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【#02】吃音

はじめに

『コバーニャのINNOCENTICA(イノセンティカ)』!
ここでは、毎回テーマをひとつ決めて、それについて僕(コバーニャ)が何を思い、何を感じているのかをつらつらと書き殴っていきたいと思います。

第二回のテーマは『吃音(きつおん)』です。
一回目の投稿で少し触れましたが、僕の人生は吃音と共に歩んできた人生でした。ここで満を辞して振り返ってみましょう(すごく嫌ですが)。吃音の症状や、自分なりの対処法、吃音との前向きな関わり方などもまとめたので、吃音なんて今まで知らなかったという人たちや、吃音と日夜戦っているK-ARMY(ケェイーミー:吃音と闘う同志たち)のみんなのお役に立てれば幸いです。

※K-ARMYは僕が考えたアレですので無視してください

吃音とは

まずは吃音とはなんなのでしょうか。

吃音は、言葉を発する際に音が途切れたり、繰り返されたりする発語障害の一種です。
大きく分けて、「連発」「伸発」「難発」の3つの症状があります。これにより、流暢な言葉の表現が難しくなります。吃音は通常、幼少期に始まり、成長とともに改善することもありますが、一部の人は長期間続くことがあります。原因ははっきりしていない場合が多く、心理的な要因や神経学的な側面が関与する可能性があります。人によっては「カ行が苦手」「キ段が苦手」など、特定の苦手な音や言葉がある場合があります。吃音を意識しすぎて、話す場面で顔をしかめる・足を叩く・舌を出すなど、必要以上に体の一部に力が入ったり動かしたりする随伴運動が現れる人もいます。

◎連発の例

「み、み、み、みじけぇ夢だったな」
症状:言葉の一部を繰り返してしまう
通称:D.C.D.(ダ・カーポ・ディメンション)(繰り返される次元体)

◎伸発の例

「みーじーけぇー夢だったな」
症状:言葉の一部が伸びてしまう
通称:インフィニティ・マム(無限の母性)

◎難発の例

「(………………)っっっみじけぇ夢だったな」
症状:最初の言葉が出ない
通称:ザ・ボイド(空っぽの宇宙)

※通称は僕が考えたアレですので無視してください

子ども100人のうち、約5~8人が発症する(約8%の発症率)と言われています。こうやってみると結構多いですね。ですが、成長するにつれ自然と治ることがほとんどです。18歳以上の場合、およそ100人に1人は吃音の症状があると言われています。それでも結構多いですね。

僕の症状

僕が持っている吃音の症状は、D.C.D.(連発)とザ・ボイド(難発)です。なんと二つの能力を持っています。すごいでしょう!
カ行がとくに苦手で、D.C.D.がよく発動します。
自分の苗字がカ行なのですが、いつも自己紹介で苦労しています。特に電話では必ず名字を名乗らなければいけないので、本当に、本当に苦手です。メールやLINEが一般的な連絡ツールになってマジで助かっています。
寝不足だったり、緊張した状況・目上の人と話す時によく発動します(あと美人な女の人と話す時など🤗)。

ザ・ボイドが発動すると、言葉を出そうとしても出ません。なんとか絞り出そうとするのですが、唇が震えるだけでなかなか言葉が出てこないのです。はたから見ると唇だけプルプルしてるので、かなり『?』な印象です。よく「どうしたの?」と不安になられます苦笑。
吃音が出る出ないの頻度は波があって、ひどい時は結構ひどいのですが、仕事のプレゼンなどの大事な場面ではあまり出なかったりするので、ほんと謎で制御不能の能力です。

苦い思い出

本当に思い出しなくもない過去なんですが、小学生時代に好きだった女の子が、連絡網で僕の次だったんですよ。上で軽く説明してますが、自分の苗字がカ行で苦手だったので、毎回、連絡網で電話をする時は、吃音の恐怖と好きな女の子と喋る緊張と好きな女の子のご両親に挨拶しなければいけない焦りで(当時はスマホもLINEもないですから電話と言えば家電です)、もうなんか無限地獄でした。

一回やらかしてしまった時があって、連絡網で電話する時、緊張しすぎて「もしもし」の「も」がザ・ボイドで出なかったんですよね。その時は相手のご両親が電話に出たのですが、出た瞬間、僕は一言も話せなくなってしまって、どうしていいかわからずそのまま電話を切ってしまったことがあります苦笑。無言電話ってやつですね。当時の電話機は相手の電話番号が表示される機能もついてなかったので、本当にただのイタズラ電話になってしまいました。

最近では、寝不足の状態&それまでのスケジュールが遅れに遅れて迷惑をかけている&目上の人との仕事の打ち合わせの際にD.C.D.がこれでもかと発動してしまい、相手の方にものすごく心配され、何か脳の病気だと勘違いされて「早く帰って休んだ方がいい」と言われました。おかげで厳しかったスケジュールが少し伸びたのが救いです。

自分なりの対処法

自分の場合、長年吃音と共に生活してきたので、自分の苦手な言葉はカ行だということがわかっています。
なので、そこを工夫することである程度対処は可能です。下記に簡単にまとめますのでみなさんも活用してみてください。

◎言っちゃう

吃音は恥ずかしい、と感じて吃音持ちだということを隠している人も多いと思いますが(僕も聞かれるまで言ってませんし)、学校や会社などの閉じられた環境では周りに知ってもらった方が断然ラクです。
全員とまではいきませんが、学校の先生や上司、仲の良い友達や同僚には言っちゃった方がラクだと思います。
ちなみに、もし吃音を馬鹿にするような低脳ビチクソ野郎がいたら以下の文を言うかLINEで送りましょう。この言葉に合わせて軽快なリズムでTikTokでダンスして投稿してもいいかもしれません。
そして僕に報告してください。一緒に馬鹿にしてやりましょう。

あちゃ〜ポリティカルコレクトネス全盛時代にそれ言っちゃいますか。
想像力のカケラもないミジンコの脳味噌してますね笑
それ言われた相手の気持ちもわからないって相当やばいですよ笑。
一体どういう教育受けて育ってきたんですかね〜。
親の顔が見てみたいです〜。
あ、でも見れませんねー、ご両親もミジンコですもんね〜笑

◎置き換える

苦手な言葉を、同じような意味を持つ「自分が言いやすい」言葉に置き換えます。

「期限」→「締め切り」
「改善」→「修正」
「会議」→「ミーティング」

◎ぼかし

苦手な言葉の最初の音をぼかしてごまかしてみます。
ちょっと発音が怪しい人になりますが、自分には結構効果的でした。

「期限」→「ぃげん」
「改善」→「ぁいぜん」
「会議」→「ぁいぎ」

◎ZEN

苦手な言葉の前に、深呼吸やため息、「えー」といった間を作ってみます。
桃井かおりさんを意識してみるといいかもしれません。

◎アイムノットジャパニーズ

日本語ではなく外国語で話してみます。
なぜか自分は英語を話す時は吃音はあまりでないんですよね。
問題は僕が英語をまったく喋れないことです。

◎三文芝居

別人を演じて話してみます。
自分は役者で、今は映画の人物を演じている!という気持ちで喋ってみると、意外とスラスラ言葉が出てきたりします。
これは吃音に限らず人見知りが初対面の人と話すコミュニケーションの場などでも活用できるので、結構おすすめです。
役者になりきれないなら、『脳を「羂索」に乗っ取られたので私は羂索』と思って話してみてください。

という感じです。
ちょっとふざけて書いちゃった部分もありますが、これにも理由があります。

そもそも、僕が思う吃音の原因の最大の理由は「ストレス」だからです。
吃音への恐怖や焦りが余計に吃音の症状を酷くします。
そこで、僕が考える最大の対処法を書きます。

吃音を受け入れる

吃音は医学的に認定された立派な障害です。
吃音があることで生活が困難になる場面も多いです。場合によっては職業の選択肢も減ってしまうかもしれません。
とくに子供時代は、このことが原因で友達にからかわれたり、いじめられたりすることもあります。
最悪なことに、吃音は「うまく話さなければ」というプレッシャーで症状がひどくなるケースが多いです。
「なぜ自分だけこんな目に」「頑張って克服しなきゃ」「人と話したくない」そう思って悩んでいる吃音症の方も多いのではないでしょうか。

しかし、残念ながら吃音には確立した治療法はまだありません。

ですが、症状を軽減することはできます。
その方法は、吃音に対する対処法やストレス・不安を軽減する方法を学んで、自己肯定感を高めることです。

オレ、最強!オレ、五条悟!

要は、難しく考えないことです。
自分を追い込まず、吃音のある生活を受け入れ、楽しく生きるべきです。
がんばらなくていいんです。『スキル:吃音持ち』を受け入れましょう。

僕は吃音があることで人前で話すことが一時期かなり苦手になってしまいましたが、代わりに文章を書くことが好きになりました。文章をまとめる方法が上手くなってくると、どうすれば相手に情報が伝わりやすいか考えられるようになりました。
そのおかげか、人前でプレゼンするのも褒められるようになりました。吃音様様です。

それに、吃音があることで世の中には自分では想像もできないような障害を持っている人がいっぱいいるんだと考えられるようになりました。
そういった人たちの思いや苦労は、自らが障害も持っている人でなければ共感できません。吃音様様です。

極めつけは、障害があることでそれを乗り越えるための「前向きさ」と「黄金の精神」を手に入れたことです。

『もっともむずかしい事は!いいかい!もっともむずかしい事は!自分を乗り越える事さ!』

ジョジョの奇妙な冒険 第4部より

僕は基本ネクラで部屋の隅で夜でも電気を付けずに膝を抱えているような人間なんですが、なぜか変なところで「楽観的」かつ「前向き」です。

上にまとめた対処法をニヤニヤしながら考えたり、自分なりに工夫して障害を「苦しさ」ではなく「改善する楽しさ」に変える工夫もできるようになりました。
これも吃音という障害と長年付き合って獲得した思考なのかもしれません。最近これを「ダーマ思考法」と名付けて30万円で教材として売ろうと、、、ゴホン。

え〜、あと、吃音症の僕の言葉を最後まで丁寧にしっかり聞いてくれる友人に恵まれたことに感謝できるようになりました。吃音様様です。

もちろん吃音なんてない方が良いに決まっていますが、
なってしまったものはしょうがありませんからね!

あ、吃音の対処法に『「ジョジョの奇妙な冒険」を読む』を付け足させてください。

ちなみに、有名人の方でも吃音症を持っている方はいっぱいいます。
みなさん、トレーニングや自分なりの工夫をして上手に付き合っているそうです。

その中でも小倉智昭さんは有名です。
フリーアナウンサーでタレントの小倉さんは話すことが仕事ですが、今でも吃音は治っていないそうです。
それでもテレビでは吃音を意識させない喋りですごいですね。

吃音症の人への関わり方

友達やお子さんに吃音の症状がみられたら、下記のことをしないであげてください。

・指摘してからかう
・「ゆっくりでいいよ」などのアドバイスをする
・急かす

何度も書きますが、吃音は精神状態にものすごく影響されます。
吃音を指摘したりせず、ゆったりと余裕をもって聞く心がけをしてみてください。
吃音持ちであるからと異質な目でみず、普通の人と接してあげてください。

もし自分のお子さんに吃音の症状が見られたら、心配ですよね。
僕も子供がいるのでわかります!
でも、そもそも吃音は珍しいものではありません。
学校に相談するなどして、お子さんが過ごしやすいよう環境を整えてあげてください。幼少期の吃音は自然と治ることが多いです。必要以上に気を使って、吃音を意識させすぎることは逆効果です。

吃音様様

今でも僕は吃音に悩まされる人生です。とくに最近は、コロナ禍で人と直接会って話す機会が減ってしまったせいか、症状が悪化しました。

『僕は「楽観的」かつ「前向き」です!』
『オレ、最強!オレ、五条悟!』

なんて書きましたが、ああ〜、今日は酷かったなぁなんて落ち込むこともしょっちゅうです。
これを書いている前日もやらかしました😅。

ですが、吃音症の人はこの世の中に腐るほどいます(100人に1人の割合らしいので)。
そんな人たちと、吃音という共通の障害を通して苦しさや辛さを理解し会える繋がりを作れることは物凄いことだと思います。
K-ARMYだなんて変な名前をつけてしまいましたが、この文章で少しでも多くの人の心が軽くなればと思います。
もちろん、吃音以外の障害をお持ちの方も!共に歩んでいきましょう。

もし辛いことがあったらお気軽に連絡ください。

合言葉は、領域展開『吃音様様!』

※なんだかんだ「呪術回戦」面白いですね

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