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宇宙好きが解説!SXSW2020の注目セッション


米国・オースティンで毎年3月に開催される世界最大級のフェスティバル「SXSW」。同イベントでは、映画や音楽をはじめ、ゲームやスポーツ、ヘルスケア、スタートアップなど幅広い分野のセッションが設けられていますが、なんとSXSW2020の注目テーマは「大麻ビジネス」と「宇宙」!

今回は宇宙ビジネスを中心にライターとして活動している私より僭越ながら、特にインスピレーションが得られそうな宇宙分野の注目セッションをまとめさせていただきたいと思います。

1.月面着陸

▶︎3月20日 12:30〜13:30
「Artemis Generation : NASA's Next Giant Leap」

2024年までに再び月面有人着陸を目指す「アルテミス計画」は、NASAが力を注ぐ一大プロジェクト。

ロケットや宇宙ステーションは、NASAが民間企業に製造開発を発注するので、宇宙ベンチャーにとっては月面宇宙分野でのスタートダッシュが切れるか否かがかかっている、またとないチャンスと言えるでしょう。

また、アルテミス計画では、史上初となる女性宇宙飛行士による月面到達も予定されているため、ジェンダーについて語られることも。
昨年秋には、JAXAがアルテミス計画に参画することを発表し、近い将来に日本人宇宙飛行士も月面着陸を果たすのではないかと話題になりました。

本セッションには、今年1月に新たにNASAの宇宙飛行士に仲間入りしたJasmin MoghbeliさんとNASAの職員らが登壇します。今、深宇宙にもっとも近いとも言える彼らは何を語るのでしょうか。

予習記事

18,000人を超える応募者の中から選ばれた宇宙飛行士たちのバックグラウンドは多彩で、彼らの月や火星への飛行が楽しみになります。

イギリス人初の宇宙飛行士、ヘレン・シャーマンさんのインタビュー。記事では、宇宙に行った後の価値観が中心に語られていますが、「イギリス人初」の宇宙飛行士ではなく、「イギリス人女性として初」と説明されることへのいらだちを語っているにもぜひご注目ください。

2.宇宙での暮らし

▶︎3月19日 17:00〜18:00
「New Approaches to Space Architecture」
人類が宇宙空間に定住し始めると、もちろん住居が必要になりますよね。
例えば月面なら、重力は地球の6分の1になりますから、地球上よりも6倍高いジェットコースターが建てられるかも……なんて夢も広がります。

その一方で、月には健康に悪影響を及ぼす可能性がある放射線が降り注いでいたり、地球から全ての資材を輸送するととんでもないコストがかかるので、現地にある資材で賄わなければならないといった課題も考えられます。

本セッションには、世界で唯一の宇宙建築の修士過程があるヒューストン大学出身で宇宙建築賞の受賞歴もあるAnastasia Prosinaさんや、ジェフ・ベゾスが創設した宇宙旅行会社 Blue Originのエンジニア兼ストラテジストのErin McLeanさんらが登壇します。

予習記事

NASAが主催する3Dプリントによる火星住居設計コンペティションで優勝経験がある曽野正之さんのインタビュー記事。


▶︎3月19日 17:00〜18:00
「Can Regulation Boldly Go? Space Law X Star Trek」
労働法やビジネス法など法律には色々な分野があるように、「宇宙法」という分野があるのをご存じですか?

宇宙活動に関する事項を記した宇宙条約や、壊れたり運用終了後そのまま残ってしまった人工衛星「宇宙ごみ」についてとりまとめたガイドラインなどがあります。

本セッションでは、宇宙法のエキスパート3人が現行の宇宙法や政策と照らし合わせながら、Star Trekの世界を検証してみるというものです。一体どんな議論が生まれるのでしょうか?

参考記事

宇宙空間は人類共通の財産として扱われていますが、例えば今年10月以降に帰還予定の小惑星探査機はやぶさ2が持ち帰る小惑星のかけらは販売することはできるのでしょうか。世界の宇宙資源に関する法律の動向をまとめた記事です。


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