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流れ流れて東京九州フェリー 2021・夏<1>

乗船、出港まで。

名古屋で大相撲の千秋楽を観て、そのあと広島、呉、松山、小倉と流れていった、夏のワーケーション旅。

帰りは飛行機でも新幹線でもなく、7月に就航したばかりの東京九州フェリーを選ぶ。新門司港から横須賀港までを約21時間で結ぶ船で、のんびりと現実へと戻ることにした。

出発当日、5泊した小倉のホテルをお昼前にチェックアウト。ほとんどの荷物は送ってしまっていたけれど、パソコンなど船に持ち込む荷物も預かってもらい、バスに乗って北九州市立美術館へ。『ザ・フィンランドデザイン』展を観て、カフェでぼ~っとしたりしながら過ごす。

夕方すぎに小倉駅周辺に戻る。新門司港のフェリーターミナルまでは、小倉駅と門司駅の両方から連絡バスが出ているので、門司駅周辺で時間をつぶして、バスで行こうと考え、電車で小倉から門司へ向かう。
しかし、門司駅周辺が思ったよりも地味というかさみしげな雰囲気…。ケンタッキーフライドチキンやミスタードーナツなどの店はあるものの、ここに数時間長居する雰囲気ではない。門司港のほうに行ってまた戻るのもなぁ…タクシーでも結構時間かかるしと、ぐるぐると考える。
で、結局小倉駅まで戻ってしまった。春に長く居たのもあるけれど、やっぱり知らない土地にいるよりも落ち着く。

駅近くのベーカリーカフェで、軽く飲んで食べながら時間をつぶし、そのあとドラックストアで酔い止めや飲み物などの買い物をする。バスは22時10分小倉駅発なので、それでもまだ時間はあり、結局、別のカフェに入って、仕事のメールを書いたり、請求書の作成などをしていた。書いた請求書をプリントアウトしにコンビニ行ったら結構時間がかかってしまい、投函するところまで至らず。あんなに余裕を持っていたはずなのに、なぜか最後は焦って小走りになってバス乗り場へ行った。

バスに乗り込むとパラパラと4、5人いるだけだった。
夏休みは始まっていたけれど、東京はもう感染拡大がいわれていたので、わざわざ東京方面へというひとが少なかったのかもしれない。

バスは小倉駅を出たあと門司駅へ。夕方過ぎにいた場所にまた戻る。
門司駅でも数人乗車。

遅い時間というのもあるが、港までの道は結構真っ暗で、これはタクシーでひとりで行くというのも怖かったかもと思う。

そういえばと思いだして、バスの中で酔い止めの薬を飲む。

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船の旅は好きだけれど、船酔いが怖い。
幸いなことに、今まですごい船が揺れて吐くほどの船酔いをしたことはない。(ヨットでエンジンを切ったあと、揺られているうちに気持ち悪くなったというのはある)
だからこそ怖い。牡蛎にあたったひとが、二度と食べられなくなってしまうように、「二度と船に乗りたくない」と思うような船酔いにはなりたくない。数日前に台風が来ていたけれど、船の進む太平洋は進路でなかったので、そんなに海が荒れそうな感じではなかったけれど、念のために、酔い止めは飲んでおいた。

23時過ぎに新門司港のフェリーターミナルに着く。
時前にQRコードを取得しておくと、乗船手続きなども必要ないということだったので、とくにすることもなく、上の待合いフロアに行き、椅子に座って乗船開始時間まで待つ。このフェリーターミナルもできたばかりでとてもきれいだが、さすがに遅い時間なのでお店などはやっていないみたいだった。

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乗船開始は23時10分。出港は23:55分。かぎりなく深夜。
ターミナルには車やバイクで乗船するひとも集まっていたけれど、それでも20人くらいな感じだった。トラックなどのひとはまた別なのかもしれないけれど。

乗船時間を知らせるアナウンスが流れ、係員のひとが乗船口に上がるエスカレーターの前にいて、QRコードを確認する。
エスカレーターで上がると、通路からそのまま船に乗船でき、階段などもなくとてもスムーズ。
この旅で松山から小倉行きのフェリーにも乗ったけれど、その船は階段を上ったり下りたりがあって結構大変だった。
さすが新しいターミナルだけあるなぁと思う。

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船の名前は「はまゆう」。
横須賀市の花らしい。

船内に入ると係員のひとがいてQRコードをもう一度チェック。このQRコードが部屋の鍵にもなっている。
今回、選んだのは「ツーリストS」という下から2番目のランクのカテゴリーで、一応個室(完全な個室というわけではなく、ドアの下に空間がある)。新門司港ー横須賀港まで18,000円と、時間の余裕があるひとには、なかなかおすすめだと思う。

さて、部屋に入ろうとドアのところにQRコードをかざすも、なぜか反応してくれない。案内所に戻りついてきてくれた女性スタッフと再度試すもやはりだめで、結局、紙にプリントしたQRコードをもらう。こちらはすんなり開いた。
紙をなくすと部屋に入れなくなってしまうので気をつけなきゃと思い、手帳に挟む。トイレやお風呂などに行くときも忘れないようにしないと。

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部屋にはベッドとデスク、椅子があり、壁にはテレビがついている。思ったより広々しているし、やはり新しい船なのでとってもキレイ。
椅子は揺れても転がらないように、チェーンで固定されていた。
そして、普通のコンセントだけでなく、USBからの充電もできたりと、このあたりも今っぽいなぁと思う。

とりあえずラクな服に着替えてから、船内探索。わたしの部屋のあるフロアには、案内所とショップ、大きなテレビのあるホールがあり、吹き抜けになっている。窓のそばにはテーブルと椅子があり、またお酒をはじめとする飲み物や、カップラーメンの自販機もあった。

23時55分。定刻通りに出港。
港の光はぽつぽつとあるものの、深夜で外は暗いし、デッキ部分は出入り禁止だった。
船内もいろいろ見るのは明日にしようと、ショップで「しろくま」を買い食べる。他にも九州や横須賀っぽいお菓子などがあった。

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ショップはSuicaなどの交通系カードや、クレジットカードも使えたが、通信状態が悪いと使えない場合もあるらしい。

お風呂もめんどうくさくなり、とりあえず洗面室に行って、顔を洗い、歯を磨き部屋に戻り、ボディシートで汗だけ拭いて済ます。

気がつけば1時近い。
とくに疲れているというわけでもないけれど、ベッドに入ったらこてんと寝てしまった。

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