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『夜行バス』

「どうしても苦手なモノ」は誰にでもある。人によってはそれがゴキブリかもしれないし、はたまたピーマンかもしれない。

僕の場合は『夜行バス』。

旅好きなのに。

最初に言っておくが、夜行バスのことは便利だと思っている。夜の間に移動し、朝には着く。目的地で朝から行動できるのは大きい。

ただ、どうしても好きになれない。

まず第一に、この狭い箱の中では眠れないのだ。

僕は基本的に夜ふかしが嫌いな人間。「早っ!」と思われるかもしれないけれど、明日の準備が全て整っているなら19:00にだって寝たい。

でも、夜行バスでは眠れないのだ。

その証拠に、今こうしてくだらない文章を書いている。時刻は深夜2時を回った頃。バス特有の音と振動が僕の安眠を阻害する。

それからこの座席、なぜもっと倒れないんだろう。

せめて180度になってくれれば座席は快適なベッドへと変身できる(もちろん法律上無理なことはわかっているが)。

本来僕はどこでも寝られるんだ。

例えば授業中、大学特有のイスと机が一体となったあの硬い席でも眠れる。もっと言えば、同じ鉄の箱でも電車なら余裕だ。通勤電車のロングシートだってOK。

そう、結局は苦手意識が原因なんだろう。

眠れないから、揺れるから、座席が中途半端にしか倒れないから嫌いなのではなく、苦手だと思っているが故に全てが憎らしく思えてくる。

ホントは夜行バスのこと好きなのかもしれない。バスの中で寝ることだってできるかもしれない。

「苦手意識」ってそういうもんなんだね。

醜い争いはもうやめだ。僕は君のことを好きになるよ。だからせめて君も僕のことを好きになってくれ。

そしたら眠れるかもしれないから。

(コフンねこ)

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