声とことばの相談室 管理人:蔭山佑次(かげやま ゆうじ)

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声とことばの相談室 管理人:蔭山佑次(かげやま ゆうじ)

あなたの声とことばを良くする情報を発信しています。ご相談受付中です。パリを拠点に、美しい日本語をテーマにしたアトリエやテアトルを積極的に展開中。音声言語指導者、ボイストレーナー、舞台演出家。声とことばの質を高め表現力を豊かにする磯貝メソッド講師として活躍。

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解決!!フランス語の「R」の発音の問題

Bonjour! パリ在住、日本語の声とことばのトレーナーゆうじです。 載せてある録音は、今回フランス語のRの発音の説明に使用した言葉です。読み進めていくうちに意味が解ると思います。それまで適当になんだろう?くらいに思っておいてください。 興味がある人は興味があって、どうでもいい人には全くどうでもいい話題、今回はフランス語の子音「R」の発音についてです。 英語ではRはカタカナ語表記でアールと発音しますね。フランス語の場合はエールとよく表記されてます。でも、このフランス語の「R」の音が、日本語の「ル」とは全然似ていないんです。今回は日本人にはとても難しいと言われる、フランス語の「R」を発音できるようになりましょう。 今回のタイトルで引っかかって、このコラムを読んでくれているフランス語初心者の方は、経緯とかどうでもいいでしょうから、先に子音の「R」の発音方法を解説します。 「R」の発音は、上アゴの奥の懸よう垂(のどちんこ)のあたりに息を吹きかけて作る摩擦音です。なんのことか分からないでしょうから、先にフランス語の「R」の子音を発音してみましょう。 イメージしてください。真冬の寒い日です。あなたはかじかんだ手を温めるために、ハー、ハーと手に息を吹きかけます。 はい、ハーハーと息を吹きかけてみましょう。声にするのではなくて、息を吐きかけるだけです。フーフーと冷たい息をかけてはいけません。できるだけ温かい息をかけてください。 どうぞ!! ハイ、これで、あなたのRは完璧です!! ハーハーと息を吐きかけたとき、喉の奥で空気を摩擦させて、ハの音を作っていましたね。 なんと、フランス語のR音の正体は、この喉の奥の摩擦音だったんです。 よく、喉を鳴らすとか、のどちんこを震わせる、とかの解説がネットで出回っていますが、実はその音はR音そのものの音ではなくて、R音を作った結果、副産物の様についてくる音だったんですね。 R音は日本人でも、すごく簡単に作れる音だったんです。それは当たり前で、フランス人全員が作っている音なんですから、難しいわけがないんですね。 学問的にきちんと説明しようとしたら、この音だと少し不十分なんですが、ハーで練習してるうちに、すぐにより綺麗なR音が発音できるようになるはずです。 はい、コラムではなくて「R」の発音だけに興味があった方は、ありがとうございました。拍子抜けするくらい簡単な「R」の発音講座でした。 ここからは、なんで僕がその「R」発音の正体に気づくことができたのかの話です。 フランス語の初心者泣かせ「R」の発音 どうしてフランス語を勉強を始めて9ヶ月の僕が、偉そうにフランス語の発音について語っているのかというと、 この「R」の発音、日本人のフランス語初心者が必ずぶつかる問題だからです。日本語にはフランス語の「R」に似た発音がない!だから日本人は「R」の発音が苦手だと一般的には言われています。僕もそう思ってました。 それに当然ですが、9ヶ月前フランス語の全くの初心者だった僕も、この「R」の発音に困ったわけです。なんでって、一番最初に覚える単語、「Bonjour/ボンジュール」「Merci/メルシー」「Paris/パリ」でいきなり「R」の音が入っているからです。 例のごとくRの発音についてインターネットで調べると、喉を震わせる音だとか、喉うがいの音だとか、はてはフランス人の先生が日本語のハヒフヘホと同じ音だよ!!などと一生懸命説明してくれています。それで僕も、そうなのかなーと思いながら一生懸命練習したんですが、フランス人の子供から、「変なおとー!!」って笑われる始末だったので、少なくとも僕には、インターネットの解説レベルでは全然「R」音が発音できるようにならなかったんですね。 YouTubeにアップされている、フランス人のフランス語の先生の説、日本人のハヒフヘホとRは同じ音だよ説、はとてもわかりやすかったんだけど、なんか違うような、、、。 僕が参考にしたフランス人の先生の動画はこちら!!すごくわかりやすいです。 https://www.youtube.com/watch?v=coQLhCulZHw でも、やっぱりこれって、日本人の僕が聞いても、少し違う音なんですよ。多分、この先生は日本人があまりもに「R」の発音ができないから、似てる音で「日本語のハ行の音でいいんじゃないの」くらいな感じでフランス語「R」と日本語ハ行同じ説を唱えているんだと思うんです。 何度聞いても、やっぱり違って聞こえるんですよ。 発見「ハ」にだけ「R」が混ざっていた。正確には「ホ」にもだけど。 そんな感じで「R」音がよくわからないまま過ごしていたんですが、今では、ゆうじは日本人なのに「R」の発音がすごくきれいだねって、語学学校のフランス人の先生や、フランス人の友人達からも言われるようになりました。 なんで、僕が「R」音を発音できるようになったのかって言うと、 フランス人達に「おはよう」という日本語の発音を講義していた時です。 逆にフランス語は「h」の発音がないので、「おあよう」と発音してしまうんですね。 それで僕が、「おあよう」じゃないよ「おはよう」だよ!!「は!!」と繰り返し教えていたんですね。 で、その講座自体はそれで終わったんですが、生徒の一人から、講座の後に「先生の、おはようの「ハ」の音は、フランス語の「R」の音ですね!!」って得意そうに教えに来てくれんたんですね。 それで、んん?? 「ハ」と「R」が同じ音ってどういうこと???と考えてみたんですね。 ハヒフヘホという音について、日本人でも気づかない人がたくさんいるくらいですが、いつものように専門的な説明は省いて、超ざっくり説明すます。 ハ行は息の摩擦音なんですが、ハとホは、口の一番奥で摩擦して作る音で、ヒフへは口の前の方で摩擦する音です。(注記:このコラムは、ざっくり説明しています。正確性を求める記事ではありません。) つまり、口の奥の摩擦音が、「R」ってこと?? それで、その生徒に僕の「ハとホ」の発音を聞いてもらうと、それが「R」の音だっていうんです。 どうも、僕たちは、Rはラリルレロだって刷り込みがあるので、よくわからないけど喉を鳴らしながら、ラみたいな音を一生懸命に出そうとして、全然違う音を出していたんですね。Rはラリルレロの音とは全く関係がなくて、ハとホの音だったんです。 だから最初、上にあげたフランス人の先生の、ハヒフヘホ説は半分正しくて、半分間違っていたんですね。正確には、ハとホに使われている子音が、Rの音だったんです。でも、あのフランス人の先生は、分かりやすくするために、分かっていて説明を省いたのかもしれないですけどね。 一方でフランス語には「h」の発音がない代わりに、「R」の発音があります。フランス人達を観察していて、hの発音が苦手なのは、すでに「R」で「h」の場所を使ってしまっているせいじゃないかと、僕は思っています。 なので逆に、フランス人にハホの発音を教える場合は、Rの発音をイメージさせて教えると、うまく発音できるようになります。(経験談です。) ハイ、そんなこんなで、皆さんは日本人に難しいと言われていたフランス語の「R」の発音ですが、簡単にクリアしちゃいましたね。 暖かい息を手に吐きかけるだけなんですから。 ここまで頑張って読んでいただいた方なら、例えばBonjour/ボンジュールのルの音はボンジューRだとお気づきですね。 Merci/メルシーはメRシーです。 もうこれで、Rの発音では困りませんね! フランスでは、挨拶は超重要です。旅行の際、元気に挨拶すると、ものすごく好意的に受け入れてもらえるはずです。Rの発音がいいと、フランス人はこいつ出来るやつだなって態度に変わります。そのときに、空気を読まないフランス人のマシンガントークにさらされても、僕は責任取りませんよ! それではさようなら。Au revoir!!(オRヴォワR) 声とことばの相談室では、声やことば・コミュニケーションに関する素朴な疑問、ご相談、随時受付中です。「腹式呼吸ができません」「声がよく枯れます」「友達と仲良くなれません」などなんでも結構です。ご質問・ご相談はコメント欄、または声とことばの相談室online shopの問い合わせフォームから。 問い合わせフォームはこちら https://koeno.stores.jp/inquiry いただいたご質問は、当サイトで公開する場合があります。

    • パリで日本語演劇教室をやってみた感想

      パリこども日本語演劇教室秋休み体験講座を2021年10月25日に開催しました☺️ 実は夏のバカンス中にも、演劇教室を開催していたので、今回で2回目です! 急に企画が決めたために、生徒の募集期間が2週間なかったにも関わらず、定員を倍近い多数のお申込みをいただき、主催者側としては嬉しい悲鳴を上げるような状態でした。それだけ、日本語で演劇に挑戦させてみたい保護者の方が多いんだなと思います。 なぜかと考えてみたら、特にパリには沢山の日本語補習校があって、日本語を勉強する機会は多

      • 大変だった😰。日本語発音指導者として渡仏後二年の振り返り。

        2022年4月30日に、何も分からないままパリに来てからちょうど丸2年になります。 渡仏してすぐに、大規模ストライキにコロナと、困難には事欠かない二年間でした😓。日本では4月は年度初めですが、フランスではこれから年度末です。なので今は、期末試験に向けての準備や、次の学校を選ぶ大切な時期になります。僕は、もう一年フランス語を集中して勉強しようと思っています。いや、本当にフランス語って難しい😓。 さて、そう言う時期なので、僕も国語と日本語の生徒さんを新規に募集しようと思って、大

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          プランタンパリのパペット展示

          半ロックダウン中のパリでは、クリスマスの準備が始まって賑やかです。プランタンパリの前には沢山の人が集まって展示を楽しんでいました。

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          フランスは今年、本気でクリスマスやるみたいですよ😲❗️

          一説には、十一月末からお店がオープンするらしいです。証拠にクリスマスのイルミネーションが早くも点灯してました😊❗️

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          フランス二度目のロックダウン、街の様子

          10月30パリの二度目ロックダウンの街の様子です。 凱旋門近くの地域、テルヌからのご報告。

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          みんなの代官山音楽会

          今日は、8月22日のコンサートの最終リハーサルでした😊。フランスから一時帰国して、コンサートの準備など意外に忙しくしています。 まずこのコンサートは、代官山教会の牧師様が、このような環境下だからこそ、感染対策の徹底してでも開いておきたい。という強いお気持ちがあって、実現できました。牧師様のお気持ちに応えるためにも、安全第一にコンサートを行いたいと思っています❗️感謝しかありません。 それで、中身なんですが、リハーサルで初めてJAZZセッションなるものを体験しました!僕自身

          インターネット番組にゲスト出演しました❗️

          私の音声学の師匠、磯貝靖洋先生のインターネット番組にゲスト出演しました。声と言葉をテーマにしながら、時事問題と声の関係を取り扱う少し変わった番組です。広島と日本中で原爆の詩の朗読をしていらっしゃる瀬藤さんもゲストに迎えて、改めて生きるということについて 考え直した回になりました。フランスから見た日本について、僕も楽しくお話しさせていただきました。 是非、ご覧ください❗️

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          頭のいい人が早口を治すには、みんなを褒める!! 早口 心の問題1

          早口をテーマにして書いてきましたが、いよいよ心の問題と早口について書き始めました。とても厄介でデリケートな問題、心が原因で早口になっている人の解決策について考えていてきましょう。 それで、やはり最初に断っておかなくてはいけないのは、今回から心の問題を語るわけですが、僕は心理カウンセラーではありません。あくまで声とことばの専門家という立場から情報発信をしています。なので、他の専門家の方と意見が違っても、他の意見を否定するつもりは全くありません。また、心理学の立場から僕の意見を

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          パリの工事現場の落書き

          歌舞伎のように翻訳してあるシェークスピア

          世界中でいまだに人気の衰えることのないシェークスピア!日本には明治時代に文明開花とともに入ってきたんですが、文学者の坪内逍遥によって全翻訳がなされました。 彼が翻訳を始めた明治時代は、今のテレビドラマのような日常のしゃべり言葉でセリフは書かれていません。なんでかと言うと、演劇の種類に、歌舞伎とか能とか、日本の古典芸能しかなかったからです。 坪内逍遥は、言文一致運動にも関わった文学者ですから、やっぱりセリフも普段のしゃべり言葉のように書こうとしたらしいんです。 でも、この翻訳本

          歌舞伎のように翻訳してあるシェークスピア

          世界最新の声のための解剖学!

          2019年にフランスで革命的な声のための解剖学書が発売されました!今までの書籍と何が違うかと言うと、分かりやすさが全然違います‼️ これまでの解剖学書は、はっきり言って医者や声の専門家が読むのにはいいんですが、俳優や歌手が自分で読んで理解するにはとても難しい書籍しかなかったんです。 ところが、この本は難しい音声系の解剖学を勉強したいと思った人が、読めばわかるように書いてあるんです!しかも、僕も今までどうなっているんだろうって、ぼんやりしていたことが、図解入りで載っています

          フランス語版、奥の細道❗️

          皆さん、フランス語訳の俳句って読んだことありますか? 僕はパリに来て、なんかフランス人達と日本語で遊べないかなーって考えていたんです。それで本屋さんに行ったら、松尾芭蕉のコーナーが大きくとってあって、これだ!!って思ってかった本が、この松尾芭蕉の奥の細道フランス語訳バージョンです。フランス人達が日本語で俳句の朗読するところをイメージできますか? 楽しそうでしょ♪ では、この本どんな内容なのかというと、、、続きは動画で ブックカバーチャレンジ五日目!

          外国語の詩を読むとき、原文に当たります?

          この詩集、フランス語の原文付きなんですが、フランスに留学するまでは、一切フランス語の方は目を通したことなかったんです。でも、原文に当たるってすごく重要なんだって気づいたんです。 なぜなら、全然ニュアンスが違うから、、、。朗読者にとっては、必須だと思います。お客さんに一人でも原文読んだことある人がいると、めっちゃ恥ずかしいからです。 のようなことを熱く語りました😊❗️

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          エクササイズで本当に早口を治す!早口4

          あなたの早口は、実は簡単なエクササイズをするだけで治るかもしれません。今回は身体の特徴から、早口になっている人の早口の治し方について解説していきます。 まず最初にお断りしておくと、早口には主に二つの原因が考えられます。 身体に原因がある場合と、心が原因がある場合の二つです。 今回は、身体に原因があって早口になっている場合の治し方を解説します。もしあなたが、今回解説する例に当てはまらないのであれば、心が原因で早口になっているのかもしれません。そちらの解決方法は次回の記事を

          痛いストレッチはもうやめよう!

          痛みは、身体からの危険信号!そんな当たり前のことなのに、全然気がつかなかった。例えば腕をストレッチするとき、硬い方を一生懸命伸ばしていませんか。痛いのを我慢して、、、。 実は反対側の柔らかい方を伸ばせば、硬い方はストレッチしなくても自然と柔らかくなるんです。 なんでなの?? 僕が出会った、不思議な書籍です。 詳しくは、動画で‼️ ブックカバーチャレンジ三日目。