見出し画像

泉屋博古館東京/『古美術逍遙──東洋へのまなざし』展における、お香に関する所蔵品の調査と特別講座

六本木・泉屋博古館東京さんのリニューアルオープン記念展Ⅲ『古美術逍遙——東洋へのまなざし』の開催にあたり、お香に関する所蔵品の調査および、調査結果を踏まえた特別講座「香りを聞く」を泉屋博古館東京にて開催させていただきました。

所蔵品の調査では、和の香りの専門家として、香木「紅葉賀」をはじめ、美しい香炉や香合、お香をたしなむ風景が描き込まれた屏風絵などを検分しました。特に香木「紅葉賀」は格式高い「六十一種名香」の一つ。全体に細い和紙の帯が一定間隔で巻き付けることにより、厳重に封がされているように見えました。中央には香銘である「紅葉の御賀」と墨書され、脇には「木目三百目亥ノ三月十一日」と重さと計量した日を書いた紙が付されており、お香の文化の歴史の深さをうかがうことができるものでした。

特別講座では、この調査を踏まえ、展示品の香道具の歴史や当時使用されていたであろう状況、また香道に関する文化的な背景を説明させていただきました。

さらに、普段の展覧会ではガラスケース越しにしか見ることのできない香道具や香木を実際に「聞く」ということで、展示資料の一つである香木「紅葉賀」に近い香りを実際に炷く機会も設けました。体験型を意識し、日本の香りの文化にたしかに触れていただくことができました。

泉屋博古館東京さんとのコラボレーションは、今回が初めてではありません。泉屋博古館東京リニューアルオープンに際して、「文香」を製作しています。この文香は、玉蘭リーフ(精油)の甘やかなかおりと、白檀のウッディでやさしい香りがまざりあった、和と洋の間を漂うような特別なバランスのお香。「KOGADO STORE」でもお買い求めいただけますのでよろしければぜひサイトもご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?