吉原馬雀さんが人証申出

　三遊亭圓歌師匠の反訴については法廷での陳述後に詳しく触れることとしますが、弁論準備手続、書面準備手続の中で興味深い動きがありました。それは吉原馬雀さんによる人証の申出です。わかりやすく言えば「誰々を法廷で尋問したい」という申出です。その人証申出は次のとおりでした。

尋問事項
証人　三遊亭圓歌師匠のおかみさん
（呼出　尋問時間４０分）
１　地位経歴
２　コロナ蔓延時において、原告ら弟子に対して被告が指示していた内容
３　師匠である被告のコロナなどでの出演終了後、着衣していた着物をカバンに入れて原告ら弟子が被告の自宅に届けた後の証人の対応
４　２０２０年１２月１２日以降、原告と証人との間で行っていたやりとりとその内容
５　上記の件におけるその後の被告の対応
６　上記各事項に関連する事項一切

尋問事項
証人　三遊亭はらしょう（呼出　尋問時間２０分）
１　地位経歴
２　２０１７年７月１２日当時、原告が証人との間で行っていた寸劇に出演した経緯
３　上記各事項に関連する事項一切

尋問事項
証人　元・三遊亭ありがとう（呼出　尋問時間３０分）
１　地位経歴
２　２０１０年秋の蕨市中央公民館にての被告のハラスメント
３　会場前の時間帯における会場チェックなどの「準備作業」
４　上記の「準備作業」の着衣について
５　上記各事項に関連する事項一切

尋問事項
原告本人　吉原馬雀（同行　尋問時間６０分）
被告本人　三遊亭圓歌（呼出　尋問時間６０分）
１　地位経歴
２　破門届と廃業との関係
３　被告が原告に落語家を廃業することを求めていた経緯
４　被告が原告に引っ越し等を求めていた経緯
５　上記各事項に関連する事項一切

　人証申出で示された尋問事項については、被告によってなされた不法行為であると主張する事実についてそれぞれの証人が関連する内容について尋問を行いたいと記載されています。更に、被告本人に対してなされた人証申出の尋問事項については、原告が不法行為であると訴状で主張した事実のうち、被告が原告に廃業届の提出を求めたとする主張と被告が原告に引越を求めたとする主張に関連する内容に限定されています。このことから、原告と原告訴訟代理人の間で早い時期から尋問に関する打合せがなされていたのではないでしょうか。