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フランス語のアルファベットは、読み方が少し違う

(はじめに)


私は今(2018年)、31年ぶりに、フランス語の勉強を再開しました。私がならっているフランス語の教室では、自己紹介の後、フランス語のアルファベットで、自分の名前の綴りを言ったり、相手の綴りを聞いたりする練習があります。そこで、最近、久々に、フランス語のアルファベットの読み方が少し違うことで、戸惑うことがありました。

1. フランス語のアルファベットの読み方が、英語の読み方と少し違う


 Eはイーではなくてウー。Iがアイではなくてイーなのです。片仮名で発音を書くと正確ではないですが、まあ、こんな具合です。また、Gがジーではなくてジェー。Jがジェーではなくて、ジーなのです。GとJはまるで反対です。ですから、フランス人から名前の綴りを聞くときには、イ―とかジェーとかいわれると私は無意識のうちにEとかJとか書いてしまうので、フランス人に違うといわれて初めて気がつくのです。つまり、英語のアルファベットの読み方に慣れていると、混乱してしまいます。

2. 最近、初めて分かったフランス語のYをイグレックと読む理由


  また、フランス語のYは、ワイではなく、イグレックと読みます。31年前には、なぜだか理解しないままそういうものかと思って、教えられるまま覚えていましたが、最近、31年ぶりにフランス語の勉強を再開して、どうしてそう読むのか初めて分かりました。
教科書のMauger Blue 第I巻の99ページの演習問題に、フランス語で、71の国名が書いてあって、それに対応する形容詞を書けというのがありました。英語で言うと、JapanといえばJapaneseと答える問題です。ところが、皆さんご存じのように、フランス語の名詞には女性と男性の性があるので、名詞は性別を覚えなくてはいけません。なので面白いことに、国名にも、男性の国と女性の国があるのです。その国に女性が住んでいても男性の国ということになります。なんだか日本人には不合理な気がしますが、仕方がないので71の国の性別を、辞書で全部調べながら、この演習問題を解きました。さらに、厄介なことに国名の形容詞は、男性名詞につくときと女性名詞につくときで、それぞれ形と発音が変わります。これも調べてすべて覚えます。性別と形容詞を辞書で調べるのにすごい時間がかかってしまいましたが、おもしろい新しい発見が4つほどありました。その一つが、イグレックです。

3. ギリシャ語のイー


ギリシャのフランス語は、Grèce(グレース)、その形容詞はgrèc(グレック)です。フランス語の形容詞は名詞の後におくのが普通なので、私は、この時、イグレックって、「ギリシャ語のイー」っていう意味じゃないかと、はたと気がついたのです。それで、ネットで調べてみましたら、はたしてそうでしたので、驚きました。私は、31年間もぼんやりしていて、いままで気がつかなかったのです。
また、このY、国際発音記号で使われた時には[ y ]と書かれて、[ i ]とは違う発音であると教えられます。[ y ]はウの口をしておいてイ―と発音する。[ i ]は日本語よりも口を横に引っ張ってイーと発音すると教えられます。まあ、[ i ]は日本語のイ―と大差ないように聞こえるのが、この[y]は標準語では聞いたことがありません。

4. 広島弁のイー


しかし、私は、広島県人がこの発音をしていることに気がついきました。広島県人は、「あの看板、見にきぃーんじゃ。(あの看板、見にくいんです。)」と言ったりするとき、口を細めて口をとがらせイ―と言っています。そこで、広島県人の友達に、「みにのイと、きぃーじゃのイは違うね」と言うと、彼は、何度か発音してみて、本当だねと言っていました。だから、私は、Yはイグレック「ギリシャ語のイー」ではなくて、i-hiroshimain(イイロシマン)「広島弁のイー」と、名付けて、ひそかにほくそ笑んでいます。

(おわりに)


以上のように、フランス語のYは、なぜ、イグレックと読むのか、31年ぶりに解って、嬉しかったです。また、この[y]という国際発音記号の発音は、日本語の標準語にはありませんが、広島県人の発音には、存在するということもわかり、私は大変大変面白いと思いました。何でも、勉強するものですね。


*なお冒頭のフランスの地図は、下記のフリー素材を使用させていただきました。
https://www.abysse.co.jp/maps/europe/france/
 
2018年6月13日 随筆
2023年6月23日 加筆

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