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インドから日本に来た神様

(はじめに)


最近、長谷川明著「インド神話入門」新潮社(1987)を読んで初めて知ったことです。

1.インドの神々の頂点に立つ3柱の神

インドのヒンドゥー教には主要な3柱の神様がいて、これらの神様によって、この宇宙や世界の生成発展消滅再生が起こっているとされています。この考え方を「三神一体(トリムールティ)」というそうです。その主要な3柱の神様は次の通りです。

ブフラマー  宇宙創造 ヴィシュヌのへそから生まれる。
ヴィシュヌ  繁栄維持
シヴァ    破壊と再生

2.この3神の下にたくさんの神々

この三神の下に、たくさんの神様がおられると考えられています。したがって、ヒンドゥー教は、日本の神道と同じで多神教です。また、神道と同じで、聖書のようなまとまった教義書はなく、たくさんの土着の神様を融合合体して、広大なインドの土地に広まり現在のヒンドゥー教となっています。そのため、ヒンドゥー教は、日本の神道と成立過程が非常に似ています。また、ヒンドゥー教から仏教やジャイナ教が生まれたので、仏教に取り入れられたヒンドゥー教の神様がたくさんいらっしゃいます。仏教に取り入れられたヒンドゥー教の神々は次の通りです。これを見るとわかりますように、これらの神様はインドから日本に来た神様たちです。

漢訳名   ヒンドゥー教名   特徴

梵天    ブフラマー
大自在天  シヴァ
大黒天   シヴァの異名   マハーカーラ 日本では大国主命と融合、七福神の一人
帝釈天   インドラ   寅さん口上「帝釈天の産湯を使い・・・」で有名
吉祥天   ラクシュミー(女神)   富と幸運と豊穣
弁財天   サラスヴァティ―(女神)   技芸と財、七福神の一人
毘沙門天  クラーベ   上杉謙信の篤い信仰を得た神、七福神の一人
韋駄天   スカンダ   今年(2019年)のNHKの大河ドラマの題名になっている神
閻魔    マヤ   地獄の入口で死者の生前の罪悪を審判する閻魔大王
水天    ヴァルナ  日本各地の水天宮は、元はインドの神
火天    アグニ
聖天    ガネーシャ  象の頭をした神 シヴァの息子、富と繁栄、知恵と学問の神、
障害除去(厄除け)、インドで大変人気の神

このほかに、戦国時代軍師で有名な山本勘助が信仰した「摩利支天」などの神様もおられます。

(おわりに:インドの神様には天が付く)

以上を見てわかるのは、日本では、「・・天」というのは、インドから日本に来た神様ですね。私はこのことを、「インド神話入門」を読んで初めて知りました。日本で最も人気なインドの神様は、財運の神様の大黒天のようですが、皆さんは、どのインドの神様がお好きですか?


*なお冒頭の写真は、長野県上田市常田地区の毘沙門堂の写真です。

2019年 3月23日 随筆
2022年12月17日 加筆

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