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「バイトもしているので課題が終わりませんでした」という学生について思うこと

「バイトもしているので、課題のシナリオが終わりませんでした」という学生からの言い訳を聞きました。
同じ日、「途中まで書いたのに、パソコンのデータが全部消えました」という学生もいました。「冒頭しか書けませんでした」「半分しか書けませんでした」という学生もいました。
結局、誰ひとり規定枚数に達する長さで初稿を提出することができませんでした。今年度は、みんな真面目に出席している学生たちだったので、ちょっとガクッとしました。

モヤモヤとしましたが、いったん冷静に考えてみました。
今の学生は昔の学生より忙しいです。
経済的に苦しい中で通学している学生もいます。誰にも言えない家庭の苦しい事情を抱えているのかもしれません。
一人暮らしの学生が、昔より減った印象です。学校まで遠くても、実家から2時間以上の時間をかけて通っている学生たちもいます。
バイトを複数掛け持ちしている学生もいます。
昔より講義の出欠も厳しく、課題も多いのかもしれません。
実際、自分が学生だった頃より学生たちは真面目で、優秀で、ちゃんと学校に来ます。
「バイトもしているので、課題が終わりませんでした」という学生も、普段から真面目に頑張っている印象で、コミュニケーション能力も高く、本当にバイトが忙しくてどうしようもなかったのかもしれません。

しかし……思い出すのです。昨年度は、バイトを2つ掛け持ちしながら、ちゃんと締切に間に合わせた学生がいたことを。
私がシナリオを講評すると、その学生は、知識が圧倒的に足りないと悟ったらしく、翌週までに私が薦めるシナリオ理論書を1冊読んできて、全面的に一から改稿した第2稿を提出しました。最終的に第4稿くらいまで直して提出しました。
その学生は、バイトを2つ掛け持ちしているだけでなく、片道2時間くらいかけて通学していて、通学中にスマホで1本映画を観ている、と話していました。

それに、昨年度から教えている女子大では、締切に遅れてそういう言い訳をする学生が1人もいなくて、ちょっと感動したのです。
欠席や提出遅れの際に連絡してくる学生は、就活やインターンでやむなく……という学生たちばかりでした。
要するに、どんな事情を抱えていても、やる学生はやるし、やらない学生はやらないのでしょう。

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