吉田理子

パソコン教室講師やITサポート等の仕事を経て、2005年に企業・学校向けのIT、情報教…

吉田理子

パソコン教室講師やITサポート等の仕事を経て、2005年に企業・学校向けのIT、情報教育を目的とした「i-casket」設立。2018年には一般社団法人s-netサポーターズを設立し、主に小中学校にて子供・保護者・教員向けの情報リテラシー、プログラミング的思考に関する講座を行う。

最近の記事

【授業におけるICT入門】統計教育とプログラミング的思考

平成29年3月に小学校および中学校の学習指導要領が公示され、翌年3 月には高等学校の学習指導要領が公示されました。 そこで大きく変わった内容として、算数科で身に付ける論理的な思考の理解を深めるためにプログラミング教育(プログラミング的思考)が取り入れるというものがあります。 また、社会生活などのさまざまな場面において必要なデータを収集して分析し,その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められいます。そのような能力を育成するため、高等学校情報科等との関

    • 【親になるということ】客観的な視点で子どもをみる

      先日、子どものアート体験の会にボランティアとしてお手伝いに行きました。 大きな会場にいくつかブースがあって、子ども達はその中からやりたいことを選んで作品をつくるのです。水引やクラフトバンド、バルーンアートにパステルアートと、大人でもどれにしようか迷ってしまいそうな中で、私はパステルアートのお手伝いでした。 パステルアートでは、クリスマスカードを作るのですが、一人ひとりにこだわりがあったり、悩んだり、反対にすぐに決定して完成したりとさまざまな子がいました。 こういうとき、

      • 【授業におけるICT活用】多数決の中身

        以前、Googleフォームを使った授業の例をお話したことがありますが、先日、私もGoogleフォームを使って子ども達に講座を行いました。今回は「道徳」です。 ネット上でのコミュニケーションのお話でしたが、最初に子ども達に二次元バーコードを配り、タブレットで読み取って質問に答えてもらいました。 〇●ーーーーーーーーーー 質問1:次の会話で、二人は仲直りできたでしょうか? (会話)  A:ごめんね  B:もういいよ (選択肢) ・仲直りできた ・仲直りできない 質問2

        • 【親になるということ】社会的責任をとるということ

          前回(娘に言われたひとこと)に続き、18歳成人の話です。 正式な法律名は「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)」というものだそうですが、 という説明の通り、成人することで自分の人生を自分でつくりあげていく機会が早くなった…というようにとらえます。結婚もできる、取得できる資格の種類が増える、帰化や、性別の変更ができるなど、「自分の人生」を決めることができるのは大変すばらしいことですし、喜ぶべきことだと思います。 しかし同時に、さまざまな「契約」もできるようになってしま

        【授業におけるICT入門】統計教育とプログラミング的思考

          【授業におけるICT入門】情報リテラシーを育てる

          今年度もさまざまな自治体の小学校でお話をさせていただいております。 講座の打ち合わせでは先生方と「いま、困っていること」をお伺いすることが多いのですが、定番である「SNSやゲームでのトラブル」や「長時間利用」などに混じって、耳を疑うような話が増えてきました。 それは、「学校から貸与されるタブレットパソコンの家庭での扱い」についてです。 基本的にタブレットは学校の授業で使用しますが、徐々に家に持ち帰って、宿題や自主学習などに活用するようになってきています。 普通に考えれば

          【授業におけるICT入門】情報リテラシーを育てる

          【親になるということ】娘に言われたひとこと

          9月末に、私の娘は18歳になります。上の息子のときは「もう18歳かぁ。あと2年で成人だな、早いなあ」などと感慨にふけっていましたが、今回は法律が変わってしまったので、そんなセンチメンタルな感情は飛んで行ってしまい、「え?もう成人??」「え?どうしよう」と焦るばかりです。 この原稿が掲載されるころには本当に成人になっているわけですが、まったく想像がつきません。そんな娘と今年の夏に話していたときに言われたお話をしましょう。 ****** 娘と二人で買い物に出かけた帰り、少し

          【親になるということ】娘に言われたひとこと

          【授業におけるICT入門】「ここからどうなる?」の想像力を

          小学校や中学校で情報リテラシーの講座を依頼される際、事前に学校と打ち合わせをします。学校側が抱える悩みは今も変わらず「ネットのトラブル」ですが、最近はその内容が少し変わってきたかな?と思います。 つまり、以前は「理解したうえで嫌がらせをする」ということが多かったのに対し、最近は「意図せず、結果的にイヤな思いをさせてしまう」ということが増えてきました。 「いじめ」には大きく分けると2種類があると思います。 ひとつは最初に書いた、いじめる側がいじめられる側に対して意図的に意

          【授業におけるICT入門】「ここからどうなる?」の想像力を

          【親になるということ】子どもも親も「ひとりではない」ということを忘れないで

          最近、少し深刻な相談を受けることがありました。 小学校のクラスに馴染めず、トラブルを起こしてしまうのだけれど、本人は頑張って学校に行きたいと言っているので、毎朝登校に付き添っているお母さんからです。 詳しい話はここではできませんが、話を聞きながら自分の息子のことを思い出していました。私の息子も小学校中学年のころ、クラスや先生に馴染めず、トラブルを起こしていたからです。 息子の話ならばできますので、どんな話だったかはそこから想像していただければと思います。 ******

          【親になるということ】子どもも親も「ひとりではない」ということを忘れないで

          【授業におけるICT入門】 なぜパソコンは大切に取り扱うの?

          学校で1人1台タブレットが配布されて1年以上が過ぎました。 当初私が懸念していたのは、「1年生から6年生まで同じタブレットを使えるのか?」ということです。 スペックの問題は前提としてありますが、それ以上に故障なども含めると6年間は無理なのでは……と思っているのですが、そのあたりはどうなのでしょうか。 NECやレノボが販売したパソコンの引き取り修理を行っているNECの群馬工場によると、学習用の端末では、通常のパソコンと比べて落下や取り扱い不注意による破損の比率が多いそうで

          【授業におけるICT入門】 なぜパソコンは大切に取り扱うの?

          【親になるということ】選択する力を育てる

          私が所属する団体で、若者向けのシンポジウムを行ったときの話です。 その時期、市議会議員選挙が近く、若い人たちの投票率がなぜ上がらないのか、なぜ彼らが選挙に行かないのか……ということについて、現役の大学生を招いてパネルディスカッションで話し合いました。 私はたとえば、「どうせ自分たちが投票しても世の中は何も変わらない」というあきらめや、「興味がない」という無関心が原因なのかなと思っていたので、そういう答えが出てくるのだろうと思っていました。 ところが予想に反して出てきた答

          【親になるということ】選択する力を育てる

          【授業におけるICT活用】 インターネット検索力をきたえよう(2)

          インターネット検索については、まだまだいろいろな使い方があります。 「フレーズ検索」フレーズ検索は、検索結果をより確実にしたいときに使います。 たとえば人の名前や歌詞、そのほかの有名なフレーズ(格言など)や、ひと続きの文章を検索したいときに使うことが多いのですが、どうやるかというと、検索したいキーワードを二重引用符(")で囲むのです。こうすることで、完全に一致するページが検索されます。 情報リテラシーと検索すると、「情報」と「リテラシー」の両方、つまりAnd検索になって

          【授業におけるICT活用】 インターネット検索力をきたえよう(2)

          【親になるということ】あえて拒否する

          先日、子どもから相談がありました。大学生になり、社会的な活動を行ってみたいと考えた彼は、市民活動団体を立ち上げようと思い、お友達に声をかけている、そして私にも一緒にはじめてもらえないかというのです。 私自身は20年近く市民活動をしており、団体を何回もつくっていますから、彼の提案に乗ることは簡単です。 しかし、ちょっと考えて、断ることにしました。 そこに母親の私が入ってはいけない、「いつでも悩み事は聞くから、自分たちでやってみなさい」と、伝えました。 彼の、こういう話に

          【親になるということ】あえて拒否する

          【授業におけるICT活用】インターネット検索力をきたえよう(1)

          子ども達ひとり1台ずつのコンピューターが配布される前から、学校ではインターネットによる情報検索の授業がありました。3年生くらいからパソコンルームでYahooキッズやgooキッズなどの検索サイトを利用して調べ物をするのです。 しかし昨今、私が看護学校で授業を行う際、生徒たちがインターネット検索を上手く使いこなしていないことに気が付きました。専門学校生ですから、だいたい20歳くらいですが、例えばURLを指定して、「ここからデータをダウンロードしてください」と指示しても、ダウンロ

          【授業におけるICT活用】インターネット検索力をきたえよう(1)

          【親になるということ】個を尊重し、『多様性』の受け入れにつなげる

          先日、家庭教育アドバイザーの研修で、LGBTの方のお話を伺いました。 幼少期から自分の性別に関する違和感をもってきたという体験から、自分とどう向き合ったか、周囲、特に家族や友人の反応はどうであったかということを、しっかりとお話していただきました。 そのとき私が感じたのは、「話を聞いた家族は最初どう思ったのだろうか、そしてどう子どもの想いを受け入れたのだろうか」「自分だったらどう感じ、行動するのだろうか」ということです。 LGBTだけの話ではありませんが、「多様性を受け入れ

          【親になるということ】個を尊重し、『多様性』の受け入れにつなげる

          【授業のためのICT入門】 デジタルシチズンシップを意識する

          GIGAスクールも2年目に入り、いよいよ実践的な授業が展開され始めているのではないでしょうか。子ども達も情報機器の扱いに慣れてきて、自分の学習や興味を深めることに活用しているところだと思います。 そうなってくると、より「授業のどのような場面でICT機器を利用するか」ということが問われるようになります。それだけでなく、「使う目的をどう子ども達に説明するか」がより重要となります。 なぜならば、学校でICT機器を利用する機会というのはすべて「デジタルシチズンシップ」にひもづくこ

          【授業のためのICT入門】 デジタルシチズンシップを意識する

          【授業のためのICT入門】 タブレットを活用した情報リテラシー講座

          先日、小学校4年生と6年生に、タブレットを使った授業を行う機会がありました。そのときの様子が学校ブログに掲載されたので、ご紹介します。 まず4年生。(URLは学校が掲載した記事です) (https://schit.net/kasukabe/esminamisakurai/blogs/blog_entries/view/12/6fc381ee2ce1a6c777a8178008db4370?frame_id=7) 4年生の先生方からのオーダーは、一般的な情報モラル。ネット上

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