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伊藤大介被告人に真実を語る機会が到来 1 ~横浜地方裁判所の被告人質問で具体的に語られなかった荒巻靖彦証人による殺人未遂~

伊藤大介被告人が横浜地方裁判所の被告人質問で具体的に触れなかった荒巻靖彦証人による殺人未遂

 大前提として大阪市北区堂山町傷害被疑事件の横浜地方裁判所での公判における被告人質問において、伊藤大介被告人は荒巻靖彦証人にどのように刺されたとは述べていないことを認識しておく必要があります。

 横浜地方裁判所において伊藤大介被告人がなした被告人質問への回答は、どのように刺されたかなどという具体的な回答がないばかりでなく、いつ刺されたかすらわからないというものでした。この程度のことで荒巻靖彦証人に刺されたと述べ、さらに荒巻靖彦証人には殺意があった(殺人未遂罪の構成要件)とすら述べる伊藤大介被告人は、自らが代表取締役を務める株式会社ハウスポートと株式会社eーハウスの宅地建物取引業の免許が欠格事由に該当する自らの罪の減免が見込まれるほどの重要な事実について、具体的な回答をなしていないのです。

永田亮弁護士「荒巻さんが来たのはいつですか。」
伊藤大介「ビルの1階で待っていたら10分ぐらいで来ました。」
永田亮弁護士「荒巻さんが来たのはどうやって気が付きましたか。」
伊藤大介「荒巻さんが『おおい、チョンコ』と言ったので気が付きました。」
永田亮弁護士「そのときの距離はどれぐらいですか。」
伊藤大介「1メートルから2メートルぐらいです。」
永田亮弁護士「大川さん、伊藤さん、荒巻さんの位置関係はどうでしたか。」
伊藤大介「荒巻さん、大川さん、私という位置関係でした。そして刃物を出してきました。」
永田亮弁護士「刃先はどこを向いていましたか。」
伊藤大介「私です。」
永田亮弁護士「荒巻さんの動作はどういうものでしたか。」
伊藤大介「ナイフの形状が気になって詳しくは覚えていません。」
永田亮弁護士「ナイフを出すまでの時間はどれぐらいでしたか。」
伊藤大介「2、3言葉を交わしてすぐだったと思います。大川さんが刃物を持つ手を両手で押さえました。」
永田亮弁護士「ナイフは右手と左手どちらで持っていましたか。」
伊藤大介「右手です。」
永田亮弁護士「大川さんは恐れている様子はありましたか。」
伊藤大介「相手が刃物を持っているので必死だったと思います。」
永田亮弁護士「そこでどうしましたか。」
伊藤大介「荒巻さんの顔面を2発殴りました。」
永田亮弁護士「荒巻さんを制止しようとしたり、羽交い絞めにすることなくそうした理由はなぜですか。」
伊藤大介「大川さんがいましたし、密着すると危険だと思ったからです。」
永田亮弁護士「荒巻さんはどうなりましたか。」
伊藤大介「よろけて建物側に行きました。大川さんが右手を押さえて荒巻さんを押さえる体勢でした。」
永田亮弁護士「そこでどうしましたか。」
伊藤大介「動画を撮りました。差別言動や刃物を持ち出した証拠を残すためです。」
永田亮弁護士「そこで『刺せよ』と荒巻さんを煽ったのはなぜですか。」
伊藤大介「みっともない行為を馬鹿にするという気持ちがあったと思います。刺されたかったわけではなく、馬鹿にすることが目的でした。」
永田亮弁護士「荒巻さんにはたかれてスマホが落ちて、『いいね』と言ったのはなぜですか。」
伊藤大介「スマホが損傷して犯罪の証拠となったことで『いいね』と言ったと思います。」
永田亮弁護士「その後どうしましたか。」
伊藤大介「110番に電話して警察を呼びました。」
永田亮弁護士「110番したのは伊藤さんですね。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「その後どうなりましたか。」
伊藤大介「動画を回していたところ、荒巻さんが左手で大川さんを殴ったり倒そうとしていました。」
永田亮弁護士「そこでどうしましたか。」
伊藤大介「撮影を止めて荒巻さんを殴りました。」
永田亮弁護士「羽交い絞めにしなかったのはなぜですか。」
伊藤大介「荒巻さんが暴れていたので距離を詰めるのは危険だと思ったからです。」
永田亮弁護士「道路中央から端までもつれるように倒れたわけですがどのような体勢でしたか。」
伊藤大介「大川さんが下で荒巻さんが上で中腰になっていました。」
永田亮弁護士「そこでどうしましたか。」
伊藤大介「横から複数回荒巻さんを殴りました。」
永田亮弁護士「荒巻さんの左手はどのような状態でしたか。」
伊藤大介「自由でした。」
永田亮弁護士「ナイフでどうなりましたか。」
伊藤大介「腹部をナイフで刺されました。左手に持った刃物で刺されたものと思います。
永田亮弁護士「ケガの具合はどうでしたか。」
伊藤大介「幅3センチのケガで浅いものでした。」
永田亮弁護士「刺されたタイミングはいつでしたか。
伊藤大介「わかりません。
永田亮弁護士「刺されたことにいつ気付きましたか。
伊藤大介「大川さんに『刃物は。」と聞いて、『通行人が取ってくれたようです』と答えたときに腹部が濡れていることに気が付いて傷があることに気が付きました。
永田亮弁護士「その部分は前からケガをしていたということはないわけですね。」
伊藤大介「ありませんでした。」
永田亮弁護士「荒巻さんを殴っていたときに荒巻さんは抵抗をしていましたか。」
伊藤大介「左手を動かして抵抗していました。」
永田亮弁護士「それはどのようなものでしたか。」
伊藤大介「体勢が崩れたり位置も入れ替わるもので大川さんが上から押さえ込みました。」
永田亮弁護士「荒巻さんの右手はどうなっていましたか。」
伊藤大介「大川さんが押さえていました。」
永田亮弁護士「大川さんが押さえこんでいる姿勢はどのようなものでしたか。」
伊藤大介「大川さんが上で、荒巻さんが下でした。」
永田亮弁護士「荒巻さんはどのような状態でしたか。」
伊藤大介「動かない状態でした。」
永田亮弁護士「そしてどうしましたか。」
伊藤大介「刃物がないことに気付いて殴るのを止めました。」
永田亮弁護士「動かない荒巻さんを殴った記憶はありますか。」
伊藤大介「殴ったのは刃物がないと確認する前だけです。」
永田亮弁護士「いつのタイミングでナイフがないことに気が付きましたか。」
伊藤大介「いつのタイミングだったかははっきりと覚えていません。」
永田亮弁護士「伊藤さんが殴るのがやりすぎだと大川さんが言ったのを聞いた記憶がありますか。」
伊藤大介「いいえ。」
永田亮弁護士「そして、自分のケガに気付いたわけですね。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「ケガの写真は撮りましたか。」
伊藤大介「ケガに気付いたので、警察で写真を撮りました。」
永田亮弁護士「弁第16号証を示します。これはどういう姿勢ですか。」
伊藤大介「寝ころんだ姿勢です。」
永田亮弁護士「救急病院で診断を受けて腹部刺創と診断されたわけですね。」
伊藤大介「はい。傷は腹膜に達するようなものではなく大丈夫でした。縫合を受けて朝までICUにいて、その後に一般病棟に移りました。抜糸については神奈川県の病院で行い、その状況について曽根崎警察署の事情聴取を受けました。」
永田亮弁護士「その後どうなりましたか。」
伊藤大介「12月1日に来てくれと言われて大阪府警の本部に行きました。」
永田亮弁護士「その後どうなりましたか。」
伊藤大介「12月6日に警察に逮捕されました。」
永田亮弁護士「身柄を勾留される理由はなぜだったのですか。」
伊藤大介「わかりませんでした。」
永田亮弁護士「警察に対して何かお願いをしたことはありましたか。」
伊藤大介「在宅にしてほしいと話しましたが、だめだと言われました。」
永田亮弁護士「防犯カメラのビデオを示してやり過ぎだと警察に言われたわけですね。」
伊藤大介「正当防衛に当たらないと警察から聞きました。」
永田亮弁護士「今回の事件が仕事に与える影響はどうですか。」
伊藤大介「会社の役員を辞めなければならなくなるでしょうし、個人的な信頼関係で続いていた取引にも影響があると思います。」
永田亮弁護士「弁第16号証の写真を示します。シャツが血に濡れていますね。刺された場面で革ジャンを着ていましたか。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「その着方ですがしっかりと前を締めて着ていたわけですか。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「ボタンは締めていましたか。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「革ジャンに穴は開いていましたか。」
伊藤大介「はい。」
永田亮弁護士「終わります。」

大阪市北区堂山町傷害被疑事件第3回公判 9

 そして、伊藤大介被告人の回答に沿うように横浜地方裁判所で宣告された判決では付け加えるようにこう触れています。

大川と荒巻は、大川が荒巻の右手首を押さえ、伊藤大介被告人がその様子を動画に撮影していた。大川は伊藤大介被告人に警察を呼ぶように叫び、伊藤大介被告人は「刺せ刺せ」と荒巻を挑発していた。
 1時24分に伊藤大介被告人が110番通報した。
 1時27分に伊藤大介被告人は、荒巻の動画撮を再開した。荒巻は、「卑怯者やのう」と手を伸ばし大川の襟首を引っ張ろうとしていたことが認められる。
 1時28分に大川と荒巻はもみ合いになり、大川が荒巻の上に馬乗りとなる体勢となった。体勢を崩した荒巻を伊藤大介被告人が殴り、1時31分に大川は袈裟固めの体勢となり、荒巻は手からナイフを手放したと認められる。
 1時32分に伊藤大介は動かなくなった荒巻を殴った。なお、伊藤大介被告人の腹部刺創は、荒巻のナイフでなされたものと認められる。

大阪市北区堂山町傷害被疑事件及び茅ケ崎市民文化会館暴行被疑事件判決宣告 2

 この判決では、「誰が」伊藤大介被告人の腹部の刺創をなしたかについても「いつ」伊藤大介被告人の腹部刺創がなされたかについても触れていません。事件の現場のそばには防犯カメラが数多く設置されており、そうであるからこそ事件の時系列が細かく分単位で判決文で触れられているわけです。警察又は検察による事情聴取において、伊藤大介被告人がこの防犯カメラの画像を見せられたものと推察しますが、この防犯カメラには一体何が映っていたのでしょうか。