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「程よく圧巻」なフラットタイプウルトラワイド:JAPANNEXT JN-IPS438DFHDR400-C65W ウルトラワイドディスプレイ

全世界1920*1080*2週目の未来人の皆様こんにちは。およそ207万人の2週目のって2週目!? 世の中には随分タイムリープ出来る人が増えたようです。せっかくなら未来技術で世界平和と技術革新と買い物時の意識喪失に関する課題を解決して欲しいものです。普通は意識は失わない? そんなバカな! 香月です。

さて、ここしばらくお買い物等も無く、その存在を潜めていたとかなんとかそんな事誰も気にしないわけなのですが、#JAPANNEXTアンバサダー として新たに借り受けたディスプレイこと、43.8インチのウルトラワイドディスプレイ。縦横比は32:9、DFHD(Dual Full HD)で120Hz対応という大型ゲーミングディスプレイです。


従来の「21:9」より更に横長の「32:9」、23インチディスプレイ横2枚分

右下はBenQ製23インチ、16:9タイプディスプレイ

私の所でレビューする製品がやたらウルトラワイド系が多い、というのはとりあえず置いておくとして、今回もウルトラワイド、それも製品数として多めな「21:9」比率よりさらに横に広い「32:9」である本製品、リフレッシュレートは120Hz対応と、ゲーミングディスプレイとして充分に戦える製品です。ざっくりと箇条書きで本製品の紹介を。

  • 実サイズ43.8インチ、湾曲無しのフラットディスプレイ

  • 入力端子はDP、HDMI(2系統)の他TypeC端子も対応

  • HDR対応、10億色(10bit)カラー対応

  • おとなしいシンプルな外観、ビジネス用途でもスッキリ

ざっくりとこんな感じです。リフレッシュレートが120Hzと高めである事はゲーム用途ではもちろん大きなメリットになるのですが、特にディスプレイ外観はLED照明なども無くおとなしいスタイルなので、オフィス設置やビジネス用途などでも(LEDがビカビカ光って)浮いてしまうような事もありません。また、TypeC接続や湾曲「ではない」フラットパネルである事など、画面の広さを活かしてオフィススイートを使用するなど、そういった点ではビジネス向けに導入を検討しても良さそうな製品です。今回は主にレースシムでの使用感を掲載して行きますが、画面の広さという点に関しては「フルHDディスプレイが横に2枚並んだ広さ」というサイズ感なので、「画面の広さが欲しくて」デュアルディスプレイを検討している方には良い製品かもしれません。実際の所、2枚分の中央にフレーム(ベゼル)が入らないので、「単純に2枚を横並びにした」というよりは、以下の図のように「中央に1枚、左右に2枚めを半分ずつ配置」といった雰囲気で使えます。

左がFHDのデュアルディスプレイ配置、右が本製品。便宜上枠で分けているものの、本製品は途中にベゼルは無し

なお、先に「画面の広さが欲しくて」と書いたのは、用途次第では別の理由が出る事もあるからで、特にゲームプレイやその配信などを考えた場合、「どれだけ画面が広くてもフルスクリーンにしてしまうとディスプレイそのものを占有してしまう」という環境がありうるから。1枚目でゲームをフルスクリーンでプレイ、2枚目で配信ツール類を表示・確認したいような用途であれば、素直に(物理的に)2枚のディスプレイを並べてあげたほうが使い勝手は上がります。そのような場合でも、1枚目は本製品のようなウルトラワイド、2枚めはフレームレート含め性能を必要としない安価なディスプレイで、という棲み分けをしてあげると、やはり本製品のような大型パネルは力を発揮してくれます。かくいう私も、メインPCではウルトラワイドをプライマリ、16:9サイズをセカンダリという仕様で配置しており、プライマリ側で広い解像度を活用しつつ、セカンダリには常時置いておきたいツール類を表示させておく、という使い方をしています。なんなら3枚目として12インチクラスの小型ディスプレイを置いて、使用ツールごとに区分けして配置・使用している状態です。

実際の使用環境・設置環境に左右される部分ではありますが、本製品はDFHDクラスのウルトラワイドにしては程よくスリムな為、2枚はもちろん、3枚くらい配置したいと考えているようなユーザ環境であれば無理なく設置可能ではあります。横幅が実測でおよそ110cmなので、机の横幅が160cmくらい確保できるなら、本製品+28インチ16:9の縦置き、という配置で2枚設置することも問題ないでしょう。2枚目のディスプレイが23インチ程度で良いなら、これよりもっとスペースの融通は効くサイズ感です。

内容物は必要なものが揃った最小限の構成、スタンドは同梱品で充分に活用可能

梱包材の上段、付属品はすべてこの部分

さて、実際に開封してみると、ディスプレイを挟むように2つの発泡スチロールで構成された上段に付属品が全て収まっています。右がスタンドベース、左上がスタンドポール、左下にケーブルやペーパー類が無理なく収まった配置。

梱包材下段、ディスプレイ本体

上段の梱包材を外すと、下段にディスプレイがそのまま入っています。サイズがそれなりに大きく横長な為、取り出しには少し注意が必要ですが、仮に同梱されているスタンドをそのまま使うのであれば、この状態でスタンドを装着し、そのスタンドを引き上げるように持ち上げてあげれば無理なく取り出すことができます。この方法に関しては、付属の説明書に記載があります。

Webで公開されているマニュアルより。同じ記述が製品付属のペーパーにもアリ
付属品一式

スタンドの話が出たので、今回は先に付属品とスタンドまわりから。付属品としては必要なものが一通り揃った状態で、DPケーブルの他にTypeCケーブルも付属しており、TypeC出力でディスプレイにつなぎたい場合にも、追加のケーブルはひとまず不要です。今回は触れない点ではありますが、TypeC接続時にディスプレイ側から65Wの電源供給を受ける事が出来るので、ノートPC等で使用する際にはディスプレイ接続とバッテリ充電・給電が1本で完結します。また、本製品は内蔵電源タイプの為、3ピンコンセントのケーブルが付属。組み上げ後のケーブルまわりは非常にスッキリとした状態で使用できます。

スタンド組み立て状態
底面の手回しネジでポールを固定
ディスプレイ側のスタンドロック部分
上側にツメをはめ込んで……
ラッチを引き下げた状態でパタンと装着。ラッチを戻せば完成

スタンドの組み立てや取り付けは非常に簡単に出来るもので、以前レビューした他製品と同様、ツメとラッチで固定する方法。この状態でもしっかりと固定されており、前述の通り先にスタンドを固定してから、発泡スチロールの梱包材から引き出す際にスタンド部分を(ディスプレイ寄り側を掴んで)引き上げる、という程度の力具合ならビクともしません。実際に置いてみた感じでも安定感は良く、左右に大きく横長なディスプレイが傾いてしまうような様子も見られませんでした。

高さ調整・最も引き上げた状態
高さ調整・最も下げた状態
首振り(スイーベル)・右に振り切った状態
スイーベル・左に振り切った状態

スタンドはただディスプレイを保持するだけでなく、高さ・首振り(スイーベル)・チルトの3種類で調整可能。調整幅もかなり広く、ベースマウントがフラットな鉄板である為、ディスプレイアームを使用せずともディスプレイ周辺に無駄なデッドスペースが生じにくい設計になっています。それなりに大型である本製品に対応したアームとなると、ぼちぼち良いお値段になってしまうケースが多い事を考えると、まずはスタンド使用で使ってみるのも良いかもしれません。どうしても不満が出た時にアームを検討する、という順番でも遅くないくらいには、スタンドがしっかりした作りです。

ちなみにディスプレイアーム、こちらもJAPANNEXTから販売されている製品が複数あり、サイズ等も含め余裕を持って使える製品だとこちらになります。

23インチクラスを横に2枚並べたサイズ、「大きい」というよりは「横に長い」という印象

ディスプレイ本体
14インチのノートPCと、TypeCケーブルで接続した所


さて、ディスプレイ本体に関してですが、大きいことは大きいものの、縦方向が割とスマートなので、とにかく「横に長い」という印象。縦横比を考えればもちろん横長なのですが、14インチのノートPCと並べると、意外にも「コンパクトかも」と思わせてしまう製品です。

23インチディスプレイと並べた図。ちょうど横幅半分
同じく23インチと並べた状態。角度の関係がありますが、縦方向は23インチと同じサイズ

大型ディスプレイともなるととにかく「デカい」という印象になりがちですが、本製品が「コンパクトかも」と思わせるのがこのサイズ感。前述の通り、縦方向は23インチと同じ、横方向は23インチが2枚分というもので、横方向はともかく、縦方向の圧迫感は意外にもあまりありません。ただ、この圧迫感に関しては設置環境次第で大きくも小さくもなるので、とりあえずサイズの例としては「23インチが横2枚分」という内容で検討して頂ければと。

実際の表示状態はこのあと掲載しますが、横幅が広くとも縦幅が23インチクラスの為、置き換えなどの際に「ディスプレイの横幅の割に文字が小さく見える」という環境になる場合もあります。特に現時点で25インチ以上のディスプレイを使用しているユーザに関しては、縦幅が小さくなる関係で文字などの表示が小さくなります。ビジネス使用などのテキスト用途で使う際にはちょっと注意しておいたほうが良さそうです。ゲームプレイに関しても同様ではあるのですが、今回テストした際には「確かに多少小さくなってはいる」ものの、「横幅が広いので少し圧迫感がある」といった印象でした。このような「適度に圧迫感」「程よく圧巻」といった点で、本製品のバランスは非常に良く作られています。レースシムではなかなか楽しませてくれました。

OSDメニューはディスプレイ中央下部にある4つのボタンで操作。電源ボタンは独立して横に並んでいます。この形の操作ボタンは例によって誤爆が起きやすいスタイルであるのが一つ、ディスプレイ下部に向けてボタンが飛び出している為、そのまわりの空間は開けておく事が前提になります。かなりの横長なので、画面端裏側に操作系がきてしまうと恐ろしく調整が面倒になる、という点では中央配置は良いと思うのですが、ボタン類が真下を向いていると、ディスプレイの高さを調整する時に誤って触れてしまう可能性がある為、前面側・裏面側のように配置されていれば良かったのかな、と。言うまでもなくスティック形状が採用されていればより使いやすかったでしょう。

120Hz動作に対応させるにはDP接続、もしくはHDMIの対応ポートでの接続が条件

全部で4つの入力端子を装備

本製品はリフレッシュレート120Hzに対応している、というのは既に掲載した通りですが、その値で動作させるには接続端子が制限されます。DP端子、もしくはHDMIの対応端子(並んでいるうちのDP側)に接続してはじめて120Hz動作となり、外側のHDMI端子、及びTypeC端子での入力時には最大60Hzでの動作に制限されます。

ノートPCからDPAlt経由でTypeC接続した状態

144Hz以上を出すディスプレイのようなシビアさは緩和されているものの、端子や対応ケーブルを気にする必要があるのは注意。PC側でDP出力が可能であれば、同梱されているDPケーブルがあるので、ひとまずそのまま利用可能です。なお、HDMI入力で120Hz対応ということで、PS5等のコンソールゲーム機でも対応可能かとは思いますが、例によって16:9以外のサイズに対応しているという話を聞かないので、仮に正常動作したとしてもウルトラワイド表示ではなく、16:9表示に限定されるものと思います。PC業界では多少のラインナップが増えてきたウルトラワイドですが、やはり16:9サイズのディスプレイがスタンダードであることには変わりなく、まして家庭用ゲーム機という事にもなれば、同じく家庭用TVで16:9以外の画面比率を持つ製品はいよいよ聞いたことがありません。そういった点では、現時点でゲーム機側での対応は優先順位として低い位置づけになるのでしょう。こればかりはやむを得ないところです。

DP接続時。60と120の2パターンで設定可能
testufoでも無事に120Hz認識

この手のゲーミングディスプレイに関しては接続方法、及びWindows側の動作設定を確認する、というのはお約束にもなってきていますが、それだけに見落としてやすい点でもあります。「大丈夫だろう」と安易に流さず、都度しっかり確認して設定・接続を行いましょう。

アームに取り付け、いざレースシムの世界へ!

実際に座ってみると、広大な視野に圧倒されます

それでは、実際の動作テストということで進めていきましょう。いつも通りアーム取り付けの上でレースシム用コクピットに設置、2種類のゲームタイトルで画面の違いを見ていきます。

まずはアーム取り付けに関して。この点は過去にレビューを行ったJAPANNEXT製ディスプレイお約束の「スペーサーを取り付けてからマウントプレートに固定」というスタイル。だんだんこの固定方法にも慣れてきました。

メクラネジを外してネジ穴を露出させ、スペーサーをねじ込んで固定
ピッチは100*100ピッチ
エルゴトロンアームに固定。相変わらずしっかりと固定できる様子

写真の通り、シンプルながら対応幅の広い取り付け方法で、大抵のアームは問題なく、確実な取り付けが行えるものと思います。逆を言えば、この取り付け方法で問題が出るアームはどこかしら特殊な設計かと思うので、無理やり取り付けたとして保持に関する安全性が担保できません。また、言うまでもないですがネジ類の取り付けはしっかりと。強すぎるトルクも良くありませんが、緩んでガタが出そうな状態はもっと問題です。

さて、実際の設置に関して、従来使用している製品と比べてみましょう。通常時に設置しているのは同じJAPANNEXTの「JN-VG34100UWQHDR」という、34インチ・21:9のフラットウルトラワイドです。

WRC Generations 34インチウルトラワイド
WRC Generations 43.8ウルトラワイド
Assetto Corsa Competizione 34インチウルトラワイド
Assetto Corsa Competizione 43.8インチウルトラワイド

まず、高さ方向に関しては同じ表示領域となっており、横に細長いディスプレイだからと縦方向が圧縮されたり、画面外に出てしまったり、という事はなさそうです。一方で横幅に関しては圧巻で、WRC Geneartionsではフェンダーまで広く描画され、またAssetto Corsa Competizioneに関しても右Aピラーまで収まっており、フロントウィンドウ全体が見渡せるようになっています。ただし、ディスプレイの物理的な縦幅サイズの違い(表示領域:34インチが33.5cm、43.8インチが31.0cm)によって、横幅が広い後者では画面全体が少し小さめになっています。特にAssetto Corsa Competizioneではその影響が顕著で、画面内コクピットビューから見えるメーターの表示が小さくなってしまい、目が慣れるまで時間がかかったのと、なんとなくメーターの文字類がボヤけた感じになってしまっています。やむを得ないとはいえ、この点は少し残念でした。

一方、横幅が広い恩恵は極めて大きく、WRC、Assetto Corsa双方に関して「左右に視界が広く取れるので、コーナーのクリッピングポイント(エイペックス)がコーナーのかなり手前から視認出来る」という、レースシムをプレイする上で根幹ともなりうるメリットが得られます。実際に双方を走り比べてみましたが、WRCではヘアピン処理や次のコーナーの視認性が高くなったお陰で安定した走りを、Assetto Corsaではエイペックスが捉えやすいので「どこからクルマの挙動を作るか」が判別しやすいという内容。結果としてタイムも極端ではないものの、どんどん縮めていく事が出来るようになりました。

こういった点からも、本来であれば3画面化でひたすら横幅を広げる事がベストとまで言われるレースシムに関しては、解像度はともかくとして横幅が極端に広い本製品のような特性を持つディスプレイは非常に有用で、0.01秒でも詰めたいドライバーにとっては、基本的には問答無用でオススメです。

ちなみに、WRCに関しては画面写真を見ていただくと気づくかもしれませんが、画面左右上下に表示されているメーターHUDが、21:9ディスプレイではそのまま左右両端に、32:9ディスプレイでは「16:9ディスプレイを中央においた時の左右上下に」配置されるという違いがあり、横幅が広くなっていながら、これらの情報を視認することが容易になっています。過去に32:9の製品を試したときも同様であった為、またAssetto Corsaではそうなっていない事も含め、ソフトウェア側が「21:9を超える解像度のディスプレイではメーターHUD表示位置を変更する」といった処理が入っているものと思われます。これもまた思わぬ収穫でした。特にWRC Geneartionsでは「ハイブリッドブースト」の表示系が画面上以外から読み取ることができない為、メーターHUDを中央に寄せてくれたのは助かります。

fpsの出方は両者とも同等、「高解像度」と「表示領域拡大」で相殺された結果?

車両数によっては80fpsを下回る事も

実際の動作具合に関して、今回はAssetto Corsa Competizioneにてテストを行ったのですが、同時出走数を30台で設定した時、fpsが75~105付近で大きく変動している状況でした。最初は単純に解像度かとも思ったのですが、従来使用していた21:9はWFHD(2560*1080)ではなく、UWQHD(3440*1440)のディスプレイ。双方で実解像度を計算すると、以下のようになります。

  • DFHD:3840*1080=4,147,200px

  • UWQHD:3440*1440=4,953,600px

  • ちなみに:RyZen3700X+RadeonRX6700XT環境

つまり、ディスプレイ自体のピクセル数は今回の32:9ディスプレイのほうが少なく、当然この点だけを見れば負荷は低減され、フレームレートも相応に出てくれるはず。こうなれば、あとは一つしか原因はありません。そう、「画面内に表示される3Dオブジェクトの数」です。

21:9のディスプレイでは左右が(32:9に比べて)狭い分、画面内に表示・描画されるオブジェクト……ここではざっくりわかりやすく「クルマの台数」がそれなりに少なめとなるのですが、32:9サイズの本製品では横幅が広いため、同時描画されるクルマの台数も多くなりがちです。そもそもコクピット視点の時点で広い範囲を表示しているので、それ自体も負荷の一部になります。実際にリプレイを再生すると、競り合っているような場面でクルマの台数が多くなるとフレームレートが低下し、抜きん出て独走状態になるとフレームレートが上昇安定する、という状態。

これに関しては「高解像度」と「表示領域」を分けて考えることになりますが、そもそも「高解像度」で恩恵を得られるのは、例えばテクスチャが綺麗になったり、ジャギーが減ってスムースな3Dモデルになったり、という「映像品質」に当たる部分で、「表示領域」は前述の通り「広いエリアで様々なオブジェクトを視認できるようになる」という部分、といった違いがあります。これらの処理を行うのはPC側のグラフィックボード(VGA)なのですが、「少ない数のモデルを綺麗に描画する」ことと、「多い数のモデルをそれなりに描画する」という違いが、最終的にVGAに同等の負荷をかけていた、と考えて良さそうです。ましてやレースシムのように「その3Dモデルは常に何かしら動き続けている」ともなれば、その動きに合わせた描画を続けるという事で、それが数多く画面に映り込んでくれば、それぞれの描画に相応の負荷がかかり、結果として「解像度が低くても負荷が高い」という条件に入ってしまう、と判断しました。案外的外れな話でも無いと思いますが、「ディスプレイを変えたら妙に負荷が上がった、フレームレートが落ちた」という方はこれらの点を再確認してみると良いかもしれません。

「FHDディスプレイ2枚分」という認識しやすいウルトラワイド、ゲームプレイでは「程よく圧巻」で没入感は十二分

コクピット設置だといよいよ「没入感」は強め

さて、今回は「DFHD(DualFHD)」サイズとなる、32:9の43.8インチウルトラワイドディスプレイとなるJAPANNEXT JN-IPS438DFHDR400-C65Wをいじくってご紹介してきました。オフィス用途でも設置しやすいサイズ感ながら、レースシム環境に設置した際にはキツすぎない「程よい圧迫感」が功を奏して没入感が非常に高いなど、「程よく圧巻」なバランスの本製品、なかなかに良い感じです。今も昔もPC向けレースシム環境の「ガチ構成」は3画面、なーんて言われてたりしますが、本製品のように「1枚で充分すぎる横幅が確保できる」という製品も大小様々ラインナップが揃ってきている為、もしかすると流行が変わり始めるかも、と思っていたりします。というのも、実際にレースシム系の集まりで「こんなんテストしてまっせ」と話題に出すと、皆さんそれなりに食いつきが良く、「そういうので良いのかもしれない」「使ってみたい」といった感想も多くあります。3画面ともなると設置スペースはもちろん、アームやフレームなども3枚分用意・設置しなくてはならず、結果的に空中スペースも床の占有面積も大きくなりがち。そう考えると、本製品のような「充分に視界が取れる1枚モノ」という立ち位置はかなり正義では無いか、と改めて実感しました。あとは湾曲タイプかどうか、ディスプレイ自体のサイズはどうか、といった点になるかとは思いますが、いずれにせよ3画面やVR以外の選択肢として、存在感を増してきているのではないかと感じています。

一方で、アーム使用となるとどうしても気にしなくてはならないディスプレイ重量が13.3kg(公称)と決して軽くない上、横に幅広いが故に左右のバランスを取るのが難しい、というネガティブはありますが、その点の回答の一つとして、JAPANNEXT自身が対応出来るアームを展開しています。対応出来るディスプレイの範囲の割に価格は良心的なので、せっかくならば組み合わせて使用してあげれば、より安定して使用できるかもしれません。あとひとつ用意するものとしては水平器でしょうか。スマートフォンでも測定可能な時代ですが、私は工具の一つとして常備、定期的に測定して傾きの修正を行っています。500円も出せば充分使えるものが手に入るので、アーム使用、ウルトラワイド使用、いずれの場合にも手元に一つ用意しておくと便利です。

さて、貸出機を返却し、また21:9のディスプレイに戻るわけですが……そろそろ私の財布がファイヤーして酸欠でぶっ倒れて気づいたら手に!! が発動してもおかしくなくなってきました。ヤバいかもしれません。激ヤバですぅぅぅ!!!(元ネタアリ)