コンテンダー

どんな場所でも酒と美味い飯があれば酒場であるをモットーに酒場での1人飯を愛しています。…

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どんな場所でも酒と美味い飯があれば酒場であるをモットーに酒場での1人飯を愛しています。 グルメだけじゃなくて幅広く浅く深めにモットー。 食に関するライターやりたいです。 Twitterもやってますーーーhttps://twitter.com/JH1NRBLUKvtnC6B

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発祥の味、ギリシャ料理を堪能せよ

高級でセレブなイメージが非常に強い麻布十番。港区は白金台から始まり、どうしてもお高い感じがする。  だが、僕のイメージは少し異なる。  このエリアを回っていると、東京タワーを中心にして各国の大使館や異国の人々が集い、文化が入り乱れている長崎出島のような文化交流の中心地としてのイメージが港区に出てくる。  その日、用事を済ませた僕はビルと住宅地の間にポツンとある児童公園のベンチに座り、ボケっと時間を過ごしていた。もうすっかり夕暮れが近づくにつれて、温度よりも湿度がじっとり

    • 福井県福井市の鳥焼肉

       福井、浄土真宗の栄えた土地として永平寺等の有名な寺院が多く県立されている越前を通る山々と、面した日本海の幸で栄える北陸三県のうちの一県。東尋坊や恐竜で有名な土地柄でもあるが、酒場好きとしてはレベルの高い日本酒が作られる酒蔵が軒を連ねる水処の土地でもある。  中でも有名なのは何と言っても黒龍酒造が醸している銘柄「黒龍」。日本を代表する品目と言っても過言ではない知名度を誇る酒である。そんな福井へと酒探しと、観光を兼ねて訪れた10月。  日曜の夕方、観光物産館のあるビルで日

      • 西巣鴨の昼しゃぶしゃぶ

         コの字はよく聞くが、U字型のカウンターというのはかなり珍しい。 U字のカーブ当たりの席で周りを見渡しながらメニューとにらみ合っていた。すき焼きとしゃぶしゃぶ、どちらが今、胃袋に収めるべきか、と。  東京都豊島区西巣鴨。巣鴨駅前の商店街を一通り眺めた後、17号線に沿ってこちらまで来ていた。このエリアに来たのが大学時代に就職活動で第一希望の新聞社の2次試験を受けに来た時以来だ。結果?ダメだったが。 思い出しただけで苦い思いがこみ上げてくる。この苛立ちを紛らせるには腹を満た

        • 闇トン、とんかつの隠し球現る

          ここ数年で一気に市民権を得た肉の調理法。生ではないが火をじっくり通すことでジューシーな味わいを残す低温調理。 『レア』ブームが起こっているので1番わかりやすいのがローストビーフ。 今や新しい丼物として定着した『ローストビーフ』丼、あの登場時のインパクトはとてもすごいものだった。  また全面的に拘っています、感にあふれたラーメン屋ではチャーシューを低温調理とか、鳥だってレアで食べられるんです、という形で焼き鳥とか料理を出すところも見かける。その極めつけは牛カツか。レア肉ブ

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        発祥の味、ギリシャ料理を堪能せよ

          目黒のインドネシア料理を一人で食す

           目黒と白銀台、区は違うが隣り合ったエリアで高級住宅街のエリアで僕のような一般民からしたら雲の上の存在のエリアだ。  同じ目黒がつく中目黒とは雰囲気も全く違う、あちらは小さな酒場がひしめき合って雑然としているが、知れぬ心地よさが喧噪の中に満ちていた、どうしてこうも少し離れるだけで姿が変わるのか。街の発展の変わりようは面白い。  そんな目黒駅から首都高の高架下を目指し進んでいく、ちょうど目黒と白銀台の中間地点ぐらいだろうか。ふとあるビルの前で足を止める。  インドネシア料

          目黒のインドネシア料理を一人で食す

          大衆鳥酒場の鉄板焼きで呑む

           客足が戻りつつある浅草。それでもまだまだ数年前のあの混雑ぶりからは程遠い。夕方、浅草寺の仲見世通り、もう5時近くには通りは徐々に喧騒から離れていく。  その表の喧騒から一本入った路地にある酒屋の経営する角打ちの「酒の大桝」。浅草に立ち寄った際はいつもサッと呑みに入る定番のコースで鍋島の一回火入れを仰ぐ。やはり鍋島は美味い、滑らかで柔らかな酸味が舌を包み込み、甘味が実に心地よく芳醇に広がっていく感じがいい。火入れ一回の名の通りの新鮮さがまた喉元を通り過ぎていく。  結構時

          大衆鳥酒場の鉄板焼きで呑む

          串揚げで立ち飲み、北千住の酒場にて

           食に心を奪われ、酒場の魔力に魅了されて多くのお店を訪れる事がすっかり趣味となって以降、多くの出会いがあった。初めて降りる、訪れる土地ばかりで一軒一軒に、個性が溢れていた。  24区のうちまだ行ったことが無い区がある。それは足立区だ。なんとなく一番遠い場所だからか、つくばエクスプレスの乗り換えぐらいしか行く機会がなく、行ってみる機会が無かったわけだ。  そんな足立区の北千住に初めてやってきたのは3年前のことである。  その時はつくばエクスプレスの乗り換えのついででふらり

          串揚げで立ち飲み、北千住の酒場にて

          福島県平田村の1人生ラムジンギスカン定食

           福島県いわき市から新潟県新潟市を横断するように結ぶ国道49号線。多くの山間部を抜けるルートであると同時に会津地方を抜けるために冬の間は通行止めになることが多い国道である。    山間部が多いルートではあるが福島の主要な都市に数えられる郡山、会津若松を通ることもあり、日常生活には欠かせない主要道路でもある。 ちょうどいわき市での用事があったため、そんな国道49号線をいわき市から郡山方面へと車を走らせる僕。昼も近いことがあり、もうそろそろ胃袋に何かを入れたいところ。  国

          福島県平田村の1人生ラムジンギスカン定食

          群馬県吾妻郡草津町の温泉裏通りのとりソースかつ丼

           群馬県で最も有名な温泉地である草津。人の流れがまだ少ないようだ。駅から急な坂を下り、中心地である草津のシンボルである湯畑へと足を運ぶ。  夜のライトアップは湯畑の白い景色を七色に染め上げ、観光客の絶好の写真撮影スポットになっている。もくもくと立ち上がる湯気を足湯からぼんやり眺めながら体を芯から温める。  草津にやってきたのは晩秋の11月頭、すでに栃木のロマンチック街道から草津へと抜ける山々は紅葉の時期を越えていた。寒々しく枯葉の茶色に染まった山にぽっかりと入るように存在

          群馬県吾妻郡草津町の温泉裏通りのとりソースかつ丼

          ヒレカツ革命

           学生時代を過ごした登戸から少し離れた宮前平を訪れた僕は駅からずっと続く坂道を見上げていた。こんな坂があるとは聞いてないぞ。    東急の田園調布線の駅である宮前平は川崎市でも東京の世田谷区の方が最寄である住宅地中心の地域だ。平らなのに坂があるのは何の皮肉だろうか、息を上げながら急な坂を上っていく。    梅雨時とは思えない太陽光と梅雨らしいじわっとしたまとわりつく湿気にいやな思いをしながら、一思いに坂を上り切る。マンションの並ぶ大通りが見えてきたところでやっと名前通りの平ら

          ヒレカツ革命

          新潟県長岡市 野鳥料理の裏路地酒場

          心地の良い灯りの下で長岡の裏路地を行く。再び長岡の駅前にやってきた僕は酒場を探し放浪していた。心は決めている、というより算段を付けていた。 ちょうど一日前に目を付けた居酒屋に一人で来る約束を取り付けていたのだ。前日は地元のお客の声が響いていた少しシックな佇まいだった酒場。ここはいい、見事に僕の心にも響いたのだ。 「ここだ、ここだ」意外と表通りよりも酒場が多い長岡の路地をするりと抜けて、僕は表通りから一本入った路地の店に着く。 入口にぼんやりと浮かぶ店の看板は中のライトが

          新潟県長岡市 野鳥料理の裏路地酒場

          羊料理の世界と、巣鴨のモンゴルで出会う

           羊肉が恋しい。ジンギスカンでよく食べるのはラム肉だ。  ラムは若い羊であるが、旨味もシャープで若々しい力を感じる。1人でジンギスカンと向かい合う時間は年相応にもワクワクしてしまう。  だが、羊肉の世界は底知れぬ未知の世界が隠されていることを僕は思い知らされた。  その主役は若さではなく、老獪で味わい深いマトンだった。大地に、草原に、羊料理の世界は水平線を越えて広がっていた。  ネクタイを緩めて、シャツのボタンを1つあける。秋も近づく雨の合間の晴れ間の日。久々の暑さが

          羊料理の世界と、巣鴨のモンゴルで出会う

          欧風カレーの話

           時折、無性にスパイスを口の中に放り込みたくなる衝動に駆られることがある。別に何を求めているわけじゃないが、香りと辛味を体に取り込たくなるあの異様な感覚だ。  それは人間が積み上げてきた香辛料の世界がいつの間にか血の一滴まで染み込んでいる証なのかもしれない。とにかくスパイスはもはや我々の中に必要不可欠なものなのだろう。   かつて、胡椒が宝物と同じ扱いだった時代から見れば、手軽に調合が難しいとされるスパイスが簡単に手に入れられるようになったことでよりその存在は切り離せない

          欧風カレーの話

          レトロ食堂に誘われて、その4「幼子の思い出の先の一杯」

           10年とは長い月日かと思えばそうではなかった。被災から半年過ぎた石巻を訪れ、高台から何もなくなった街を見た記憶は未だに焼き付いている。  僕の地元は福島県のちょうど真ん中にある「中通り」地方にある。海沿いの「浜通り」からはだいたい高速を使っても1時間半はかかるが、それでも大きな被害や影響があったそうだ。  何か以前にも女川の「ニューこのり」さんの話を書いた時もこんな書き出しだったような気がするが、東北にとってはこの震災後の10年はとにかく長いようで短すぎた10年だった。

          レトロ食堂に誘われて、その4「幼子の思い出の先の一杯」

          レトロ食堂に誘われてその3「西那須野の田圃沿い、生姜焼き定食」

           那須高原を過ぎた先にある那須塩原市。新幹線が停まる駅ではあるがごった返した駅前ではなく、地方都市のお手本のような感じともいえる。  だが駅から離れれば那須高原という有数の別荘地があり、非常に自然と隣接した観光施設も多い。温泉地でもあり、非常に心を癒せる場所でもある。  そんな那須塩原市ではあるが外れのほうも工業団地がある。西那須野インターチェンジから下りてすぐで井口工業団地という工場地帯だ。団地のある西那須野エリアを車で通りかかった際の話だ。  窓から見える景色は住宅

          レトロ食堂に誘われてその3「西那須野の田圃沿い、生姜焼き定食」

          1人酒場飯その53「ラム故に、奥深し」

           よくよく考えずとも、なんと今の時代は激流であることであろうか。多くのお店が暖簾を閉まったし、これから先どうなっているか、まるで分らない暗闇の中。一寸先に差し込む光を求めてみんなが抗っている。  不自由があるから自由がある、そんな現実が見え隠れする。それでも僕の胃袋は自由に流離う。こういう時代だからこそ、新しい店と出会える喜びと食への自由な心を燃やすのだ。   一人で食と向き合う時間こそ、必要な時。社会の人が今まですっかりと忘れていた食べる事への感謝をしっかりと胸に刻め、そ

          1人酒場飯その53「ラム故に、奥深し」