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安田浩一さんが週刊朝日の休刊に寄せた寝言を読む

佐野眞一さんのヘイト記事に対する安田浩一さんの弁

 週刊朝日の最終号にジャーナリストを名乗る安田浩一さんの「この長い下り坂の先に」という記事を寄稿しています。記事では、安田浩一さんが週刊朝日の休刊を惜しむ論調で最近の週刊誌について述べています。
 この記事の中で佐野眞一さんのヘイト記事「ハシシタ」に触れるものがあります。

一時期、佐野眞一さん(ノンフィクション作家)のデータマンを務めた。”ノンフィクションの巨人”とも呼ばれた佐野さんの仕事を間近で見ることのできた幸運に、私は今でも感謝している。
 佐野さんが本誌で橋下徹元大阪市長を題材とする連載記事をスタートさせたのは2012年10月だった。その直前、私はあるパーティーの席上で佐野さんが嬉しそうに話していたことをはっきりと覚えている。
「『週刊朝日』で連載が始まるんだよ。すごい記事になるぞ」

(略)

 しかし、連載記事は部落差別を助長させるものだった。連載は初回のみで中止となった。それは佐野さんにとって初めての蹉跌だった。

週刊朝日・安田浩一著「この長い下り坂の先に」

 安田浩一さんは、差別やヘイトスピーチには非常に厳しい方であると承知していますが、この論調はずいぶんと佐野眞一さんに優しいのではないかという印象を拭うことができません。ある人物が被差別部落の生まれであることを明らかにすることは最悪ともいえるヘイトスピーチであると私は考えるのですが、佐野眞一さんがなしたヘイトスピーチであるから安田浩一さんの論調は優しいのでしょうか。それとも、安田浩一さんがこのように記事を書くことがあり得る媒体である「週刊朝日」であるからでしょうか。あるいは、安田浩一さんが思想的に相いれない橋下徹元大阪市長に対するヘイトスピーチであるからでしょうか。このような疑念を抱くほどに安田浩一さんの「ハシシタ」に対する批判は優しいと思います。
 なお、自称反差別団体の主要メンバーである男性が、行動界隈の人物の居住地が被差別部落であるというメールを発信したという事実を掴んでいますが、この人物が処分されたという話は聞いていませんし、安田浩一さんと普通に会話していました。安田浩一さんはジャーナリストであるにもかかわらずこの程度の事実を調べることができないのでしょうか。それとも、自身のイデオロギーに沿った者へはパンの切れ味が極端に鈍るのでしょうか。