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4.選社軸の決め方

WHY:なぜ選社軸が必要なの?

そもそも「就活の軸=選社軸」とは、「働くうえで"絶対に譲れない"条件」のことであり、これはそのまま「企業選びの指針」にもなるものです。就活の軸が決まれば、おのずと自分が働きたい企業も見えてきます。また、就活の軸が明確になっていれば、ESや面接でもしっかりと根拠を持って志望動機などを答えることができます。
日本の全企業(約420万社)の膨大な選択肢のなかから「直感」だけで企業を選ぶことは効率でないうえ、納得のいく結果も出にくくなります。しかし、就活の軸があれば、自分が志望すべき企業を絞りこみ、見極めることができ、無駄なエントリーもなくなります。結果的に、効率的に就活を進められ、納得できる内定獲得につながります。

WHAT:何の情報が必要なの?

軸づくりをするために必要となる情報は主に下記の2つです。

① 自己理解:過去の経験、未来のビジョン
② 企業理解:受験企業のGOOD / MORE情報

① 自己理解:
・過去経験(モチベーショングラフ・自分史)から、どんな環境や要因があると、自分はどういう状態になりやすいのかを分析します。
・未来のビジョン(目指す姿・やりたいコト)から、それを達成するために必要な環境や条件を決めます。

② 企業理解:
・受験企業に対して感じているGOOD(魅力に感じている要素)とMORE(不安に感じている要素)を書き出すことで、どんな環境や条件がそろった企業を求めているのかを逆算していきます。

HOW:どうやって軸を創るの?

基本的には上記の①自己理解と②企業理解を行ったり来たりすることで、
軸の解像度を鮮明にしていきます。
ただし闇雲に情報のインプットとアウトプットを繰り返しても非効率的になってしまうので、ここでは軸づくりをするうえで非常に有用な思考方法をお伝えしていきます。

★4P(組織の4つの魅力因子)
業界・企業分析のパートでもピックアップさせていただきましたが、組織の持つ魅力因子は心理学的に下記の4つの要素に分けることができます。

・Philosophy(理念/目標):
 どんなビジョンや目標を持っている会社なのか?
・People(人/風土):
 どんな社員と働けるのか? どんな組織風土なのか?
・Profession(仕事/事業):
 どんな業務があるのか? どんな事業なのか?
・Privilege(制度/待遇):
 どんな制度があるのか? どんな待遇があるのか?

自己理解や企業理解を進めながら軸を考える際には、この分類を参考に情報整理をしてみると非常に効率的です。

★Must / Want を切り分けて絞る
軸を創る際に意識していただきたいのは、企業に求める条件(軸)を手当たり次第に増やすことではなく、「働くうえで"絶対に譲れない"条件」に絞ってその解像度を増すことです。いわゆる軸にも優先順位をつけて、MUSTとWANTの軸に分け、MUSTの軸に絞って企業を比較することです。
自分に合った企業を探そうとすると多くの条件を羅列したくなってしまうのですが、そもそも「絶対に外せない条件(MUSTの軸)」が満たされていない企業は結局入社に至らないことが多いです。
軸を複数個用意したあとは、自分にとっての優先順位をつけ、MUSTとWANTの軸に分けてMUSTの軸に絞って企業比較をしていきましょう。一般的にMUSTの軸は3つ程度になることが多いです。

★意思決定マトリクス表
企業比較をする際に有用なのが意思決定マトリクス表です。縦軸に「自分の選社軸」、横軸に「企業」を記載し、それぞれの軸に対する企業の印象を記載し、各軸に対して10点満点で定量評価していきます。各軸の点数の総和がその企業の志望点数になり、志望点数の大小によって、志望企業順位を合理的に決めていくことができます。

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意思決定マトリクス表を用いることで、自分にとって重要な企業情報を整理しながら、企業比較を行うことが可能になるので、この表を完成させること(軸を決定させ企業情報を収集し比較すること)が「志望企業を選ぶ方法」と言い換えても相違ありません。
作成してみると意外と各軸に対する企業理解が足りておらず、点数を付けられないことも多く、自分の企業理解を試すためにも一度作成することをオススメします。

☝ここがポイント

よく「軸を決められず困っています」という悩みをもった学生さんと出会いますが、選社軸には、どこまでいっても社会的な正解はありません。一定の思考フレームはあるものの、その抽象度や言葉選びは一人一人に委ねられます。そのため「正しさ」を追い求めても、悩み続けた結果、沼にハマってしまい抜け出せなくなってしまいます。重要なことは「軸の仮決め」を行い、なるべく早く企業理解(実際にその軸で企業比較してみる)と自己理解(過去〜未来の自分との接続を確認してみる)を行い、再度軸を見直すという、「PDCAサイクル」を早く回すことが重要です。
軸決めのフェーズで悩み続けるのではなく、軸をまず仮決めし、その「確からしさ」や「自分とのフィット感」を企業理解や自己理解を進めていくことで確かめ、仮決めした軸をブラッシュアップしていく感覚が効率的に就活を進めるうえで非常に大切です。

また、「捨てる勇気」を持つことも非常に重要です。軸も企業もそれぞれに良い部分があり、なかなか優先順位をつけることができずに迷ってしまうかもしれません。しかし「何かを得る」ためには「何かを捨てる」ことでしか前に進むことができないのが私たち人間です。いつまでも捨てきれずに停滞するよりも、仮決めを行い自己理解と社会理解のサイクルを高速で回して、「自分らしい正解」を創りにいくことが重要です。

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