特別養護老人ホーム、高齢者デイサービス、障害者支援施設、グループホーム、作業所…介護職と言ってもその幅は広く、色々な働き方がある仕事です。

ブラックなイメージがつきまとう業界ですが、向いている人にはとてもやりがいがある素敵な仕事です。向いていない人にはとことん向いていない仕事でもあると思いますので、車椅子ユーザーで障害者の私から見た介護職に向いている方の特徴を述べさせて頂きます。

①人気者になりたい、必要とされたい人

介護職は利用者から本当に良くモテます。愛情、というか人望です。私の施設では毎日のように「○○さん好き」「○○さん来てー！」みたいな声が聞こえ、仕事とは言え職員さんはとてもダイレクトに必要とされてます。職員さんも、だからなのか笑顔溢れる若々しい人がとても多くて…介護職はアンチエイジングになるのでは！？と思っています（笑）

利用者が旅行なんか行けばお土産、家の畑で採れた物、「天ぷら作りすぎちゃったの貰って～（実際利用者の家族からありました）」みたいにちょっとしたお裾分けも頂けたりするのも、特別に嬉しくなります。

けれど、ニュースになるような暴力セクハラモラハラパワハラの迷惑利用者が居るのも確か。そこは事前見学などで施設の雰囲気を事前に見定める必要があります。

②同僚にそこまで悪い人がいない方が良い人

介護職になろう！と思ってなった人達ですので皆さん性格は基本的に良いです。他に出来る事がなくてやってみた、って人も居ますが、そういう人は最終的に辞めがちですので、長く働いてる人は「聖人かな？？」ってくらい人が良くてびっくりします。

ただこれも施設によると思います。やっぱり事前見学などで見定める必要があります。

③スーツを着たくない人

仕事中の服装は制服がある施設も多いですが、基本的にラフです。夏場とかサンダルで来る人も居ます。偉くなると関連施設との会議もありますが、やっぱりラフです。地味に大きなポイントだと思います。

④家族などの介護をする予定がある人

将来親の介護をする予定の人、きょうだいに障害を持っているきょうだい児などの人が多く働いているのも特徴です。半分近くはそうなんじゃないかなあと思っています。

介護の経験があるから「いざそうなっても落ち着いて対処できた」「介護に悩む周囲の相談に乗れた」「家族に十分なケアを出来た」という話も良く聞きます。

⑤地元で就職したい人

施設で働いている人は地元の人ばかりで、県境でも無い限りほぼ県民です。今の時代介護施設は絶対に近所に幾つもあるので、「面倒な通勤は嫌」「地元で就職したかった」「家族の面倒があるから職場が近いほうが良い」という人が多いからです。

とは言えあんまり近いと、休日に利用者の声が窓の外から聞こえてきたり、すれ違ったりします（笑）万が一辞めた場合は気まずい…という人は、あんまり近所の施設で就職するのも考えものです。町内～車で一時間以内の人が多いです。

また同僚も地元民が多く送迎で地元を回りますから、地元の良いお店を教えて貰ったり良い散歩コースを見つけられたりします

⑥見聞を広めたい人

障害者支援施設などの場合、そういうところに行かないとなかなか彼らには会えないかと思います。最初は障害者や高齢者に偏見を持ってたとしても、好意的に受け入れていけば一日でそんな偏見どこかに吹き飛んでいきます。駅で困ってる車椅子の人をスムーズに助けられる…そういう意味でも、人間的に深みが出る職業なのではないかと思います。

私も最初「こんな世界があったのか」と衝撃を受けましたが、今ではこの世界も楽しいと思っています。

⑦コロナ禍みたいな時でも安定した仕事をしたい人

コロナ禍みたいな災害時でも介護職は安定して働けます（コロナ禍で言えば感染対策に人一倍過敏ではありますが…）また、介護の仕事はどこにでもある為、一度スキルを身に着けておけばどこに引っ越そうが突然リストラされようが働き直せば食べていける仕事でもあり、それは生きていく上でとても自信になります。

オマケ：実は意外と多い職場結婚はその人の性格がよくわかった上で出来る

介護職＝結婚出来ない、って思っている人が多い気がするのですが、そんな事ないです。されている人は多いです。子供も居ます。しかも案外職場結婚が多くて（私の施設だけかもですが…パートナーは辞めたりしていますが数組居ます、びっくり！）通常の仕事以外でもショートステイや小旅行などで、同僚の性格や地雷を良く理解した上で結婚出来るからか皆さんとても仲良しです。

介護職に向いていない人の特徴

介護職は向いていない人には辛すぎる仕事だと思います。なので向いていない人は手を出さないのも大切だと思います。

人に合わせるのが苦手、プライドが人一倍高い、人の面倒見たり排泄介助とか無理…そんな人は介護職に向いていないです。合う人には楽しい職業なのですが。

また高齢者が相手の場合、親しくなった利用者が短いサイクルで亡くなる事が多いです。障害者の場合でも、五年に一人は利用者が亡くなったり何らかの理由で退所される事が多いです。人の死にメンタル削られる人も向いていないです。私の親戚の元介護職はこれが辛くて離職してしまいました。