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日本書紀巻03/神武天皇編(1)の原文解説

神日本磐余彥天皇 神武天皇

「神日本磐余彦天皇 神武天皇」という表現は、日本の初代天皇である神武天皇に関するものです。この文言は、『日本書紀』や『古事記』などの古代日本の歴史書に登場します。

  1. 神武天皇: 日本の神話において、初代の天皇とされています。彼の治世は伝説的で、日本史の起源として重要な位置を占めています。

  2. 磐余彦: 神武天皇の別名であり、「磐余」は大和国(現在の奈良県)の古名、「彦」は若い男性を意味する敬称です。

  3. 神話と歴史: 神武天皇は神話上の人物であり、実在したかどうかは歴史学的に確定していませんが、日本の国家形成の象徴的な人物として扱われています。

  4. 東征: 神武天皇は、東征と呼ばれる遠征を行い、現在の奈良県に都を定めたとされています。

『日本書紀』や『古事記』などの古代日本の歴史書に登場する神武天皇の記述は、日本の神話と歴史の融合を示す重要な例です。


神日本磐余彥天皇、諱彥火火出見、彥波瀲武鸕鷀草葺不合尊第四子也。母曰玉依姬、海童之少女也。天皇生而明達、意礭如也、年十五立爲太子。長而娶日向國吾田邑吾平津媛、爲妃、生手硏耳命。

  1. 神日本磐余彦天皇、諱彥火火出見、彥波瀲武鸕鷀草葺不合尊第四子也:

    • 「神日本磐余彦天皇」は神武天皇の称号です。

    • 「諱彥火火出見」は神武天皇の別名または個人名。

    • 「彥波瀲武鸕鷀草葺不合尊第四子也」は、神武天皇が草葺不合尊の第四子であることを示しています。

  2. 母曰玉依姬、海童之少女也:

    • 「玉依姬」は神武天皇の母親の名前。

    • 「海童之少女也」は、彼女が海の精霊または神の子供であったことを意味しています。

  3. 天皇生而明達、意礭如也、年十五立為太子:

    • 神武天皇が生まれながらにして賢明で、意志が強かったこと、また15歳で太子(皇位継承者)になったことを述べています。

  4. 長而娶日向国吾田邑吾平津媛、為妃、生手硏耳命:

    • 成長した神武天皇が日向国(現在の宮崎県地方)の吾田邑吾平津媛を妃とし、手硏耳命という子をもうけたことを示しています。

これらの記述は、日本神話の中で重要な役割を果たす神武天皇の出自、家族関係、および早い年齢での立太子に関する情報を提供しています。


及年卌五歲、謂諸兄及子等曰「昔我天神、高皇産靈尊・大日孁尊、舉此豐葦原瑞穗國而授我天祖彥火瓊々杵尊。於是火瓊々杵尊、闢天關披雲路、驅仙蹕以戻止。是時、運屬鴻荒、時鍾草昧、故蒙以養正、治此西偏。皇祖皇考、乃神乃聖、積慶重暉、多歷年所。自天祖降跡以逮于今一百七十九萬二千四百七十餘歲。而遼邈之地、猶未霑於王澤、遂使邑有君・村有長・各自分疆用相凌躒。抑又聞於鹽土老翁、曰『東有美地、靑山四周、其中亦有乘天磐船而飛降者。』余謂、彼地必當足以恢弘大業・光宅天下、蓋六合之中心乎。厥飛降者、謂是饒速日歟。何不就而都之乎。」諸皇子對曰「理實灼然、我亦恆以爲念。宜早行之。」是年也、太歲甲寅。

  1. 「及年卌五歲、謂諸兄及子等曰」:
    神武天皇が45歳の時に、兄弟と子供たちに話しかけているシーンです。

  2. 「昔我天神、高皇産靈尊・大日孁尊、舉此豐葦原瑞穗國而授我天瓊瓊杵尊」:
    神武天皇が、天の神々、特に高皇産霊尊と大日孁尊から豊葦原瑞穗国(日本)を与えられたと語っています。

  3. 「於是火瓊々杵尊、闢天關披雲路、驅仙蹕以戻止」:
    天瓊瓊杵尊が天の門を通り、雲の道を披いて地上に降りた様子を述べています。

  4. 「是時、運屬鴻荒、時鍾草昧、故蒙以養正、治此西偏」:
    当時はまだ文明が発展していない時代で、そのために正しい統治を行い、西方の地を治める必要があると述べています。

  5. 「皇祖皇考、乃神乃聖、積慶重暉、多歷年所」:
    神武天皇の祖先が神聖であり、多くの恩恵を受けて長い間栄えていたことを述べています。

  6. 「自天瓊瓊杵尊降跡以逮于今一百七十九萬二千四百七十餘歲」:
    天瓊瓊杵尊が地上に降りてから現在までの時間が非常に長いことを示しています。

  7. 「而遼邈之地、猶未霑於王澤、遂使邑有君・村有長・各自分疆用相凌躒」: 広大な土地がまだ中央政権の影響を受けておらず、地方にはそれぞれの指導者がいる状況を描いています。

  8. 「抑又聞於鹽土老翁、曰『東有美地、靑山四周、其中亦有乘天磐船而飛降者。』」:
    塩土の老人から、東に理想的な土地があり、そこには天からの船に乗って降りてくる者がいるという話を聞いたと述べています。

  9. 「余謂、彼地必當足以恢弘大業・光宅天下、蓋六合之中心乎」:
    神武天皇は、その土地が大きな事業を行い、世界を照らすのに十分であると考えています。

  10. 「厥飛降者、謂是饒速日歟」:
    その土地に降りる者がニギハヤヒ(饒速日)ではないかと推測しています。

  11. 「何不就而都之乎」:
    その土地に都を定めるべきではないかと提案しています。


出典:日本書紀原文

https://www.seisaku.bz/shoki_index.html


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