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兵庫とパリ

 国際都市・神戸に暮らしていると外国を感じることが多くあります。以前「うっとこ兵庫」でも「神戸で出合うドイツ語の店」や「なぜか神戸に多い、イタリア語の催し3選」で紹介しました。
 こんにちはド・ローカルです。お正月から新聞をめくっていると、「パリ」という言葉がチラホラ目に付くようになりました。2024年のパリ五輪まで2年を切ったこともあり、スポーツ選手がインタビューで「パリ」と口にすることが多くなったからだと思います。
 「兵庫とパリ」を調べて見ると以外と多くの記事が見つかりました。その中からちょっとユニークなまちづくりやイベントなどを紹介します。

尼崎・立花のパリ化計画

立花駅を中心にクモの巣のように広がる道路

 駅を中心に、クモの巣のように広がる道路。「まるでパリみたいやん」。誰かが言い始めた。
 計画はそこからスタート。名付けて「たちばなパリ化計画」。「まずはエッフェル塔を建てるんや」「そしたら凱旋(がいせん)門もいるで」。駅前では、パリジェンヌならぬ〝タチバナジェンヌ〟たちが今日も、まちの将来について侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしている。
 「JR立花駅は、住民たちの手作りの町なんです」。尼崎市立地域研究史料館館長が歴史を解説してくれた。
 駅は旧立花村が鉄道省に要望して、1934(昭和9)年に開業。事前にライバルの武庫・大庄両村と激しい競争が繰り広げられたといい、村民らは周到な区画整理計画を提示しようと奔走した。
 「日本の都市計画は明治以降、ヨーロッパをモデルとしてきた。立花の放射状道路もそういった西洋の都市をイメージしたのでしょう」と館長は推測する。
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 それから約80年。この都市のかたちに目を付けたのが、駅前に八つある商店街の商店主たちだった。
 「パリとそっくりやん」。店主らでつくる「立花商業地区まちづくりグループ」が昨年、この衝撃的な〝事実〟に気付いた。
 店主らの動きは速い。駅北側の「立花商店街」は「モンテーニュ通り」、北東に延びる「立花東通商店街」は「シャンゼリゼ通り」…。通り名は早速、衣替えされ、「パリ化計画」は着々と進んでいく。最終計画は、駅前にエッフェル塔を建ち上げることだ。
 「立花×パリ祭」も開催。通りを散策する「ツール・ド・タチバナ」のコースを、同グループの峯松完治会長=当時=に案内してもらった。
 なぜかラーメンと親子丼がセットで売られている中華料理店、おもちゃしか販売していなさそうな文房具店。あまりにも、謎めいた店が多すぎる。
 漫才師顔負けのトークを繰り出すコーヒー店主、土井祥司さんが叫んだ。「お店だけじゃなくて、お客さんもおもしろい人ばっかり。商店街はジャングルみたいなところや!」
 パリにあるジャングル。ここはタチバナ。まちは魅力と可能性、そして人情に満ち満ちている。

(2016年4月16日神戸新聞朝刊)
立花商店街は「モンテニュー通り」と呼ばれる

淡路にエッフェル塔!?

ライトアップされたミニチュアのエッフェル塔=洲本市
昼間はこんな姿です

 夕暮れ時、突如道路脇に現れたミニチュアのエッフェル塔。きれいにライトアップされ、思わず写真に収めた。なぜこんなところに?
 洲本市内の洋菓子店「日洋堂」。鋼材を使った高さ3メートルほどの溶接アートは、オーナーでパティシエの西久夫さんの手作りという。
 30年ほど前に修業で初めてフランスを訪れ、堂々とそびえる姿に感動した西さん。「いつか自分の店にも」と思い、溶接技術を駆使して約20年前に完成させた。何度もパリを訪れて参考にした照明の輝きは本物そっくり。看板なども手作りで、店の裏には工房まで備える。
 「ものづくりが大好きで。もちろんお菓子の新作も手掛けますよ」と笑う

(2019年1月9日神戸新聞朝刊)
ライトアップされた本物のエッフェル塔

  ライトアップされた写真だけを見ると、洲本のミニチュアも迫力ありますが、実物と比較すると一目瞭然ですね(笑)
 ところで、パリと言えば―。フランス革命、シャンソン、シャンゼリゼ、凱旋門…などが思い浮かびますね。ここ兵庫ではフランス革命記念日の7月14日に「パリ祭」を銘打ったシャンソンの祭典が、神戸、宝塚、三木、姫路の各市で続いています。

県内各市ではパリ祭

三木市で開催されているパリ祭の様子

 一般公募の市民とプロが競演するシャンソンの祭典「HIMEJIパリ祭」が、姫路市総社本町の市民会館で開かれる。元宝塚歌劇団の男役スター、千城恵(ちしろけい)さんが毎年続ける恒例のステージで、今年はコンサートとミュージカルの二本立て。フランス柔道五輪代表が姫路に滞在中ということもあり、千城さんは「フランスの文化に親しんでもらい、交流の機運が一層高まれば」と話す。
 パリ祭は7月14日のフランス革命記念日に合わせ、シャンソン歌手の故石井好子(よしこ)さんが東京で始めた。姫路では同歌劇団を退団後、故郷に音楽スタジオを開校した千城さんが「華やかな文化を広めたい」と1999年から続ける。
 今年は3歳~90代の市民36人と、プロの歌手やダンサー13人が出演。正午からの昼の部ではシャンソンのコンサート、午後5時からの夜の部ではミュージカルを上演する。
 ミュージカル「アムール・ド・パリ」は、パリの女性劇場主と、元恋人の画家とのラブストーリー。さまざまな人間模様を「モン・パリ」などの名曲が彩る。また、男性シャンソン歌手・佐々木秀実さんが「愛の賛歌」や「パリの空の下」などの名曲を歌い上げる。

(2021年7月15日神戸新聞朝刊)

 シャンソンの愛好家やプロ歌手らが出演する「第9回三木パリ祭」(神戸新聞社後援)が、三木市福井の市文化会館で開かれた。猫を主人公としたオリジナルの物語に沿って多彩な楽曲が披露され、約200人が楽しんだ。
 同市の愛好家らでつくる実行委員会が毎年、フランス革命記念日の7月14日前後に開催している。今年は、パリの下町に住む猫たちが人間に変身し、コンサートに参加する物語で展開した。
 華やかな衣装に身を包んだプロ、アマの歌手らが、フランスの宮殿など情景の変わるスクリーンを背に伸びやかな歌声を響かせた。「ドレミの歌」では観客が一緒に体を動かす場面も。最後は出演者約20人が勢ぞろいして「パリ祭」を歌い、大きな拍手に包まれた。
 

(2018年7月8日神戸新聞朝刊)

<ド・ローカル>
 1993年入社。兵庫とパリ。あまり意識したことはなかったですが、探してみれば、たくさんのつながりやイベントなどがあったことに驚きました。今年はパリ祭に足を運んで、パリ気分を味わってみましょうか?

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