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ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダーのまとめ

■ 書籍概要

著:マイケル・ワトキンス
リーダーのキャリア移行を支援する移行加速の世界的エキスパート。リーダーシップ開発コンサルティング会社を経営。

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昇進や転職した管理職のために、最初の90日を乗り切るロードマップを示してくれる。最初の90日(移行期)は新任リーダーにとって、非常に重要な時期だという。あらゆるレベルの管理職に役立つ、より柔軟なフレームワークを示しながら、上司との関係、部下の評価、組織戦略などを掘り下げてくれている。

管理職向けの本ではあるが、部署異動をするメンバークラスであっても、移行に伴う落とし穴を避けるために非常に有用な本になっている。

■ 書籍の結論(ひとことでいうと)

 ~30日目:焦らず、新しい文化を理解し適応することに専念せよ!
 ~60日目:初期ミッションの期待値調整を丁寧に行い実行せよ!
 ~90日目:仲間を増やし、初期ミッションを成功に導け!

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過去の栄光を捨てて、初心にもどって人や文化に適応するなかで、
課題を診断し、上司やチームと期待値調整を繰り返し、
是が非でも初期ミッションを成功させることで、移行は完遂する


■ 具体の内容

➀ 組織の文化、構造に関する理解、現状把握
② 上司からの期待値の把握、調整
③ 状況に合った戦略の立案
④ 初期の成果


※☝本書のテーマから重要そうなものをピックアップ(メンバー版)※

▶➀ 組織の文化、構造に関する理解、現状把握

最も気をつけるべきなのは、
 ・過去の成功体験を引きずってしまうこと
 ・決めつけで意思決定をして組織を混乱させること

である。

新しい環境に入る段階で、過去の成功(リーダー)体験を「0」の状態にして、新たな組織の文化や政治的仕組みと、既存業務状態の形成背景を把握することが重要である。これを行いことで余計な混乱を生み失敗を引き起こすことが多い。また決めつけで実行を急かすよりも、新しい組織や文化を知っていこうとする姿は組織から好印象を得られやすいので一石二鳥である。

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※注意!
「異動後は成果を早く出して、実力を示さなきゃ!」という【動】の欲求が強まる傾向にあるので、まずは【静】を意識することが大切。

▶② 上司からの期待値の把握、調整

とはいえ、上司の活躍期待と自分の活躍計画がズレてしまってはいけない。
そもそも上司と仕事の進め方が旧組織の自分とは大きくことなることも想定される。そのため上司と共に仕事をしたことがあるメンバーなどからも仕事の進め方やそのスタイル(喜ぶポイント怒るポイント)を知っておくことが重要である。

・業務計画(方針、結果期待、納期)
・業務スタイル(ホウレンソウの方法や進め方)

上記の2点を都度すり合わせて適切な期待値調整を行うことが大切になる。
また初期の仕事は、できる限り低めのハードルに設定しておくのがポイント

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※注意!
「異動前に聞いていた期待と違う」という場合が大いに起こるので、期待に関しては何度もすり合わせ続けることが重要である。また上司との関係構築の全責任は自分だという認識でいないと受け身になるので、ここも注意が必要である。

▶③ 状況に合った戦略の立案

業務計画(ミッション)を設計する際に、【STARS】というフレームを用いて現状を正しく診断し、その状態に合わせて戦略を考えていくのが有用だ。

STARS:(立ち上げ・立て直し・急成長・軌道修正・成功継続)

担当PJTが上記のいずれの状態にあるPJTなのかを見極めたうえで、必要なリソースを上司とすり合わせて、戦略を練っていく。

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▶④ 初期の成果

初期の成果は、初めての信頼形成にあたる部分になり、長期的な目標を最大限引き寄せることができるため、確実に成果をあげることを考える。

このとき
・注力するPJTは幅を広げず、選択と集中をすること
・上司にとってもパフォーマンスの一部になる成果創出をすること
・文化に合わせて適した方法で成果をあげること
を意識して初期の成果創出にあたることが良い。

※注意!
ひとりで決して実行しようとせずに、上司や斜めの関係、部下などと信頼形成を行ったうえで繋がりの力を使って実行することで、成功率が向上しかつその後のPJT推進に向けた大きな信頼形成がになる。

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■ 読むまえとあとの個人的な心情の変化(B→A)

「焦り → 冷静」

早く成果を出すべく、とにかく動いて周囲に追いつかなければいけない。
→ 無作為に焦るのではなく、新しい組織の文化や政治を理解するのが何よりも重要。そのあと診断と計画をしていき、スピードよりもクリティカルに確実に初期ミッションを達成するのが何より重要

まずは、上司やメンバー、組織との対話機会の全責任を自らもって、パスと信頼を構築していきながら、新参者だからこそ気づく事業課題を診断し、90日間の計画書を立てて期待値調整を行うことが重要。

「未知 → 予測」

移行期間の研修は、同期全員と同時に行う研修とは異なり、孤独で、今の進め方で大丈夫?という怖さがあった。ただどれだけ活躍してきたリーダーでも移行には苦戦をし、かつそこには共通した落とし穴があることが分かり、予測を立てやすくなった。動き方の見通しがたっただけで心理的ストレスが軽減された。

■ 明日からの業務に活かせること

1.30日間、腰を据えて、
  メンバーや上司を知り理解することにまずは取り組む。

2. 業務計画を立て、その推進に向けて助力を得たい人を
  ピックアップしコミュニケーションパスを開通させる

3. 過去の成功パターンはゼロフラットにし、
  得意な思考パターンに逃げないよう自分に言い聞かせる

4. お盆明けには、90日計画が描けている状態で期待値調整を行う

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