斉藤和義のベリーベリーストロング

私は斉藤和義が好きである。最初に彼のことを知ったのは、日本テレビ「家政婦のミタ」が放送されたときのエンディング曲「やさしくなりたい」を聞いたのが最初である。そこからはどんどんと斉藤和義贔屓が加速していった。中でも「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」(以下ベリーベリーストロング)は狂おしいほど好きである。それは何故か。

理由①小説家、伊坂幸太郎のファンである。

私は伊坂幸太郎が好きである。きっかけは私が好きだった女の子の好きな小説家だからである。それを知ったとき、なんとかお近づきをしたいと思い読み漁った。「アヒルと鴨のコインロッカー」から始まり、「チルドレン」、「死神の精度」とどんどん読み進める。好きな子に彼氏が出来たとしても、読むことを辞めなかった。おかげで今では、骨肉と私の思想にー多少なりともー影響を及ぼしている。

話を戻そう。「ベリーベリーストロング」の誕生には、この伊坂幸太郎氏が関わっている。どういう風に関わっているか、これを読んでいる読者がいるとしたら、https://gaga.ne.jp/EinekleineNachtmusik/ ←リンク先を張っておこう、note初心者の私の語彙力では、まだ敷居が高すぎる。プロに頼もう。と言うわけで、斉藤和義と伊坂幸太郎のファンであり、その二人が作った作品が嫌いなわけがない。毎日、一日一「ベリーベリーストロング」を決めている。目覚まし時計の設定にもベリーベリーストロングにしている。故にApple Musicで違うライブのベリーベリーストロングを聞いている。確認しているだけで、9ベリーベリーストロングの内、7ベリーベリーストロングが違うクオリティを醸し出している。

中でもおすすめにベリーベリーストロングを解説していこう。

①斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 「十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば弾き語る~」

弾き語りは、誰もが心を振るわせる。このライブは、観客が徐々にボルテージが上がるタイプなので好き嫌い分かれる。とくにベリーベリーストロングを全員で口ずさむのが良い。ラストにかけて観客の手拍子がまた味を出している。悲しいときや真夜中で歩くときにおすすめの一曲である。

②斉藤和義 / 弾き語りツアー2017“雨に歌えば”Live at 中野サンプラザ 2017.06.21

一番お気に入りのベリーベリーストロングである。特に早い段階で観客がともにベリーベリーストロングを口ずさむため、マッチングがよく、テンションが高い状態で弾き語りしているため、初心者にもお勧めである。中でもBメロのサビに向かうときに、一度だけ斉藤和義は観客達にベリーベリーストロングを歌わせる。その時だけ、私の意識は観客に向かう。これが観客とともに作り上げる音楽か…そんな気持ちになってしまう。また終盤にかけての伴奏が通常時よりも長い。斉藤和義自身も内に秘めた熱が表に出ているなと感じる。

③ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio

このベリーベリーストロングはパーカッションや鍵盤、ペダル・スティール、ストリングスも入れ、アコースティックレコーディングセッションという形で行われたものである。だからライブではない。観客がいないが最高である。それはサビや次のメロに向かうつなぎとしてペダル・スティールとストリングスが強調しているからだ。それは従来のベリーベリーストロングにはない”味”を演出する。新たな希望に向かうそんな曲調を感じる。

まとめ

たった一つの曲ではあるが、受け手によってその解釈は変わっていく。それは深読みと言えば、その通りである。斉藤和義自身もその解釈に共感できるか正直なところ分からない。ただ、私も映画制作をしたことがある故に、考えてしまう。理解を超えた先にある価値に到達したとき、表現者としてそれは幸福なことではないか。

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