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【8/22中日戦総評】隠れヒーローは◯◯

試合時間4時間25分の激闘。
延長10回裏、大山選手がサヨナラタイムリーを放ち阪神が勝利した。
お立ち台には島本選手と大山選手の2名があがったが、隠れヒーローが2人いたと私は考えている。

隠れヒーロー①熊谷選手

7回の裏の攻撃で代走出場した熊谷選手。
森下選手が放った打球が左中間に高く弾む間に1塁から激走し、本塁を陥れた。
熊谷選手のベースランニング技術と、本塁突入を視野に入れることができた優れた打球判断がなければこのイニング無得点で終わっていたかもしれない。
横浜戦の盗塁がプロ野球界に波紋を生んでいる渦中の活躍。
ラッキーセブンの先頭打者、岡田監督はこの大事な場面にあえて熊谷選手を起用したのではないか。
三連戦の大事な初戦、結果だけ見れば9回1アウトで絶対に盗塁を成功させなければならない場面での盗塁失敗。熊谷選手は敗戦の責任感を感じていただろう。
今日の熊谷選手には絶対にやってやるという気持ちがあったに違いない。
あの場面、長打1本で3塁ベースを回る思い切った走塁ができる確率が最も高いのは間違いなく熊谷選手である。
今年何度も見てきた岡田監督の名采配が今日もがっちりハマった場面だ。

隠れヒーロー②近本選手

サヨナラを決めた10回裏、2アウトから近本選手がヒットで出塁した。
もちろんヒットを打ったことも素晴らしいが、田島投手を狂わせた「ベース上での存在感」が隠れヒーローに選出したポイントである。
簡単に2アウトをとった中日田島投手だが、近本選手のヒットからは人が変わったかのように制球を乱し、2者連続四球で満塁のピンチを招く。
中野選手の打席では、牽制時あえて逆をつかれたような動きを見せ田島投手の心に存在感をチラつかせた。
長打一本で帰るぞと言わんばかりの所作が、一打サヨナラ負けの恐怖を田島選手に植え付けたのだ。
1.2塁が埋まった後、森下選手はよく粘った。まさに勝ち取った四球。
ワンヒットサヨナラ、ましてやワイルドピッチでサヨナラを許す場面で大山選手に対しては全く自分のボールを投げることができなかった。

サヨナラの場面、ランナーが3塁にいる意味の大きさ

森下選手が奪い取った四球にはこんな裏話があったのではないか。
二死1.2塁の場面、森下選手に対する2球目のスライダー・5球目のスプリットはいずれもワンバウンドするボールだった。
田島選手はストレート・スライダー・スプリットの3球種で組み立てるピッチャー。
スライダーとスプリットがワンバウンドしたことを打席の中で確認した森下選手はこんなことを思ったのではないか。
「ここで自分が打つ確率よりも、ランナーが3塁に進みワイルドピッチが許されない状況での大山さんの方が確率が高い」
フルカウントから2球ファールで逃げ、四球をもぎ取った。
大山選手に対してボールが高めに浮いていたことからも、田島選手の心理状態はかなり厳しいものだったのだろう。

まとめ

私があげた隠れヒーローは熊谷選手と近本選手。
しかし、
同点タイムリーと値千金の四球をもぎ取った森下選手
タイムリーエラーしたをものの2安打1打点の活躍をした木浪選手
当たり前のように抑えた桐敷投手・石井投手・岩崎投手
ヒーローの影にこれだけの活躍が見られた。
今年の阪神タイガースにはMVPがいないのではないかと思うほど、総合力に長けているチームだ。
このままアレに向けてひたすら試合に勝つのみ。

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