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B2Bプロダクトにおける性質の違い

シンチャオ!!


事業の性質や特性によっては、単発的に成長しやすいのか、ある程度時間軸が長いが成長できる可能性が高いかなど、事業の性質によって企業の経営活動の方針はガラッと変わります。ごり押しで論理で売れば売れてします保険商品などは、優秀な営業マンの採用が命題であれば、優秀な営業マンでなくても、課題を適切に解決できて、利用者のサービスへの粘着性が高ければ、サービス改善に発生するPDCAを高速でぶんまわせるエンジニアとデータアナリストなどが必要でしょう。

では、どのようなサービスや事業体の性質が存在していて、企業の経営活動がどのように違うのでしょうか。という視点でSaasやD2Cモデルを例に書いていきます。

事業アイデアを考えている方や、サービスの成長に悩んでいる方が、事業性を判断するKPIやKSF(キーサクセスファクター:事業が成功するのに重要な項目)の参考になれば幸いです。

プロダクトと事業特性

B2B事業でシステムやソフトウェアなどのプロダクトを販売している事業が前提になりますが、そもそもの考え方として、プロダクトが良ければ売れるor強力な営業マンがいれば売れるという二項対立で分別できます。

マーケティング用語における近い思想としては、前者がマーケットインで、後者がプロダクトアウトのイメージです。要は、販売しているプロダクトが、課題に対してベストプラクティスとして存在しているか、ベストプラクティスではないがあったらいいなの状態で存在しているかの違いになります。

ベストプラクティスな状態をMust Have、あったらいいなの状態をNice to Haveと言ったりもします。

前者は、なければ喉がから手が出る程困る、後者はなくても何とかなる困らない領域です。

商売は不必要なものを売るともたまに聞きますが、あったらいいなは基本的に販売力で売れてしまうからです。そんな両事業特性の違いを作成してみました。

比較表

少し極端な比較となってしまいましたが、すべて説明するのは億劫なので、重要な部分だけ説明します。

KSF

企業の成功を達成するために最も重要な事を指します。定量的に表現すると、KPIが近しい意味になるでしょう。このKSFはNice to Haveのプロダクトであれば、商品力がないのでサクッと売り続けて市場占有と認知を取る必要があります。なので販売能力が高い営業マンの採用は命題で、営業マンがいないと売れません。

一方でMust  Haveの状態であれば、Web広告などで狙った顧客にリーチを行い、ブレのないLPからフリーミアム登録をしていただければ、商品機能性がが高いので、必然的にアップセルを行ってくれるでしょう。
Google Driveがわかりやすく、無料で活用しても気が付いたら容量Overとなりますが、データの格納先を変更して違うツールを活用するためのスイッチングコストが高いので、そのままアップデートした経験はないでしょうか。

そのような形式で商品機能性が高ければ極端な話、営業マンが不在でも勝手に顧客単価は高くなり、売れていきます。(ARPUが自動的に改善される仕組みです)

PL脳

Nice to haveのプロダクトは、営業マンの歩留まり率や広告改善費用に業務が集中するために、どの数値に欠陥があるのかという、PL的な脳になってしまいます。PL脳が悪いというわけではなく、プロダクトを改善するということより、マーケティング及び営業活動の改善に重要度の比重が重くなってしまい、改善が遅くなりバケツの穴が空いた状態になる可能性も高いです。

あるいは、プロダクトの粘着性が高くなく、ほかの代替手段にスイッチされる可能性が高く、解約率が高くなり継続率が下がりやすくなる可能性が高いでしょう。

一方で、Must  haveの事業は、数値改善よりも顧客の声(コンサル会社が良く使うVoC)をカスタマーサポートで拾い、開発による改善を繰り返していきます。短期的に見れば、事業の成長率はNice to haveのほうが高くなりますが、長期的に見れば、Must Haveのほうが高くなるでしょう。時間軸はやや長くなりそうですが。

営業フロー

最後に営業フローです。

Nice to Haveは無料獲得したユーザーに対して営業マンが初回営業をかけたり、継続してアプローチしたりするなど、ユーザーの導入意思決定までのプロセスが長いです。一方でMust haveでは、プロダクトの粘着性や機能性がアップセル対象となるプロダクトを販売してくれるので、営業フローは極めて短くなります。

D2Cから考える事業特性

B2B事業を大前提に話をしていましたが、この構造は近年トレンドワードなってしまったD2C(国内では通販ビジネスで着地をしていますが、海外では顧客データをガチガチに取得して、商圏エリアを拡大していきながら、購買者の日常生活データを基軸に事業展開しています)も近い構造になっています。

通販事業ではLTVが極めて大切ですが、継続して購買してもらうには商品力は当たり前に重要です。インフルエンサーコラボ商品は初速が売れやすく、LTVがほぼない状態になってしまうのもこの所以かと思います。

インフルエンサーは強力な営業マンになってくれますが、最も強力な営業マンは口コミになるので、一過性が高いインフルエンサーブランドなどは、ヒカルの様なトップインフルエンサーの濃いファンによって、単発でも年商数億円が見込めないと難しいのではないでしょうか。

おわり

課題を究極的に解決するプロダクト開発やサービス開発は極めて難しく、自分含めてPMF達成に苦しむのは必然なのです。

B2B/B2C関係なく、だれの(WHO)、何を(WHAT)、解決する(HOW)のかを徹底的に解像度高く向上することで、事業特性の解像度にもつながるのではないでしょうか。

それではカモーン!!


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