(21世紀枠での出場濃厚)

  ※関東大会で上位進出すれば一般枠で堂々出場

A-2. 準決勝敗退 →  〇(21世紀枠選出可能性60%)

B.健大高崎に敗退した場合

B-1. 惜敗(3点差以内)→  △(21世紀枠選出可能性40%)

B-2. 大敗(4点差以上)→  ▲(21世紀枠選出可能性20%)

B-3. コールド負け     →   ×(選出可能性5%未満)

とにかく明日の試合は、甲子園出場可能性を大きく左右するという意味で、太田高校野球部史上、最も重要な一戦になるといっても過言ではない。

≪試合情報≫

太田高校VS健大高崎(準々決勝)

2021年9月26日(日)9:00 試合開始 小倉クラッチ・スタジアム

硬式野球部写真6

(写真:太田高校公式HP

※9/27追記

準々決勝の結果は、太田2-7健大高崎で敗戦。5点差ついたとはいえ、途中までは接戦だったし、全国区の強豪相手に悪くない結果。過去に県ベスト8止まりで21世紀枠に選出されたケースもあるし、健大高崎の今後の勝ち上がりと他県の状況次第では、母校の21世紀枠、あるかもしれない。

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