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上海アートシーン 2021年1月(2)

今回はMadeIn Galleryで1月16日にオープンしたSlime Engineの”個展”「Hol!day」を紹介。まずMadeIn ですが、上海の現代美術作家として最も有名な作家の一人であるXu Zhenが運営するギャラリーです。いつもかなりとがった展示をしている、上海アートシーンでも最注目の場所ですが、ショッピングモールの1階に入っています。商業の街、上海らしい。

個展、と書いてありますが、Slime Engineはコレクティブ。オンラインを主な拠点として活動する中、自分たちが作ったプラットフォームに他の作家を招いてコラボレーションもしているので、展示は複層的です。

この5つのモニターに映し出されている映像は複数の作家で共作。

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《Territory》 2020, Video. Participating artists: Xi Li, Linyou Xie, Shan Liang, Yi Chengtao, Yang Qinhua

CGで作り出された世界には、さまざまな国の文物がごちゃごちゃに入り混じった建築や生き物(?)が登場します。見たことのない、目を奪うような光景がどんどん出てきます。

この《Slime Airline》と名付けられたインスタレーションは、三人の作家がそれぞれ映像作品を提供。*映像もここから見ることができます!

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上から順に、Fengyi Zhu, You Ada, Hu Ruiの作品。《Slime Airline》は2019年に行われた広州空港ビエンナーレに出品した映像インスタレーション。*Hu Ruiは前の記事で紹介しました。

Fengyi Zhuの映像は、飛行機の座席が波打ち際とか、草原とかに置かれている様子が映し出されていました。旅する座席。あの狭くて辛い場所が開放感のある光景の中に持っていかれるのを見ると、体と心が切り離されて瞑想しはじめるような感覚に。Hu Ruiの作品は前回の記事に書きました。You Adaの映像はポップで不思議な世界。説明なしでリズムや色や形や「なんでここでこれw」みたいに突っ込みながら楽しむタイプの作品なので、ぜひ見てみてください。

次の2作品はゲームです。原始人?がうろうろしている大地に、40のプリセットされた彫刻作品を、創造主のように置いていけるゲーム。

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《Slime Factory》は、美術史上の著名な作品をモディファイして遊ぶ工房。見えているのはダヴィデ像ですね。これにモンドリアン調だったり、北斎調だったり、ヴィトンのロゴだったり、さまざまな模様を施すことができました。

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Slime Engineは基本的にはオンライン拠点。このウェブサイトでかなりの作品をみることができます。視聴していたら楽しくて何時間も居てしまいました。スタイリッシュで、柔らかい感性があって、あと一人でやるのではなく繋がって、協力して作っていくつよさというものも感じます。中国の若い作家たちのすごく前向きなエナジーがつまっている。大好きになりました。

あと、このMadeIn Galleryはれっきとしたコマーシャルギャラリーなのですが、Hu Ruiによると、この展示はプレゼンテーションのみで作品は売っていないらしい。コマーシャルな印象の強い上海ですが、意外と懐が深いというか、お金だけじゃないところも見えると、なんだか心強く感じるのでした。

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