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「政府はマイナ保険証の導入をなぜ急ぐのか?」のどこが間違いか②

4.マイナ保険証の紐づけミスが生じた原因 


 安達さんや猪瀬さんは「全体の全体の0.0075%に過ぎない」として量、割合の問題にしていますが、気になるのはこれが「注意していたけれどもやむを得ず起きてしまったヒューマンエラーなのかどうか」という点です。

 実はこの紐づけエラーの問題に関して、報道ではとんでもないことが言われていました。紐づけエラーを起こした健康保険組合Bに取材した結果、基本三情報のみでマイナンバー照会をしていたにもかかわらず、国の指示通り作業している、文句があれば国に行ってくれという応答があったとか。

 事前に国の方ではカナ氏名、漢字氏名、生年月日、性別、年齢、住所で情報照会するよう通達を出していました。

 その通達を見ていない健康保険組合があったわけです。こういう組織があり、極限までヒューマンエラーをゼロに近づけた組織があり、その合計がやり玉に挙がっているというおかしな状況がないでしょうか。

 こんな健康保険組合は即刻解散でいいと思います。問題は極限までエラーを失くした組織とそうではない組織との意識の違いです。こういうものをビジネス用語では「むら」と言いませんか。

 この「むら」は保険者が多く、その組織や風土があることから起こります。仕方ないヒューマンエラーはそもそもなくならないとして、自分たちが通達を無視して勝手に作業して起こすようなおおよそくだらないマニュアルの変更は「制度」として排除できます。つまり「保険者統一」によって限りなくゼロに近づけることができます。

 そもそも自分たちがミスを犯しながら、責任転嫁するような健康保険組合に存続する資格がありますか。制度全体への信頼を損ねるテロリストですよね。まだこの健康保険組合は特定できていませんが、ここは解散すべきだと書いておきましょう。担当者は懲戒解雇でいいでしょう。(おそらく239組合は照会ルールを守っていなかったので解散が必須です。)

5 ハクビシンは電線を伝ってやってきた


 嘘のような本当の話があります。たまに東京にハクビシンが現れますが、それは電線を伝ってきたものが相当数あるそうです。安達さんは「電気を引いたら火事になる」や「タヌキが電線を伝って家屋に入り込む」などの風評を信じて電線の施設を拒否する人と同じように、マイナンバーカードを危惧する人を馬鹿にし尽くしていますが、そんなイメージ操作が何になるのでしょうか。

 ごく一般論として真っ当な組織はロジカルな思考に耐えられない人は上へはいけないようで、実は「うまくやる」人が上に行きます。安達さんは相当におもねることに長けているようですが、言っていることは正しくありません。

 無理があります。

 

6 しかし二十年後の未来から眺めれば

 私は何が何でもマイナ保険証反対派ではありません。

 大きな枠組みとして、例えば株式ペーパレス化のような形で、医療保険制度は見直されるんだろうなと思っています。べき、でも、しかないでもなく、自然な流れとして。

 今から思うと株券とか場立ちなんてかなり無駄ですよね。インターネットでびゅーんと取引できないわけですから。今後もインターネットでビューンとやる仕組みが医療だけではなく様々な分野に拡大していくことは間違いないので、制度としてのオンライン資格確認というものは将来に向けてしっかりしたものを構築していくべきなのでしょう。

 しかしそのスマートな流れに「むだ、むり、むら」が引っかかっていることが気になります。保険者がこれだけ多い中でデジタル化をすすめること自体が「むだ、むり、むら」なのです。

 マイナンバーをエクセルで管理することの是非もやり玉に挙がっています。組織が小分けに小さくなればなるほど管理方法のむらも増えていくでしょう。組織を一つにすれば管理方法も一つで済みます。

 そもそも保険者が一つなら国民皆保険なので無資格はなくなり、保険者間の資格異動手続きというもの自体が不要になります。マイナンバーカードを持っていれば、資格そのものは確認の必要がなくなるわけです。医療費の自己負担割合も三割に統一して、確定申告で調整するようにすれば病院の事務はかなり軽減されます。

 しかも確定申告もマイナポータルにログインするとその人の前年の医療費自己負担額は集計されているので、自動計算されている控除金額を承認さえすれば公金受取口座に還付金が振り込まれるような仕組みが構築可能です。

 まだそんな仕組みはありませんよ。

 税務署はあほですから。

 どのくらいあほかといいますと、例えば税務署が作ったエクセルシートに株式の配当金額の入力をします。そして所得税と住民税の額を入力します。するとどちらを間違ってもエラーメッセージを返す関数が入っているわけです。別の数字は入りません。正解の数字しか入力できないのです。驚きますよね、これ。

 素直に考えると配当金額を入力すると所得税と住民税は自動計算でしょう。他の数字が入らないんだから。このエクセルを作った人にはこんこんと一時間ばかり説教したい気持ちです。

 しかし現にこんなものが「お国のシステム」としてまかり通っているわけです。誰も注意しないわけです。おそらくこんなものがいろんな組織に無数にあるんでしょうね。いかに手入力の無駄を軽減するかという発想がないわけです。デジタル庁はこのエクセルをどう思うのか聞いてみたいですよ。

 という話はさておき。

 まずオンライン資格確認システムに対応できないような職員のいる健康保険組合は解散すべきで、紙の保険証の廃止に合わせて保険者の統一があるべきでしょう。どこかに既得権などを認めてはいけないと思います。

 話はそこからですよ。


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