見出し画像

明るく真面目な変態でいよう_春画先生

まだ夫が彼氏だった頃、二人で春画展を見に行き、強い胸焼けをして会場を後にしたことがある。

公の場所で多くの人の中で見る春画は「ああ、私は日本人、むっつりスケベなんだな」と認識させてくれた。

私は常々、日本人はむっつりすけべだからそういう趣味嗜好はしっかりパートナーに伝えなければいけない、その秘密を共有することによってパートナーと深い絆が生まれると思っている。春画だってむっつりすけべ国民ゆえ生まれた娯楽、芸術なんだと思う。

伝えられない、受け入れられなかった場合があるから風俗や秘密裏の関係があるんだろうなと思っていて、別にそれが悪い訳ではない、しょうがないことだと思っている(それでパートナーや家族が悲しい思いをするのは別だが)。

さて春画先生
同時期に公開していた正欲に比べて随分明るく真面目にフェチを受け入れていて好感を持った。

前向きにフェチを受け入れ、フェチから人を愛するようになり、自分のフェチに気付いていき、真面目にフェチとともに明るく生きていく。
欲望に忠実な人ばかり出てくる。

内野聖陽のエロさ
北香那の解き放ちっぷり
柄本佑の変態さ
そして安達祐実の妖艶さ

これがかなり前面に出て注目されがちだけど、それもまた良いんだけど
弓子が先生に見出され、春画を通じて気付きがあり、先生や辻村によって見出されていき、一葉によって確信させられる
欲望に忠実に生きることができた人生の一部を観ているのである。
とてもラッキーで幸せな人生だと思う。

この人生を見れてよかったと思った。
そして羨ましい 笑


世の中にこんな自分の性的嗜好を受け入れ真面目に明るく生きることができている人ってどのくらいいるんだろう。少数ではないだろうか。
自分の性的嗜好に気づけないまま死んでいく人もいるだろう。
気づけても恥だと思い自分の中で閉じ込めておく人だっているし
ひっそりと欲望を満たしている人もいるだろう。
性的嗜好だけじゃないかもしれないね。
自分はどうかと尋ねられたら返答に困るなあ。

ただ自分の欲望に、正直でいたいと思わせる作品だった。
特にこの作品の世界に入りたいかと言われたら2、3日でいいかなと思うけど。胸焼けしそうだし。

もういい大人だし、さまざまな分別つけながら生きている。
でも自分の好きには正直でありたい。自分の欲には忠実でいたい。



私はたまにお酒を飲んで良い気分になると、誰かに話したくなる「こと」がある。
それをちゃんと狙いを定めた人に話して果たして私はラッキーで幸せになるのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?