マイナー裁判シリーズ第4回「行動する保守の内部抗争がうかがえる民事訴訟」

なぜ川東大了さんが新潟日報上越支社報道部長の坂本秀樹さんを提訴したのか

 在日特権を許さない市民の会大阪支部長や副会長を歴任して京都朝鮮第一初級学校前での威力業務妨害事件にも関与した川東大了さんの民事訴訟については、新聞記事などで報じられた水平社博物館前の街頭宣伝活動をめぐる民事訴訟など著名なものを除くと、ご存知でない方も多いと思います。その川東大了さんは新潟日報上越支社報道部長の坂本秀樹さんに対して150万円の支払いを求めて民事訴訟を提起していました。その原因となったツイートはつぎのようなものでした。

ジャンヌおつるは、自己批判せよ!まず、自分の顔を自分で殴れ!その男に媚びる目を自分でつぶせ!そして、四肢を肘膝から切断せよ!その姿で朝鮮学校の子どもたち、そして親に謝罪しろ!最後は西村、川東、桜井の喉笛を食いちぎれ!そのまでしなければ、お前の罪は消えない!

 これに対し、川東大了さんは自らに対する脅迫であるとして賠償を求めて提訴したのがこの民事訴訟でした。なお、この訴状の特別送達を受け取ったのは坂本秀樹さんのご家庭にいらっしゃる女性の方でした。おそらく奥様ではないかと思います。

当時の「行動する保守」の状況

 この民事訴訟で明らかになるのは当時の「行動する保守」がどのような状況にあったのかという面でした。京都朝鮮第一初級学校前での街頭宣伝活動が原因で川東大了さんを含む在日特権を許さない市民の会やチーム関西のメンバーや主権回復を目指す会関西メンバーが京都朝鮮学園から街頭宣伝活動差止めや損害賠償を求めて提訴され、徳島県教職員組合事務所内での街頭宣伝活動を含めて複数のメンバーが逮捕されたという「行動する保守」が大混乱に陥った時期でした。その徳島県教職員組合の事件では、現在川西市議会議員となっている中曽千鶴子さんも参加していましたが、中曽千鶴子さんのトラメガが故障していたことなどもあって逮捕されることなく、街頭宣伝活動から離れて川西市議会議員選挙への立候補に向けて精力的に活動していました。当時、中曽千鶴子さんがともに徳島県教職員組合の事件に参加していたメンバーらと無関係であるかのように振る舞う姿には大きな批判があったのを覚えています。

中曽千鶴子さんの言動に対する「行動する保守」内部の評価

 川東大了さんの訴状には中曽千鶴子さんについてかなりの部分を割いて触れていました。坂本秀樹さんのツイートが川東大了さんへの加害につながることを主張するために盛っていることは十分に想像することができますが、それを差し引いても中曽千鶴子さんに対する批判や反発が「行動する保守」の中でかなり強かったことを示すものとなっています。
 最後に川東大了さんの訴状で中曽千鶴子さんについて触れている部分を紹介しておきます。

 中曽は日頃の言動から、明らかに精神に異常をきたしていることが明らかな人物でもある。例えば「私は敬虔なクリスチャンだから、絶対に嘘はつかない」と言ったかと思えば「ブログは情報戦だから、全部本当の事を書くはずがない」と言ってみたり、徳島地裁で有罪判決を受けた事件に関連して「私が証言していれば、被告は全員無罪だった」と言っておきながら、自分が後日起訴されて有罪判決を受けても、恥ずかしげもなく堂々としていられる神経を持っている。
 また、中曽は自分が徳島での事件を起訴されると、突如として「在特会と仲間だったことはない」などと意味不明の供述を始め、更には「在特会のヘイトスピーチに最初から反対して抗議したのは私だ」などなどの誰が聞いても「今更、何を言っているのだ」と呆れ返るような自己保身の供述を展開し、それまで一緒に共闘した仲間の街頭宣伝に妨害を加えて来るなどの行為を平気で行う人間でもある。自分さえ助かるのであればそれまで苦楽を共にしてきた友人、知人や仲間を平気で裏切る事ができる人間である。このような裏切り行為も又、通常の日本人の常識や良識を持ち合わせていれば、到底、出来ない事であり、中曽の反社会性や自己保身性、自己中心的な傾向は顕著であり、とても、正常の精神の持ち主であるとは認めがたい。
 このように精神に異常をきたしている事が明らかな中曽に対して、原告の殺害を唆す行為は、原告に対して「この投稿(本件投稿)を見た中曽が、何らかのはずみに本当に私を噛み殺しに来るかもしれない」と畏怖させる行為であり、実際に原告は本件行為を見た中曽が原告を噛み殺しに来るのではないかと恐怖する日々を過ごす事となった。