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正しい主張が世間に受け入れられるとは限らない

JR東日本の「乗車拒否」を訴える伊是名夏子さんのブログ記事

 コラムニストで社民党全国連合常任幹事の伊是名夏子さんが電動式車いすでJR東日本の来宮駅を訪れた際の出来事をブログにアップしています。そして、そのブログ記事に対する批判が非常に大きくなっています。

正直、ここまでの乗車拒否は初めてでした。階段しかない駅では、時間はかかっても、駅員を集めてくれ、持ってくれるからです。車いすユーザーが利用者として想定されていないと、改めて痛感したし、これをもっと可視化していかないといけませんね
正直、私もここまでしたくありません。
交渉したり、記録を撮ったり、メディアに連絡したり。
せっかくの旅行がクタクタでした。
本当に疲れました。
でも声を上げていかないと何も変わりません。
しかも声を上げ続け、味方を増やし、一緒に考えてもらい、たくさんの人で動いていかないと変わりません。
車いすユーザーは確実にこれから増えるし、高齢者やベビーカーユーザーにとっても同じ困りごとがあるので、一人でも多くの人に知ってもらい、誰でも安心して使える公共交通機関になってほしいです。

 例えば、このブログ記事の最後を駅員さんと一緒に撮影した写真で締めくくっていたらどうだったでしょうか。伊是名夏子さんに対する批判も現在ほどではなかったのではないでしょうか。

在日特権を許さない市民の会副会長だった人物の発言と伊是名夏子さんのブログ記事を比較する

 これに関して思い出すのは、在日特権を許さない市民の会副会長の職にあった人物と議論した際のその人物の言葉です。

「在特会のやり方に批判があるのは承知している。しかし、このやり方をすることによってようやくマスコミが我々の活動を取り上げてくれた」

 当時の在日特権を許さない市民の会は、維新政党・新風副代表(当時)の瀬戸弘幸さん、主権回復を目指す会代表(当時)の西村修平さんなどと組み、東村山市議転落死事件で市議の万引き被害にあったブティック前でシュプレヒコールなどを行ったり、模試の問題が反日的であるとしてさいたま市の栄光ゼミナールの講義をやっているビルの前で街頭宣伝活動をやっていたりしました。その結果、在日特権を許さない市民の会は悪い意味で注目されるようになりました。
 在日特権を許さない市民の会の活動はまったく説得力のないものでありましたが、簡単に自分たちの活動や主張が受け入れられることはないという現状認識だけは適切であったといえます。日本という国の国益を守るために何かをしたい、諸外国との外交で弱腰の日本を変えていきたいという意識と目的があったとしてもそれが世間に簡単に受け入れられるほど甘くはないのです。
 様々な施設で障がい者が利用しやすいように改善していくことは大事なことですが、それをただ訴えただけでは世間に受け入れられません。それだけでなく、その訴え方が誤っていたとすればその手法に対する批判が大きくなって世間を騒がしただけで終わってしまうことはよくありますし、世間とはそういうものでしょう。それに対して、世間の者が気付いていないと思い込んで日本の問題点を指摘している自分たちを特別な存在であると考え、一種の選民意識をもって社会運動を続けてきたのが日本の社会活動家たちであったと言えます。そして、伊是名夏子さんも日本の社会活動家たちの「保守本流」の流れを汲んでそのような言動に及んだのではないかと考えると様々な言動の説明がつくように感じます。